ウシガエルは朝も鳴いていました。そうっと覗きに行くと、すばやくチャポン。水の中に姿を隠してしまいました。ん?・・・鳴き声が聞こえる。なんとウシガエルは、1匹ではなかったのです。100メートルほど離れた別のタンクからも聞こえてきます。よく聞いていると、なんだか2匹で呼び交わしているようなのです。あっちで「ぐー ぐー ぐぐぐ」となくと、しばらくしてこちらが「うぉー うぉー」。交互に鳴いて、決していっしょに鳴くことはありません。
夜、アトリエにこもって作業をしていると、シーンと静まり返った中で2匹の会話はいっそうはっきりします。
「おーい、どこにいるんだい。ぼくのところへおいでよ。」「きみこそこっちへおいでよ。」「ぼくはいけないよ。きみがおいでよ。」「ぼくもいけないよ」・・・・・決して出会うことのない2匹のカエル。互いの声が聞こえるのはせめてもの幸せなのでしょうか。それともかえって孤独をつのらせるのでしょうか。
カエルの声を聞きながら、わたしはひたすら革を削いでいます。
夜、アトリエにこもって作業をしていると、シーンと静まり返った中で2匹の会話はいっそうはっきりします。
「おーい、どこにいるんだい。ぼくのところへおいでよ。」「きみこそこっちへおいでよ。」「ぼくはいけないよ。きみがおいでよ。」「ぼくもいけないよ」・・・・・決して出会うことのない2匹のカエル。互いの声が聞こえるのはせめてもの幸せなのでしょうか。それともかえって孤独をつのらせるのでしょうか。
カエルの声を聞きながら、わたしはひたすら革を削いでいます。
ぐーぐー、うぉーうぉーは、彼らの悲しい相聞歌だったりして。
ところで彼らはいつ寝るのだろうと疑問に思っていましたが、どうも昼間の午後からはお休みのようです。声が聞こえません。