山形の森 保守醒論

山形から発信する内外の時評ブログ!

東映映画「おしん」公開を前に辛口の第二弾!

2013-10-09 10:33:27 | Weblog

日和山日枝神社(酒田市) NHK「おしん」初詣ロケ地

NHKドラマ「おしん(原作)」との比較で、東映映画「おしん」公開を前に辛口の第二弾!。
橋田壽賀子は原作シナリオの執筆中から、希望する主要なキャスティングを考えていたという。
それだけに、固有キャラクターと演技力を反映した「はまり役」が数多く見られる。
NHK「おしん」が長く記憶に残る所以でもある。
その点、映画「おしん」は原作上のリアルさよりも、出演俳優などが先にあり、話題性を以って興業に結び付けたい意図と考えられる。
最初の奉公先「中川材木店」は、旧青山本邸(遊佐町)を使ってのロケである。
たしかに、国指定重要文化財であるから、公開後のロケ地観光巡りに最大利用したいことは解かるのだが、大根飯で生活している「おしん」に、奉公に行けば白米を腹いっぱい食えるからと諭して送り出す。
だが、奉公先の材木店でも「店の衆5人も抱えでる大世帯だ。白い飯なんぞ食っていては身上もだねべ。旦那さまだって奥さまだって、同じ飯食べてんだがら。」と、谷村家と同じく大根飯であったのである。
この材木店の食料事情などから察すれば、ニシン御殿の旧青山本邸は、あまりにも立派(な建築材と調度品)すぎるのである。
初詣のシーンに山寺根本中堂が使われた。
NHK「おしん」では日和山日枝神社でロケされた。木々に囲まれた長い参道でロングショットが映える。
酒田の街形成の歴史(加賀屋モデルの鐙屋など酒田36人衆)にもつながる日枝神社を、なぜ使わなかったのか。
公務の合間をぬって吉村知事の出演パフォーマンスを話題作りにしたかったのだろうか。
おしんが筏で奉公にでる、最上川筏下り別れのシーンがある。
母ふじが川岸から見送り、おしんが「母ちゃんッ!」と叫びながら涙に濡れる場面である。
父作造は奉公に出さなければならない不甲斐なさから、ふじと一緒に見送り出来ずに、時間差で別位置から見送ることになる。
NHK「おしん」では、同じ左岸登場となるのだが、高台を使って上下で位置関係の違いを出している。
このような演出工夫がなされれば、一味違うと思われるのだが。
おしんは7人兄弟(2男5女)の3女、母ふじ役の上戸彩の体躯に7人の子供を産み育て、米俵を担ぐ女丈夫を想像するには厳しい。
両撮影時(子役おしん)の、小林綾子と濱田ここねとは1歳7ヶ月の差がある。綾子が年上である。
演技力云々の前に、8~10歳時のこの年の差は大きい。
泉ピン子を使って、橋田壽賀子から映画化の了承を取り付けなければならないことから始まり、品性漂う加賀屋の大奥様くに役を配役せざるを得ない。
お笑い庶民派の性悪ピン子と重厚老練な長岡輝子(NHKで八代くに役)の貫禄、品性とでは、そもそも(下町場末のホステスと山の手の高級料亭女将ほど)キャラの土台が違う。
それがピン子の芸人としての売りでもある。
おしんマニアの映画公開を前に辛口放言!。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大分県の特許庁再申請で、「... | トップ | 安倍政権に期待、「拉致事件... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事