雫石鉄也の
とつぜんブログ
おいしいシェフ
「ここだよ」
「へー、なかなかおしゃれなレストランじゃない」
「うん。ここは基本はフレンチなんだけど、リクエストすれば和食、中華、イタリアン、エスニック、たいていの料理は出してくれるんだ」
若い男女が、その店の前に立った。男が女をエスコートして店に入る。
「お二人ですか」
「うん、席を予約しておいた牧野だけど」
ウェイターが二人を窓際の席に案内する。私鉄に駅から少し離れた住宅地。いわゆる「隠れ家」的な店である。グルメガイドのたぐいにはあまり載らないが、知る人ぞ知る店だ。その美味しさは口コミで広がっている。
「ぼくの大学院の研究室の先輩が、見つけたんだ。この店。肉料理がおいしいんだ。ぼくも3度目なんだ」
「あら、わたしは3人目なの」
「最初は先輩、次が会社の上司、2回とも男だよ。ぼくがごちそうになったんだ。この店、1日1組の客しかとらないんだ」
コックコートを着た料理長が席に来た。
「いらっしゃいませ。牧野さま」
「あれ、シェフが替わったの」
「はい、土井シェフはいまはこの店にはおりません。私がいまのシェフの野崎でございます。今日の献立はいかように」
「シェフにおまかせで」
「あ、わたしも」
「はい。あとでソムリエをよこします」
野崎シェフは厨房の方にいった。小太りの肉付きのいい男である。
「ソムリエの若林です」
「ぼくたち、シェフにおまかせを頼んだんだ。それにあわせてワインもおまかせで」
「はい」
「だいじょうなの」
「なにが」
「お金」
「きょうは由貴のお誕生日祝いなんだ。それに予算は席を予約するときいってある。シェフもソムリエも予算を知っているからだいじょうだよ。それにな」
「なあに」
「きょうは大事な話があるんだ」
由貴はそれがどんな話か判っている。もちろんOKするつもり。そうなったら、こんな贅沢はたびたびできない。きょうぐらいいいかなと思った。
「ぼくの知ってるだけで、さっきのシェフで3人目なんだ」
「そんなにシェフが替わるお店、味はだいじょうぶなの」
「だいじょうぶさ。ここのシェフはおいしいんだ。さっきの野崎シェフもきっとおいしいよ」
出された肉料理はぜんぶが絶品であった。ヒレ肉を使ったサラダはさっぱり。もも肉のステーキは香ばしく、和風の醬油味のソースがよくあっていた。
「おいしかったわ。でも、この肉、なんの肉かしら」
「そうだな。聞こうか」
ウェイターがコーヒーを運んできた。
「シェフ呼んでくれない」
「申し訳ございません。野崎は急用で店を離れました」
「うん。こんどの野崎はけっこううまかったな」
「はい。私の友人でひどい糖尿の男がいます。料理はできませんが」
「うん、次はそいつがシェフだ。糖尿の男の肉は甘くてうまいかもしれん」
この店のシェフはおいしいので評判だ。シェフが調理する料理がおいしいのではない。シェフそのものがおいしいのである。
「へー、なかなかおしゃれなレストランじゃない」
「うん。ここは基本はフレンチなんだけど、リクエストすれば和食、中華、イタリアン、エスニック、たいていの料理は出してくれるんだ」
若い男女が、その店の前に立った。男が女をエスコートして店に入る。
「お二人ですか」
「うん、席を予約しておいた牧野だけど」
ウェイターが二人を窓際の席に案内する。私鉄に駅から少し離れた住宅地。いわゆる「隠れ家」的な店である。グルメガイドのたぐいにはあまり載らないが、知る人ぞ知る店だ。その美味しさは口コミで広がっている。
「ぼくの大学院の研究室の先輩が、見つけたんだ。この店。肉料理がおいしいんだ。ぼくも3度目なんだ」
「あら、わたしは3人目なの」
「最初は先輩、次が会社の上司、2回とも男だよ。ぼくがごちそうになったんだ。この店、1日1組の客しかとらないんだ」
コックコートを着た料理長が席に来た。
「いらっしゃいませ。牧野さま」
「あれ、シェフが替わったの」
「はい、土井シェフはいまはこの店にはおりません。私がいまのシェフの野崎でございます。今日の献立はいかように」
「シェフにおまかせで」
「あ、わたしも」
「はい。あとでソムリエをよこします」
野崎シェフは厨房の方にいった。小太りの肉付きのいい男である。
「ソムリエの若林です」
「ぼくたち、シェフにおまかせを頼んだんだ。それにあわせてワインもおまかせで」
「はい」
「だいじょうなの」
「なにが」
「お金」
「きょうは由貴のお誕生日祝いなんだ。それに予算は席を予約するときいってある。シェフもソムリエも予算を知っているからだいじょうだよ。それにな」
「なあに」
「きょうは大事な話があるんだ」
由貴はそれがどんな話か判っている。もちろんOKするつもり。そうなったら、こんな贅沢はたびたびできない。きょうぐらいいいかなと思った。
「ぼくの知ってるだけで、さっきのシェフで3人目なんだ」
「そんなにシェフが替わるお店、味はだいじょうぶなの」
「だいじょうぶさ。ここのシェフはおいしいんだ。さっきの野崎シェフもきっとおいしいよ」
出された肉料理はぜんぶが絶品であった。ヒレ肉を使ったサラダはさっぱり。もも肉のステーキは香ばしく、和風の醬油味のソースがよくあっていた。
「おいしかったわ。でも、この肉、なんの肉かしら」
「そうだな。聞こうか」
ウェイターがコーヒーを運んできた。
「シェフ呼んでくれない」
「申し訳ございません。野崎は急用で店を離れました」
「うん。こんどの野崎はけっこううまかったな」
「はい。私の友人でひどい糖尿の男がいます。料理はできませんが」
「うん、次はそいつがシェフだ。糖尿の男の肉は甘くてうまいかもしれん」
この店のシェフはおいしいので評判だ。シェフが調理する料理がおいしいのではない。シェフそのものがおいしいのである。
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とつぜん上方落語 第25回 つる
いま、神戸新聞の朝刊に「ひょうごの野鳥」というコラムが連載されています。なかなか面白いコラムで毎日愛読してます。
さて、野鳥の名前がそのまま落語の演目名なった鳥がいます。鶴です。鶴というと笑福亭一門で使われている漢字です。松鶴、仁鶴、鶴光、鶴瓶など。
それはさておき、つるという落語ですが、おなじみの男が、横町の甚兵衛さんに「つる」の語源を聞きに行く噺です。で、町内の生き地獄、あ、いや生き辞引の甚兵衛さんの説明。昔はつるをつるとはいわなんだ。首長鳥といっておった。
昔、ひとりの老人が浜辺に立って、はるかもろこしの方をながめていたら、はるか西方より、オンの首長鳥がツーとやってきて、松の木にポイととまった。そしてメンがルーとやって来て松の木にポイととまった。これを見て、首長鳥はつるというようになった。
と、あるが、この甚兵衛さんは間違ってます。鶴は木にとまりません。首が長い鳥で木にとまるのはコウノトリかサギです。鶴、コウノトリ、サギ、よく似た鳥ですがサギだけが飛び方が違います。サギは首を曲げて飛ぶ。鶴、コウノトリは首をまっすぐ伸ばして飛びます。だからよく日本画で松の木にとまった鶴の絵がありますが、あれは鶴ではなくコウノトリでしょう。
コウノトリ、日本では特別天然記念物の絶滅危惧種ですが、昔はたくさんいたのでしょう。鶴とコウノトリ、似てるから間違えて絵に描いたのではないでしょうか。
ところで西洋のコウノトリは赤ちゃんを運んで来ますが、日本のコウノトリはなにを運んでくるのでしょう。日本のコウノトリは老人を運んでくるのです。なんか知らない間に、日本はやたら老人が増えたと思いませんか。これはコウノトリがせっせと老人を日本に運んでくるからです。若いころなにをしてたのか、親はだれなのか、子供はいるのか、身寄りはあるのか、なんにも判らない老人がよくいるでしょう。あれはみんなコウノトリが運んできた老人です。
昔、姥捨て山に捨てられた老人をせっせとコウノトリが、時空をこえて、この21世紀の日本に運んできているのです。え、そんなん見たことないって。満月の夜、月をよく見てください。何かが月を横切るのが見えます。それが老人を運んでくるコウノトリです。
さて、野鳥の名前がそのまま落語の演目名なった鳥がいます。鶴です。鶴というと笑福亭一門で使われている漢字です。松鶴、仁鶴、鶴光、鶴瓶など。
それはさておき、つるという落語ですが、おなじみの男が、横町の甚兵衛さんに「つる」の語源を聞きに行く噺です。で、町内の生き地獄、あ、いや生き辞引の甚兵衛さんの説明。昔はつるをつるとはいわなんだ。首長鳥といっておった。
昔、ひとりの老人が浜辺に立って、はるかもろこしの方をながめていたら、はるか西方より、オンの首長鳥がツーとやってきて、松の木にポイととまった。そしてメンがルーとやって来て松の木にポイととまった。これを見て、首長鳥はつるというようになった。
と、あるが、この甚兵衛さんは間違ってます。鶴は木にとまりません。首が長い鳥で木にとまるのはコウノトリかサギです。鶴、コウノトリ、サギ、よく似た鳥ですがサギだけが飛び方が違います。サギは首を曲げて飛ぶ。鶴、コウノトリは首をまっすぐ伸ばして飛びます。だからよく日本画で松の木にとまった鶴の絵がありますが、あれは鶴ではなくコウノトリでしょう。
コウノトリ、日本では特別天然記念物の絶滅危惧種ですが、昔はたくさんいたのでしょう。鶴とコウノトリ、似てるから間違えて絵に描いたのではないでしょうか。
ところで西洋のコウノトリは赤ちゃんを運んで来ますが、日本のコウノトリはなにを運んでくるのでしょう。日本のコウノトリは老人を運んでくるのです。なんか知らない間に、日本はやたら老人が増えたと思いませんか。これはコウノトリがせっせと老人を日本に運んでくるからです。若いころなにをしてたのか、親はだれなのか、子供はいるのか、身寄りはあるのか、なんにも判らない老人がよくいるでしょう。あれはみんなコウノトリが運んできた老人です。
昔、姥捨て山に捨てられた老人をせっせとコウノトリが、時空をこえて、この21世紀の日本に運んできているのです。え、そんなん見たことないって。満月の夜、月をよく見てください。何かが月を横切るのが見えます。それが老人を運んでくるコウノトリです。
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今年もタコつぼのオーナーになった
きのうの地震はほんとに怖かった。あのまま電車が止まったままだと、会社に泊まろうかと思っていたが、さいわい、午後になって、阪急と阪神が運行し始めたので無事帰宅できた。
それはそれとして、先日申し込み、参加費も振り込んでおいた、明石は江井ヶ島漁協のたこつぼオーナーの証書が届いた。これで小生は、今年も明石のたこつぼのオーナーとなった。7月から8月にかけて4回たこつぼが引き上げられる。タコが入っていれば送ってくれる。4回ともボウズでもタコ1匹は必ず送ってくれる。
明石のタコはおいしい。楽しみである。
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チャイナタウン
監督 ロマン・ポランスキー
出演 ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン
出色の探偵映画である。探偵映画ではあるが、殺人事件は起こるが、犯人はだれだとか、動機はなんだとかいう興味で見せる映画ではない。もちろん、それもあるが、それはこの多重構造の映画の一部にすぎない。
最初はなんていうこともない夫の浮気調査だった。中年のおばさんが夫が浮気してるので調べて欲しいと探偵に依頼する。
夫というのがロスアンゼルスの水道局のエライさん。ロスアンゼルスにはダム工事の計画が。そのエライさんダムの建設に反対して、ダム推進派と対立している。
探偵が調査するとエライさん、若い女とあいびきしているようだ。このエライさんのスキャンダルが新聞に載って表ざたに。そうこうしているウチにエライさんの妻という女が探偵の前にあらわれる。最初の中年のおばさんはだれだ。そしてエライさん、死体となって発見される。
映画の後半、エライさんの妻のオヤジが出てきてから、話は複雑になってくる。浮気の相手の若い女について、妻は、娘で妹という?オヤジは事件にどうかかわったのか。エライさんはだれが殺したのか。なぜ殺されたのか。
水の利権がからむ疑獄と男女の愛憎のもつれ。たいへんにアンモラルな所業。複雑な要素が有機的にからまって、悲劇的なラストとなる。鼻に絆創膏を張ったジャック・ニコルソンが探偵を好演。脚本の妙味を味わえる名作だ。最後に中国人の名言をひとつ「静観することだ」
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朝の地震。こわかった。
小生の朝は早い。7時には会社に着いて仕事を始めている。今朝も7時から仕事。ひと仕事終えて、自分の席に戻り、ホッとしていたら。とつぜんグラグラと来た。これはかなり強い揺れ。23年前の1.17の悪夢がよみがえって、生きた心地がしなかった。小生の職場は海のきわだから津波が心配だ。携帯電話にエリアメールで緊急地震速報が届く。すぐパソコンを点ける。津波の心配はなさそう。
震源地は大阪府北部マグニチュード5.9。震度は大阪で6。ここ神戸では5だった。小生、阪神大震災で震度7を経験しているが、震度5もたいへんに怖かった。
すぐ家に電話。つながった。被害は食器が壊れた。お気に入りの酒器が壊れたとのこと残念なり。その後、弟や友人に電話したがつながらなかった。JR、阪神、阪急、鉄道は運休。道路は大渋滞。帰宅はどうしよう。会社に泊まろうかな。
大きな余震が来る恐れがあるとのこと。心配である。どちらさまも、充分にお気をつけいただきたい。
震源地は大阪府北部マグニチュード5.9。震度は大阪で6。ここ神戸では5だった。小生、阪神大震災で震度7を経験しているが、震度5もたいへんに怖かった。
すぐ家に電話。つながった。被害は食器が壊れた。お気に入りの酒器が壊れたとのこと残念なり。その後、弟や友人に電話したがつながらなかった。JR、阪神、阪急、鉄道は運休。道路は大渋滞。帰宅はどうしよう。会社に泊まろうかな。
大きな余震が来る恐れがあるとのこと。心配である。どちらさまも、充分にお気をつけいただきたい。
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トラキチ酒場せんべろ屋 6月17日
「お、おもやん。ひさしぶりやな」
「そや。この店、やっぱ、あんたがおらなあかんわ」
「チューハイもらおか」
「ワシはビールや」
「アテ、そやな。スペアリブの唐揚げ」
「なあ。せーやん」
「なんや」
「NPB最弱のチームは阪神タイガースで決まりやな」
「なんでや」
「借金20で、パリーグだんとつのベッタで、監督がいのなった楽天になすすべもなく、完封されて惨敗すんねんから」
「そやな。困ったもんやな」
「そうか。別にこまらんけど。阪神らしゅうてええんやないの」
「ま、阪神ってあんなもんか」
「そや。この店、やっぱ、あんたがおらなあかんわ」
「チューハイもらおか」
「ワシはビールや」
「アテ、そやな。スペアリブの唐揚げ」
「なあ。せーやん」
「なんや」
「NPB最弱のチームは阪神タイガースで決まりやな」
「なんでや」
「借金20で、パリーグだんとつのベッタで、監督がいのなった楽天になすすべもなく、完封されて惨敗すんねんから」
「そやな。困ったもんやな」
「そうか。別にこまらんけど。阪神らしゅうてええんやないの」
「ま、阪神ってあんなもんか」
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アスパラガスと鶏肉の塩炒め
アスパラガスだ。今が旬だ。野菜は旬のうちにせいぜい食っておこう。料理は食材を購入するところからが肝心である。目を利かせ、良い食材を入手しよう。小生は水産学科出身だから、魚介海産物はある程度目が利くが、野菜はあまりくわしくない。それでも基本的なことは知ってる。
アスパラガスは国産のできるだけ太いのを選ぼう。輸入モノのアスパラガスはもひとつ良くない。調理するまえにスソを切り離しておく。あのあたりは少しスジスジしていて食べると口に残ってよろしくない。
アスパラガスはさっとゆでておく。鶏肉は胸肉を使った。蒸せばいいんだが、めんどうなら電子レンジで加熱してもいい。600Wで3分。裏返して3分。鶏胸肉はパサパサしてまずいという人もいるが、あれは脂っけがないからパサパサするのである。だから脂っけを加えてやればいい。ゴマ油をふってやろう。
さて、この二つを炒め合わせるのだが、塩炒めである。塩炒めというと炒めながら上から塩をパラパラと思うであろう。それだと塩がある所とない所。まばらになる、中華鍋の炒め油に塩をあらかじめ入れておくのだ。その油でいためるから、まんべんなく塩が素材に行き渡るのである
アスパラガスも鶏胸肉も加熱ずみだから、さっといためるだけでいい。調味料はこしょうと酒。それに八角で香りをつけた。
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西宮八園虎日記 6月16日
「こんばんは」
「お、甚兵衛さん久しぶり」
「いやあ。玄白さん」
「女将、今夜のお酒は」
「はい。今夜はバーボンをどうぞ」
「ほう。どんなバーボンだ」
「はい。べーカーズです。アルコール度数53度」
「ほう。強いめだな」
「牛乳で割りました。カウボーイといいます」
「しかし、玄白さん。ええ試合でしたな」
「そうですな。岩貞VS則本。緊迫した引き締まった投手戦でしたな」
「そうですな。8対7ぐらいの打撃戦も面白いですが、きょうみたいな投手戦もええもんですな」
「阪神、勝ちましたが、なんか則本がかわいそうになりました」
「しかし、まあ、金本さんももうちょっと選手を信用してほしいですな」
「ほう。なんで」
「中谷を信頼してバントじゃなく打たせて欲しいですな。岩貞を続投させて欲しかったですな」
「お、甚兵衛さん久しぶり」
「いやあ。玄白さん」
「女将、今夜のお酒は」
「はい。今夜はバーボンをどうぞ」
「ほう。どんなバーボンだ」
「はい。べーカーズです。アルコール度数53度」
「ほう。強いめだな」
「牛乳で割りました。カウボーイといいます」
「しかし、玄白さん。ええ試合でしたな」
「そうですな。岩貞VS則本。緊迫した引き締まった投手戦でしたな」
「そうですな。8対7ぐらいの打撃戦も面白いですが、きょうみたいな投手戦もええもんですな」
「阪神、勝ちましたが、なんか則本がかわいそうになりました」
「しかし、まあ、金本さんももうちょっと選手を信用してほしいですな」
「ほう。なんで」
「中谷を信頼してバントじゃなく打たせて欲しいですな。岩貞を続投させて欲しかったですな」
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新ごぼうと牛肉の炒めもの
新ごぼうです。夏ごぼうともいいます。若いごぼうです。やわらかく、香りもやさしいです。
きょうはこの新ごぼうの料理です。新ごぼうのパートナーは牛肉につとめてもらいましょう。にんにくの茎もはいってもらいましょう。にんにくの香りが良いアクセントになります。
牛肉は醬油とお酒で下味をつけて、さっと油通しをしました。新ごぼうも油を通ってもらいました。
あとは、これを炒めあわせるだけです。牛肉、新ごぼう、にんにくの茎を炒めます。肉とごぼうは火が通っているので、にんにくの茎に火が通ればOKです。調味料は醬油、お酒、砂糖、塩といった基本的なモノだけで充分おいしいです。少量の水溶き片栗粉で軽くとろみをつけ、最後にゴマ油でお化粧すればできあがりです。ご飯のおかずによろしいかと思います。
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西宮八園虎日記 6月15日
「お、女将、きょうは甚兵衛さんは」
「出張だそうです」
「そうか。お酒をいただこうか」
「はい。今夜は道潅を用意しました」
「うん。あては」
「このまえこられた熱帯魚さんの牧野さんが鮎つりにいかれたんですって。釣った鮎を持ってきていただいたので、塩焼きにしましょう」
「牧野さんは」
「ちょっとコンビニに買い物に行かれました」
「女将。ただいま。お、玄白先生」
「やあ牧野さん」
「先生、藤浪復活しましたな」
「ま、復活といえるでしょうね」
「6回まででしたけど」
「マテオ、ドリスいない。岩崎酷使。もうちょっと投げてもらいたかったですね」
「でも、ま、パリーグ断トツのべったの楽天相手ですから藤浪の試し斬りの相手にはちょうど良かったですな」
「しかし、楽天の貧打はひどいですな」
「きょうは、まあ、あと1本出ない合戦で阪神が勝ったということですな」
「はい。鮎焼けました」
「どれどれ。天然の鮎ですな。これはうまい」
「あのう牧野さん、玄白先生とは長いのですか」
「はい、私、胃潰瘍でたびたび血吐いてました。それが先生がピロリ退治してくれて、それから快調です」
「出張だそうです」
「そうか。お酒をいただこうか」
「はい。今夜は道潅を用意しました」
「うん。あては」
「このまえこられた熱帯魚さんの牧野さんが鮎つりにいかれたんですって。釣った鮎を持ってきていただいたので、塩焼きにしましょう」
「牧野さんは」
「ちょっとコンビニに買い物に行かれました」
「女将。ただいま。お、玄白先生」
「やあ牧野さん」
「先生、藤浪復活しましたな」
「ま、復活といえるでしょうね」
「6回まででしたけど」
「マテオ、ドリスいない。岩崎酷使。もうちょっと投げてもらいたかったですね」
「でも、ま、パリーグ断トツのべったの楽天相手ですから藤浪の試し斬りの相手にはちょうど良かったですな」
「しかし、楽天の貧打はひどいですな」
「きょうは、まあ、あと1本出ない合戦で阪神が勝ったということですな」
「はい。鮎焼けました」
「どれどれ。天然の鮎ですな。これはうまい」
「あのう牧野さん、玄白先生とは長いのですか」
「はい、私、胃潰瘍でたびたび血吐いてました。それが先生がピロリ退治してくれて、それから快調です」
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とつぜん対談 第113回 ほうきとの対談
先月はちりとりさんとの対談でした。と、いうわけで、今月はそのちりとりさんとは長年の相棒、ほうきさんに来ていただきました。ほうきさんも、ちりとりさんと同じく長年、日本のプロ掃除で活躍されてきました。
雫石
ようこそおこしくださいました。
ほうき
いやいや。
雫石
先月はちりとりさんに来ていただいて、お話をうかがいました。
ほうき
そうか。なんかいってたか。あいつ。
雫石
ほうきは寿命が短く一人前になる前に寿命がつきるとおっしゃってました。
ほうき
寿命がつきるといっても死ぬわけではない。現役を引退するということじゃ。
雫石
そうだと思いました。あなたはおいくつですか。
ほうき
ワシか。ワシは81じゃ。
雫石
お元気ですね。
ほうき
まあな。しかしワシの頭を見てくれ。すっかりすり減って、まるぼうずじゃろ。
雫石
そうですね。ちりとりさんは今でも週に一度は仕事に出ておられるとか。
ほうき
あいつはちりとりじゃから年取っても仕事ができるんじゃ。わしらほうきは年とったらダメじゃ。
雫石
いまは完全にご隠居ですか。
ほうき
ときどき、テレビ局からプロ掃除の解説を頼まれる。
雫石
どうですか。最近の若いほうきは。
ほうき
だめだね。掃除の基礎ができとらん。基礎ができとらんのに、ゴミ掃除ばかりしたがる。
雫石
え、ほうきはゴミ掃除するのが仕事じゃないんですか。
ほうき
最近は、ついこの前高校を卒業したようなほうきが、プロのゴミ掃除の場にたってゴミ掃除をする。基礎ができてないから、早々にシュロをすり減らして引退するんじゃ。
雫石
ではどうしたらいいんですか。
ほうき
素振りじゃ。
雫石
ほうきの素振りってどうするんですか。
ほうき
シュロを地面につけずに振るんじゃ。1000回2000回振るんじゃ。ワシら若いころは毎日1000回素振りしてた。
雫石
すごいですね。
ほうき
ワシがプロに入ったころは、3年はゴミを掃除させてもらえなかった。3年たって、初めて2軍の掃除場でちりとり相手にゴミ掃除させてもらったんじゃ。
雫石
最初はどんなんでした。
ほうき
そうじゃな。ワシのデビューはお寺の境内の掃除じゃ。秋のころじゃった。落ち葉がいっぱいじゃ。
雫石
その落ち葉を掃除したのですね。
ほうき
そうじゃ。最初はなかなかちりとりに落ち葉が入らんのじゃ。
雫石
掃除できましたか。
ほうき
ダメじゃった。先輩に助けてもろた。
雫石
ようこそおこしくださいました。
ほうき
いやいや。
雫石
先月はちりとりさんに来ていただいて、お話をうかがいました。
ほうき
そうか。なんかいってたか。あいつ。
雫石
ほうきは寿命が短く一人前になる前に寿命がつきるとおっしゃってました。
ほうき
寿命がつきるといっても死ぬわけではない。現役を引退するということじゃ。
雫石
そうだと思いました。あなたはおいくつですか。
ほうき
ワシか。ワシは81じゃ。
雫石
お元気ですね。
ほうき
まあな。しかしワシの頭を見てくれ。すっかりすり減って、まるぼうずじゃろ。
雫石
そうですね。ちりとりさんは今でも週に一度は仕事に出ておられるとか。
ほうき
あいつはちりとりじゃから年取っても仕事ができるんじゃ。わしらほうきは年とったらダメじゃ。
雫石
いまは完全にご隠居ですか。
ほうき
ときどき、テレビ局からプロ掃除の解説を頼まれる。
雫石
どうですか。最近の若いほうきは。
ほうき
だめだね。掃除の基礎ができとらん。基礎ができとらんのに、ゴミ掃除ばかりしたがる。
雫石
え、ほうきはゴミ掃除するのが仕事じゃないんですか。
ほうき
最近は、ついこの前高校を卒業したようなほうきが、プロのゴミ掃除の場にたってゴミ掃除をする。基礎ができてないから、早々にシュロをすり減らして引退するんじゃ。
雫石
ではどうしたらいいんですか。
ほうき
素振りじゃ。
雫石
ほうきの素振りってどうするんですか。
ほうき
シュロを地面につけずに振るんじゃ。1000回2000回振るんじゃ。ワシら若いころは毎日1000回素振りしてた。
雫石
すごいですね。
ほうき
ワシがプロに入ったころは、3年はゴミを掃除させてもらえなかった。3年たって、初めて2軍の掃除場でちりとり相手にゴミ掃除させてもらったんじゃ。
雫石
最初はどんなんでした。
ほうき
そうじゃな。ワシのデビューはお寺の境内の掃除じゃ。秋のころじゃった。落ち葉がいっぱいじゃ。
雫石
その落ち葉を掃除したのですね。
ほうき
そうじゃ。最初はなかなかちりとりに落ち葉が入らんのじゃ。
雫石
掃除できましたか。
ほうき
ダメじゃった。先輩に助けてもろた。
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涙香迷宮
竹本健治 講談社
うわあ。すごいな。ようけのいろは歌考えたな。よう、こんなん考えたな。連珠のうんちくたっぷり。すごいな。
ともかく、たいへんな労作ですな。いろは歌。ご苦労さん。え、いろは歌の労力は評価してるけど、小説としてどうなん。いちおう読めた。最後に、もういっぺん。いろは歌、ご苦労さん。
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トラキチ酒場せんべろ屋 6月13日
「大将、ビール」
「え、アテ?そやな串カツ盛り合わせ」
「ワシ?ワシもビールや。アテは唐揚げ」
「負けたけど、久しぶりにおもろい試合みせてもろたな」
「そやな。中谷、陽川がよう打つようになったな」
「うん。これやったらロサリオもなんたらいう新外国人もいらんで」
「きょうはたまたまピッチャーがあかんかったから負けたけど、きょうみたいな打撃やったらセリーグが再開したら広島にけっこう追いつくんちゃうやろか」
「そやな。鳥谷も3塁で収まってきたし」
「大将、おもやんは」
「え、休み」
「しゃあないな」
「え、アテ?そやな串カツ盛り合わせ」
「ワシ?ワシもビールや。アテは唐揚げ」
「負けたけど、久しぶりにおもろい試合みせてもろたな」
「そやな。中谷、陽川がよう打つようになったな」
「うん。これやったらロサリオもなんたらいう新外国人もいらんで」
「きょうはたまたまピッチャーがあかんかったから負けたけど、きょうみたいな打撃やったらセリーグが再開したら広島にけっこう追いつくんちゃうやろか」
「そやな。鳥谷も3塁で収まってきたし」
「大将、おもやんは」
「え、休み」
「しゃあないな」
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西宮八園虎日記 6月12日
「こんばんは」
「あら、玄白さん、ひさしぶり」
「甚兵衛さんはきてるかな」
「来ておられますよ」
「やあ、玄白さん、先にやってますよ」
「おや、ウィスキーですかな」
「はい。バーボンです。プレミアムバーボンのベイカーズです」
「ワシにもそれを下さらんか、女将」
「しかし、斉藤佑樹ももうあきまへんな」
「そうですな。今の阪神打線に7点も取られるようじゃダメですな」
「その阪神打線も高山が戻って来て早速ホームランええんじゃないですか」
「その高山に中谷もホームラン。梅野のタイムリー、糸原は4回出塁。福留、糸井に頼らんでも点取りましたな」
「お、電話だ」
「はい。では待ってます」
「女将、こないだ熱帯魚飼いたいゆうてたやろ。ワシの元患者さんで熱帯魚屋さんがおるんじゃ。いまからここに来る」
「こんばんは」
「お、牧野さん、ここじゃ」
「あ、牧野です」
「本屋敷です」
「ここに水槽置きたいんですね」
「はい」
「なるほど。ここなら90センチの水槽二つおけます」
「わたしお魚飼うの初めてです。よろしくお願いします」
「判りました。私にまかせてください」
「あら、玄白さん、ひさしぶり」
「甚兵衛さんはきてるかな」
「来ておられますよ」
「やあ、玄白さん、先にやってますよ」
「おや、ウィスキーですかな」
「はい。バーボンです。プレミアムバーボンのベイカーズです」
「ワシにもそれを下さらんか、女将」
「しかし、斉藤佑樹ももうあきまへんな」
「そうですな。今の阪神打線に7点も取られるようじゃダメですな」
「その阪神打線も高山が戻って来て早速ホームランええんじゃないですか」
「その高山に中谷もホームラン。梅野のタイムリー、糸原は4回出塁。福留、糸井に頼らんでも点取りましたな」
「お、電話だ」
「はい。では待ってます」
「女将、こないだ熱帯魚飼いたいゆうてたやろ。ワシの元患者さんで熱帯魚屋さんがおるんじゃ。いまからここに来る」
「こんばんは」
「お、牧野さん、ここじゃ」
「あ、牧野です」
「本屋敷です」
「ここに水槽置きたいんですね」
「はい」
「なるほど。ここなら90センチの水槽二つおけます」
「わたしお魚飼うの初めてです。よろしくお願いします」
「判りました。私にまかせてください」
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ギアを上げる?
「ノーアウト満塁のピンチとなりました。ピッチャー、ここでギアを上げピッチングを加速しました」テレビで野球を観てたら、アナウンサーがよくこんなことをいう。これ間違い。なんでもウンチクを垂れる広沢克己がこの件に関してウンチクを垂れないので、ここで小生がウンチクを垂れる。
これは野球のピッチャーの投球を車の運転に例えたモノだろう。車を運転中、加速する時はギアを上げない。ギアを上げる。3速で走っていて4速にギアをシフトする、あるいは2速を3速、1速を2速にすることだろう。
試しにサードで走っていてトップにギアを上げて加速してみたらよくわかる。そんなことをすればアクセルをいくら踏んでも緩慢な加速しかしない。加速する場合はギアを落とすだ。前の車を追い越そうとする。ギアを1段落としてアクセルを踏む。すると車は鋭い加速をする。
車のギアは低い段のギアほどトルクが強い。高い段のギアは高速で相手ギアを回転させるがトルクは弱い。トルク。エンジンの発生するトルクは常に同じである。それを複数のギア=歯車を噛み合わせて適切なトルク、回転をシャフトに供給しているのである。シャフトからの駆動力をタイヤが継いでタイヤが路面を蹴って車は進んでいるのである。トルクが強いということは路面を蹴る力が強いということである。高いギアは回転数は多いがトルクは弱い。
だから、車を発信させる時は一番低いギアで発進する。静止状態から始動する時が一番トルク=タイヤが路面を蹴る力が必要だからだ。で、車が加速していくとだんだんと高いギアに上げていくのである。小生、オートマチック車は大嫌いだからこれを手動でやる。オートマチックは車が自動的にする。同じことである。路面を蹴る力が強いと加速は鋭いのである。強いトルク強いトルクで加速しながら、充分ななスピードに達したら、力は弱いが最も高回転でタイヤを回すことができるトップなりオーバートップのギアで車は走るのである。
世の野球中継をするアナウンサーたちよ、これからは「さあ、ピンチです。ピッチャー、ギアを下げました」といおう。
これは野球のピッチャーの投球を車の運転に例えたモノだろう。車を運転中、加速する時はギアを上げない。ギアを上げる。3速で走っていて4速にギアをシフトする、あるいは2速を3速、1速を2速にすることだろう。
試しにサードで走っていてトップにギアを上げて加速してみたらよくわかる。そんなことをすればアクセルをいくら踏んでも緩慢な加速しかしない。加速する場合はギアを落とすだ。前の車を追い越そうとする。ギアを1段落としてアクセルを踏む。すると車は鋭い加速をする。
車のギアは低い段のギアほどトルクが強い。高い段のギアは高速で相手ギアを回転させるがトルクは弱い。トルク。エンジンの発生するトルクは常に同じである。それを複数のギア=歯車を噛み合わせて適切なトルク、回転をシャフトに供給しているのである。シャフトからの駆動力をタイヤが継いでタイヤが路面を蹴って車は進んでいるのである。トルクが強いということは路面を蹴る力が強いということである。高いギアは回転数は多いがトルクは弱い。
だから、車を発信させる時は一番低いギアで発進する。静止状態から始動する時が一番トルク=タイヤが路面を蹴る力が必要だからだ。で、車が加速していくとだんだんと高いギアに上げていくのである。小生、オートマチック車は大嫌いだからこれを手動でやる。オートマチックは車が自動的にする。同じことである。路面を蹴る力が強いと加速は鋭いのである。強いトルク強いトルクで加速しながら、充分ななスピードに達したら、力は弱いが最も高回転でタイヤを回すことができるトップなりオーバートップのギアで車は走るのである。
世の野球中継をするアナウンサーたちよ、これからは「さあ、ピンチです。ピッチャー、ギアを下げました」といおう。
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