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西宮八園虎日記 6月28日

「広島には3連敗するけど、DeNAには3連勝しますな」
「そうですな。久しぶりの岩田でしたな」
「なかなか好投してましたな」
「そうですねん。その岩田の勝ちを藤川がホームラン打たれて帳消しにしおってからに」
「しゃあないですな。そのかわり能見が100勝目です」
「ま、相手にもろた勝ち越し点やったけどな」
「お、女将、今夜はビールね」
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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン


 ピーター・トライアス 中原尚哉訳        早川書房

 第二次世界大戦は日本とドイツが勝った。ドイツは東海岸を日本は西海岸を領有した。アメリカ合衆国は崩壊。大日本帝国はロスアンジェルスを首都に日本合衆国を建国した。
 と、いう設定の小説である。フィリップ・K・ディックの「高い城の男」に触発されて書かれた小説である。著者自ら献辞でディックに感謝の意を表明している。
 表紙のイラストを見て、そういう小説であると期待したら失望する。かような巨大人型兵器は出てくるが、期待ほどは活躍しない。後半で少しアクションを披露して読者のご機嫌をうかがってくれる。
 アクション小説というより、カリフォルニアに建国された日本合衆国なる国を行くディストピア小説である。この合衆国も大日本帝国だから、絶対君主は天皇である。国民は天皇に忠義を尽くすのが美徳とされている。
 主人公は二人。まず石村紅功大尉。ベンという。士官学校をベタから数えたほうが早い成績で卒業した劣等生。同期がみんな佐官になっているのに昇進が遅れている。剣道がヘタで仕事のことより女のことを考えている落ちこぼれ将校。そしてもうひとり。槻野昭子。特別高等警察(特高)の女性課員。石村大尉と違い、めちゃめちゃ有能で沈着冷静。冷酷非情。平然と人を射殺する。陛下の絶対忠臣を任じていて、陛下にあだなす者には容赦しない。どんな拷問には耐える。
 このカリフォルニアの日本合衆国にもアメリカ人の抵抗組織がある。その組織にもぐりこみ、「USA」というアメリカが勝った設定のゲームを開発した、元帝国陸軍の将軍を石村、槻野のコンビが追う。
 
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