雫石鉄也の
とつぜんブログ
西宮八園虎日記 6月26日
「こんばんは。女将」
「あら。おひさしぶりです。センセ。どこ行ってたの。せんべろ屋さんばかりに行ってらしたんでしょ」
「いやあ。ちょっと学会の用で海外に出張してたわ。甚兵衛さんは」
「いらっしゃってますよ」
「おや。玄白さん、ひさしぶり」
「ごぶさた。甚兵衛さん」
「勝ちましたな」
「そうですな。やっと連敗を止めましたな」
「女将。今夜のお酒は」
「はい。獺祭です」
「お、ええな。で、アテは」
「豚の南蛮漬けです。豚のロース肉の塊をオーブンで焼いて、うすく切って冷蔵庫で冷やしました。このタレをかけてどうぞ」
「ま、先発がメッセンジャーですから、そんなに点は取られない」
「で陽川一人で打って勝ちましたな」
「玄白さん。こんど熱帯魚屋の牧野さんが水槽を持って来てくださいます」
「そうか。楽しみやな」
「あら。おひさしぶりです。センセ。どこ行ってたの。せんべろ屋さんばかりに行ってらしたんでしょ」
「いやあ。ちょっと学会の用で海外に出張してたわ。甚兵衛さんは」
「いらっしゃってますよ」
「おや。玄白さん、ひさしぶり」
「ごぶさた。甚兵衛さん」
「勝ちましたな」
「そうですな。やっと連敗を止めましたな」
「女将。今夜のお酒は」
「はい。獺祭です」
「お、ええな。で、アテは」
「豚の南蛮漬けです。豚のロース肉の塊をオーブンで焼いて、うすく切って冷蔵庫で冷やしました。このタレをかけてどうぞ」
「ま、先発がメッセンジャーですから、そんなに点は取られない」
「で陽川一人で打って勝ちましたな」
「玄白さん。こんど熱帯魚屋の牧野さんが水槽を持って来てくださいます」
「そうか。楽しみやな」
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西村寿行伝説だ
本の雑誌7月号は西村寿行の特集だ。「巨魁・西村寿行伝説!」を銘打って、寿行番編集者の座談会と、ご息女西村亜子さんたちのエッセイ。それに水鏡子先生の手による「西村寿行作品リスト!」
西村寿行。昭和の時代、1970年代後半から1980年代にかけて、日本のエンタティメント小説界を席巻した化け物作家である。この当時「さんむら」の時代といわれていた。森村誠一、半村良、西村寿行。このなかでもっともパワフルな作家は寿行だろう。ハードロマンと呼ばれるその作品は、熱く、寿行の小説はページを開けただけでヤケドがしそう。まさにモンスター作家である。
その寿行が最も活動してた時期に担当だった編集者が寿行の思い出を語る。最盛期の寿行は月産800枚から1000枚。一晩にアーリータイムズを1本開けながら書く。寿行番の編集者が何人もやってくるが、気難しい寿行にすぐ出入り禁止になる。そのくせさみしがりやだから、編集者がたくさんいないといけない。
日本刀を振り回す。犬好きの寿行は猟犬を飼っていて、その犬に噛まれた編集者がたくさん。
締め切りまぎわ。原稿の督促をする。寿行べろべろに酔っぱらっている。「オレはもう書けん。代わりにお前が書け」編集者なんとか書く。書いた原稿を見てもらおうと持っていく。酔っぱらった寿行一読。「だめだ。ちょっと待っておれ」1時間ほどして原稿を編集者に手渡す。その回の原稿が最初から書かれていた。
なんせ、わがまま。横暴。好き勝手。むちゃくちゃ。それでも作品が飛ぶように売れた。
いやあ。手塚治虫番の編集者も地獄であったそうだが、西村寿行番の編集者も地獄であったのだな。やっぱりアツイ作家だった西村寿行。また読みたいな。
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