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とつぜん上方落語 第25回 つる

 いま、神戸新聞の朝刊に「ひょうごの野鳥」というコラムが連載されています。なかなか面白いコラムで毎日愛読してます。
 さて、野鳥の名前がそのまま落語の演目名なった鳥がいます。鶴です。鶴というと笑福亭一門で使われている漢字です。松鶴、仁鶴、鶴光、鶴瓶など。
 それはさておき、つるという落語ですが、おなじみの男が、横町の甚兵衛さんに「つる」の語源を聞きに行く噺です。で、町内の生き地獄、あ、いや生き辞引の甚兵衛さんの説明。昔はつるをつるとはいわなんだ。首長鳥といっておった。
 昔、ひとりの老人が浜辺に立って、はるかもろこしの方をながめていたら、はるか西方より、オンの首長鳥がツーとやってきて、松の木にポイととまった。そしてメンがルーとやって来て松の木にポイととまった。これを見て、首長鳥はつるというようになった。
 と、あるが、この甚兵衛さんは間違ってます。鶴は木にとまりません。首が長い鳥で木にとまるのはコウノトリかサギです。鶴、コウノトリ、サギ、よく似た鳥ですがサギだけが飛び方が違います。サギは首を曲げて飛ぶ。鶴、コウノトリは首をまっすぐ伸ばして飛びます。だからよく日本画で松の木にとまった鶴の絵がありますが、あれは鶴ではなくコウノトリでしょう。
 コウノトリ、日本では特別天然記念物の絶滅危惧種ですが、昔はたくさんいたのでしょう。鶴とコウノトリ、似てるから間違えて絵に描いたのではないでしょうか。
 ところで西洋のコウノトリは赤ちゃんを運んで来ますが、日本のコウノトリはなにを運んでくるのでしょう。日本のコウノトリは老人を運んでくるのです。なんか知らない間に、日本はやたら老人が増えたと思いませんか。これはコウノトリがせっせと老人を日本に運んでくるからです。若いころなにをしてたのか、親はだれなのか、子供はいるのか、身寄りはあるのか、なんにも判らない老人がよくいるでしょう。あれはみんなコウノトリが運んできた老人です。
 昔、姥捨て山に捨てられた老人をせっせとコウノトリが、時空をこえて、この21世紀の日本に運んできているのです。え、そんなん見たことないって。満月の夜、月をよく見てください。何かが月を横切るのが見えます。それが老人を運んでくるコウノトリです。
 
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