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嘘八百


監督 武正晴
出演 中井貴一、佐々木蔵之介、森川葵、近藤正臣、芦屋小雁、寺田農

 これは面白い。「スティング」や「鑑定士と顔のない依頼人」といったコンゲーム映画の名作はいろいろあったが、この作品はそれらと肩をならべたコンゲーム映画の佳品といっていいだろう。
 骨董屋「獺」を営む小池は、運転中に聞いた「ありがとう浜村淳です」の星占いに従って西へ車を走らせる。土蔵のあるお屋敷の前で車を止める。
 この屋敷の主人に頼み込んで土蔵の中を見せてもらう。主人は骨董のことは判らんといいつつも、1つの茶碗を見せる。なんでも車1台分の値打ちとか。贋物である。その贋物の出どこの店にねじ込む。
 屋敷の主人の呼ばれた小池は再度蔵の中へ。とんでもないお宝発見。千利休が切腹直前に知人に茶器を贈った。その譲り状と箱がある。本物だ。ただし肝心の茶器がない。これで茶器があれば国宝級。さて、どうする。なんとかならないか。なんとかするのである。
 映画のタイトルどおり嘘だらけの映画である。土蔵の屋敷の主人、テレビにも出ている大物鑑定家。外国人のバイヤー。だれが/なにが本物か。だまされる楽しさの映画である。

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