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トラキチ酒場せんべろ屋 9月14日

「お、大将、おもやんは」
「え、休み。しゃあないな。チューハイちょうだい。レモンな」
「ワシはハイボールや。角ハイでええは」
「え、アテ?ドテとズリ」
「ワシはレバカツ」
「しかし、また阪神貧打やな」
「そや。原樹里なんぞにおさえこまれてしもたな」
「あの広島での猛打爆発はなんやったんやろな」
「秋の長雨でしけってしもたんやろ」
「乾くやろか」
「さあ、わからんな」

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とつぜん対談 第116回 台風との対談

 今日の対談相手は、私の地元神戸におられます。おられるというより、落ちているといった方がいいでしょう。その方は先日、はるか南方から神戸にやって来て大暴れした方です。
 台風さんです。なんでも市役所の南がわ東遊園地におられるとか。あれ、台風は去ったのではないかと、思われるかも知れませんが、台風の芯はまだ神戸におられるそうです。

雫石
 東遊園地にやってきました。このへんにおられるはずですが。

台風
 おおい。ここだよ。

雫石
 あれ、確かに声が聞こえました。どこにいるのだろう。

台風
 ここだよ。ここ。

雫石
 あれ、こんなところに小さくて丸いモノ。目玉が1つ。鬼太郎のオヤジを小さくしたようなもんが落ちている。ん、声が聞こえる。こいつがしゃべってるんだ。こいつが台風か。

台風
 はい。ぼくです。ぼくが台風です。

雫石
 台風って?台風は確かに先週、神戸に来たが、北のほうへ去って、もう消滅したはずやけど。

台風
 ああ、あの雨と風はぼくの服です。ぼくは、たいてい陸地に上陸すると服がぬげるのです。

雫石
 だったらなぜ先に上陸した四国ではなく神戸で服がぬげた。

台風
 いちがいにいえません。上陸してもぬげないときもあるし、海の上でぬげるときもありまあす。ぼくの場合、神戸に上陸した時ぬげました。

雫石
 だったら、お前が台風の本体か。

台風
 はい。そうです。

雫石
 台風って、南の海で発生する空気の渦ではないのか。

台風
 違います。南の海で、海面のタンパク質が固まってぼくができるのです。だいたい2センチほどの丸い玉なんですが、ぼくは大型に育ちました。4センチあります。

雫石
 しかし、おどろいたな。台風が手のひらの上に乗っかるなんて。だったらなんであんな暴風雨になるんだ。

台風
 ぼくは空気の服を着ます。裸じゃ寒いからどんどん空気を着こみます。そうしているうちに、ぼくに向かって空気が流れ込みます。

雫石
 それにしても、なんでお前は毎年毎年日本に来るんだ。お前のせいで大きな被害をこうむるんだ。もう来るな。

台風
 ごめんなさい。ぼくも来たくて日本に来てるんじゃありません。ぼくは自分では動けないんです。

雫石
 しかしお前は狙ったように日本に来るじゃないか。

台風
 ぼくは高気圧のへりに沿って動いているんです。ぼくの意志ではありません。

雫石
 だったら高気圧が悪いのだな。

台風
 はい。でも、ぼくがこういったことはないしょにしてください。

雫石
 なんでだ。

台風
 高気圧は強いんです。高気圧に取り囲まれるとぼくは動けません。

雫石
 それにしても憎たらしいヤツだな。こないだの4日はワシ、会社休んだんだぞ。こうしてやる。ピシッ。

台風
 痛ああい。

雫石
 お、目からでたのは、それは涙か。台風も泣くのか。

台風
 泣きます。ぼく、とっても弱いんです。

雫石
 なにが弱いもんか。お前は最強の台風といわれてたぞ。

台風
 だから、あれはぼくがまとっている服ですって。ああ。うう。

雫石
 どうした。なんだか小さくなったぞ。

台風
 お別れです。

雫石
 ああ、仁丹ほどの玉になった。

台風
 さようなら。

雫石
 消えた。
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