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天冥の標Ⅵ 宿怨


小川一水      早川書房
 
全10巻の予定ではじまったこのシリーズ。10冊では収まらない。Ⅰでいきなり上下2巻。その後、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴと1冊づつ出て、快調に読んできたのだが、ⅥになってPART1からPART3まで3冊も費やした。6巻目はこれまでの最長となった。で、正直な感想だが、長すぎ。ストーリー的には確かに、シリーズ中の転換点で面白いんだが、少しダレた。
 6巻目、宿怨というサブタイトルがつけられているが、この巻で戦争が勃発する。太陽系大戦ともいうべき戦争だ。
 太陽系を支配していたロイズ非分極保険社団と救世群の戦争だ。日本人アイザワ・チカヤを始祖とする、疫病冥王斑ウィルスに感染して回復した「救世群」と、非染者の戦争だ。救世群側は帝国と化し、モウサ・ヤヒロが初代皇帝となる。そして救世群は究極の兵器を繰り出した。
 ちょっとネタバレになるが、救世群が取った手段は禁じ手ではないのか。この時代はBC兵器の使用は許されているのか。ともかく、この巻で冥王斑という疫病が、人類の文明にとって大きな意味を持ってくる。冥王斑とはなんだったんだ。7巻目以降が楽しみ。
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