雫石鉄也の
とつぜんブログ
レイダース 失われた聖櫃
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ハリソン・フォード、カレン・アレン、ジョン・リス=ディヴィス
インディ・ジョーンズシリーズはこの作品だけを観ればいい。2作目、3作目はそれなりに観れたが蛇足といっていい。4作目「クリスタル・スカルの王国」となると、もう、目を覆うばかりの駄作。スピルバーグもこの作品あたりが絶頂だったのではないか。あとは、SFを判ってないクセにへんに大作ぶってSF映画を作りたがり、ハッタリばっかりの映画作家になってしまった。
本作は破天荒な面白さに満ちた傑作だ。どんな映画かはご存じのムキも多かろう。だからあらすじ紹介は割愛するが、ようするに、神と通信できるというモーゼの十戒を記した石板を納めた聖櫃を、ナチスと主人公の考古学者インディ・ジョーンズが争奪戦を繰り広げるというお話。
パラマウントの山マークが南米かどっかの実際の山にオーバーラップするオープニングから、ジャングルを進み、さまざまな罠をかいくぐり、黄金の彫像をインディが取り、巨大な岩がゴロゴロ。いきなりのツカミである。映画開巻と同時に、これはどういう映画かを、強烈に判らせてくれる。あとは一気に、ラストの聖櫃を開けてのスペクタクルになだれ込む。スピード感あふれる、冒険アクション映画のお手本のような映画だ。このあたりはスピルバーグの才能を感じる。また、アクションばかりではなく、ところどころにくすぐりが入れてあるのも効果的。敵方ナチスが、なぜ聖櫃の埋まっている場所を特定できたか、また、その場所が微妙にずれているのはなぜか。ナチスの荒ごと専門のおっさんが出てくるが、こいつが桂文珍師匠にそっくり。その文珍師匠が「ハイル・ヒットラー」と手を挙げるが、その手を観て、納得、と同時に笑わせられる。頭をからっぽにして、スカッと楽しみたい時に観るには最適の映画だ。
ところで、お宝が隠してある場所に、毒蛇がいたり、さまざまな罠、仕掛けがあって、それの犠牲となった骸骨がいっぱいでてくるが、それらの仕掛けのメンテナンスはどうしているのだろう。毒蛇の餌はだれがやっているのだろう。矢が飛んでくるが、矢の補充はどうしているのだろう。巨大な大岩が転がって来るが、罠として再使用するためには岩を元に戻しておかなくてはならない。だれがどのようにして、あんなでっかい岩を戻しているのだろう。
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