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ザ・レイド


監督 ギャレス・エヴァンス
出演 イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン

 インドネシア映画である。インドネシア製アクション映画だ。香港製タイ製のアクション映画は観たことはあるが、インドネシア映画は始めて観る。
 なんともいさぎよい映画であった。この映画の製作者は何を見せたいのか。人情話や男女の色恋沙汰を見せたいのではない。アクションを見せたいのだろう。だからアクションだけを真正面からストレートに見せる。そこになんの迷いもない。ただただ、ひたすら、撃ち、斬り、殴り、蹴りをこれでもかこれでもかと映し続ける。この迷いのなさが、この映画をまれに見る壮絶なアクション映画としている。
 ジャカルタのスラム地区に古いビルがある。そのビルの家主は麻薬組織のボス。店子は手下のヤクザ者。警察のSWATがそのビルのガサ入れに突入。ボスは家賃タダをエサに店子たちに「お客の歓迎」をさせる。手厚い歓迎によって警官隊は壊滅。数人が生き残る。
 生き残りの若い警官ラマがめちゃくちゃ強い。銃器や刃物を持った大勢のヤクザもんを瞬殺。それに輪をかけて強いのがヤクザのマッドドック。小柄でこ汚いおっさんだが、持っていた銃を捨てて、素手での戦いを所望。素手で警官を絞め殺す。
 ビルの中の強敵を倒しながら登って行くというと、ブルース・リーの死亡遊戯を思い出すが、この映画は死亡遊戯のように順々に強敵を倒していくのではなく、ビル中の敵を少人数で同時に倒していく。
 この映画の格闘技シラットというインドネシアの実戦格闘技だそうだが、警察側がシラットを使うのは判る。しかし、敵方のヤクザどもがシラットばかりなのは不自然ではないか。ヤクザは民間なので、もっと色々な格闘技者がいてもよかったのでは。相手方がボクシング、ムエタイ、空手、少林寺、柔道と色々おって、異種格闘技戦だったらもっと面白かったのでは。とはいえ、アクション映画として傑作である。
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