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ザ・マジックアワー


監督 三谷幸喜
出演 佐藤浩市 妻夫木聡 深津絵里 西田敏行 戸田恵子 寺島進 

 なんとまあ、映画に対する愛に満ちあふれた映画だろう。禁酒法時代のアメリカのギャング映画か、はたまた日活無国籍アクション映画か。懐かしき昭和30年代の雰囲気のただよう街・守加護(しゅかご)を舞台に繰り広げられるは、絶体絶命の大ピンチを、知恵となりゆきで切り抜けていく、いつもの三谷幸喜ドタバタコメディ。
 クラブ「赤い靴」の支配人備後は、街を牛耳るヤクザ(というより、ギャングといった方がいいかな)のボス天塩の愛人マリに手を出してしまった。本来なら、コンクリート詰めにされて海に沈められるが、幻の暗殺者デラ富樫を見つけ出したら許してやるといわれる。
 ところが、富樫は簡単には見つからない。困った備後は、売れない三流役者村田を、映画の撮影だとだまして、殺し屋に仕立てて天塩に引き合わす。
 映画の撮影だと信じ込んでいる村田。村田を富樫だと信じ込んでいる天塩。いつばれるか、もうばれるか、村田は殺人を犯さなくてはならないのか。ひやひやどきどきしながら、映画は思わぬ展開にころこんで行く。最後には、懐かしや怪傑ハリマオまで出てくる。
 いかにも映画のセット然とした街で、映画の撮影をしている(村田の中では)銃撃アクションをする役者の村田と、本物の銃を撃つギャングども。映画の中の映画、そしてそれを観ているわれわれ観客。あたかもマトリョーシカのような映画である。ラストはカツドウ屋の技術と心意気が奇跡を生む。
 ところで余談だが、日本を代表する殺し屋といえばゴルゴ13だろう。今までゴルゴを演じた俳優は高倉健、千葉真一の2名。この二人も小生が好きな俳優だが、実はこの二人はゴルゴファンの小生としては満足していない。いちばんゴルゴのイメージに近いのは、この映画にも出ていた伊吹吾郎だと思うのだが。一度伊吹吾郎のゴルゴを見てみたい。これ以上書くとネタバレになるので書かない。
 ともかく面白かった。お勧め。
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