風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

なし崩し

2011年11月09日 | 雑感

今にも雨が降りそうなどんよりとした空です。
秋が一番好きな季節なのですが、よく堪能しないままなし崩し的に冬に入ってしまいそうな感じです。

先週末、風邪を引いてしまって、家で寝ていました。
ちょっと寝不足するとたちまち身体に来ます。
ほかのどんな不摂生も大概大丈夫なのですが、寝不足だけはからきし弱いです。
一日寝不足すると、数日その影響が残ります。
今週末から禅道場の摂心です。
睡眠時間が5時間くらいになります。
以前は一旦家に帰って2~3時間の睡眠を取ってから出社していましたが、
今回はそのまま道場から直接店に出ようかと思っています。
追い込まないとないといつまでもぐうたらなままです。

で、週末終日家でゴロゴロしていたわけですが、たまたま観たNHKで、自力で復興を図る岩手の漁村を映し出していました。
無為無策の行政に頼らず、自分たちで移転先の候補地を選び、山を切り開いて道路を作り、中古の舟を北海道まで探しに行っていました。
道路に敷くアスファルトはどこかの有志が寄付してくれたものです。
報道されるまでもなく、半年以上も経って、すっかり復興して活況を呈する仙台から車で数十分のところでも、
手つかずのところがあるのを目にしていますから、行政が機能不全になっているのは明らかです。

前から言っていますが、もう政治や行政や組織やなんやらに頼る時代ではありません。
彼らは組織に維持で手一杯になっており、お国のためだとか、誰かのためだとかいう大義名分はとっくに失われています。
例えそう思う職員がいたとしても、予算を取り、執行する手順の中で、その志は失われていくような仕組みになっているのでしょう。

大王製紙、オリンパスと、大手企業の不祥事が相次ぎます。
なんか不祥事というのもはばかられるほど、幼稚なお金のゴタゴタです。
しかも長年にわたって、大の大人たちがそれを是正できない。
大王製紙、オリンパスだけの問題であるとは到底思いません。
どこもかしこも似たような問題を抱えているような気がしてなりません。

要は、政治に限らず、組織という組織が腐り始めているのでしょう。
日本という国をどうするのか、日本国民にいとって一番いい選択肢は何なのかを明確に示す組織というのは存在しえなくなりました。
価値観のカオスの中で、それを単なる利益追求集団に求める方がおかしいとも言えます。
ですから、自分の生き方は自分で選択し、自分で防衛しなければなりません。

そうではあるのですが、なんだかなし崩し的にTPP参加の方向へ行っているようです。
なんでこうも今まで無自覚であったにせよ日本を日本であらしめた枠組みを壊したい連中が多いのか理解に苦しみます。
というか、確信犯なのでしょう。
今まで日本企業が強かったのは、日本という風土と枠組みがあったからです。
それを取り払ったら、有象無象の容赦ない策略が渦巻く野生の荒野です。
経団連の連中も、推進する政治家も、そこで戦い抜く能力と胆力が今の日本人にあると本気で思っているのでしょうか。

あれほど苦労して獲得した関税自主権を放棄し、治外法権をなし崩しに認めていくようになるのが見えているのですが。
何でもかんでもなし崩しです。