![Img_3437a Img_3437a](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/0e/d44084b5e3cac3f172ee7986e661dd74.jpg)
All Photos by Chishima,J.
(海面から飛び立つウミスズメの小群 以下すべて 2012年11月 北海道十勝沖)
11月の十勝沖調査をようやく実施できました。ミズナギドリ類やアホウドリ類も残っている前半に本来なら行いたかったのですが、時化が続いたり漁繁期と重なってしまい、月末ギリギリで何とか出航の運びとなりました。10月9日の調査以来、実に2ヶ月近くも空いてしまったことが秋冬の海の厳しさを物語っています。
海は数日前の大時化の影響か著しく濁り、うねりも残っていたため水深110mまで行くのがやっとでした。それでも水深50m前後を中心にシロエリオオハムとウミスズメを多数観察でき、全体では29種の鳥類と2種の海獣類を確認できたのは大きな収穫でした。シロエリオオハムは十勝では従来記録が少なく、十勝のアビ類は大半がアビかと思っていましたが、アビがいるのは本当に岸近くで、少し沖に出ると道東の他地域と同様、シロエリオオハムが卓越する状況が見えてきたのもこの調査ならではの成果です。この鳥の繁殖後換羽は部分換羽のため、背・肩羽や雨覆に夏羽の白斑を残している個体も少なからず見られました。そろそろ南へ移動し切ったかと思っていたウトウが、思いのほか多く見られたのはこんなもんなのか、夏から秋にかけての高い海水温が効いているのか…。
クロガモやビロードキンクロの群れを見ながら帰港する頃にはすっかり風浪も強まり、絶妙なタイミングで船を出して下さった船頭さんに感謝しながら下船。番屋で旬の魚介やお鍋を頂いて、心地よい疲労感と共に解散しました。
確認種:アビ シロエリオオハム ハジロカイツブリ アカエリカイツブリ フルマカモメ ウミウ ヒメウ キンクロハジロ スズガモ クロガモ ビロードキンクロ シノリガモ ホオジロガモ トビ ノスリ セグロカモメ オオセグロカモメ ワシカモメ シロカモメ カモメ ミツユビカモメ ウミガラス ハシブトウミガラス ケイマフリ ウミスズメ ウトウ ハシボソガラス ハシブトガラス(以上、鳥類) ミンククジラ ネズミイルカ(海獣類)
雨覆、肩羽に夏羽の白斑を残すシロエリオオハム冬羽
![Img_3918 Img_3918](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ba/7295be583db5f3253ed431a01bc2e5f5.jpg)
ハシブトウミガラス
![Img_3650 Img_3650](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/f0/b27e9b2c4544d3172fe2ade1e96fbe2e.jpg)
*十勝沖調査は、漂着アザラシの会が日本財団、NPO法人日本野鳥の会十勝支部がセブンイレブン記念財団より助成を受けて、上記2団体と浦幌野鳥倶楽部の連携のもと行われているものです。
(2012年11月30日 千嶋 淳)
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