All Photos by Chishima,J.
(雪原に降り立ったヒシクイの群れ 以下すべて 2007年2月 北海道十勝川下流域)
本日、十勝川下流域の農耕地でヒシクイ約150羽の群れを観察した。少し前から数羽から十羽程度の飛来情報はあったものの、それらは様子見の「斥候」だろう程度に考えていた。しかし、これだけの数が降り立ったことから、単なる偵察ではなく本格的な「飛来」と考えて良さそうだ。
例年、十勝地方で最初にガン類が見られるのは2月末から3月頭だが、それらのほとんどは単独から数羽による一時的な偵察やオオハクチョウの群れに混じっての飛来だ。数十~100羽を超える群れの飛来は、その年の積雪量や気候にもよるが、だいたい3月10日前後である。今回の飛来は3週間前後早いものといえる。この十数年、群れの飛来がここまで早かったことは無かったように思う。暖冬の本州をいち早く飛び立ったガンたちが、雪の少ない(らしい)日高地方の状況を見て、十勝まで飛来したのだろうか。
一昨日には、知人が海岸部の湿地でエゾアカガエルの声を聞いている。こちらも一月ばかり早い春の兆しである。これらの兆候は、地球規模での気候変化を反映しているのか、単なる一過性のものなのか…。
ヒシクイ(飛翔)
(2007年2月20日 千嶋 淳)