走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

日本のモノづくり

2011年09月09日 21時22分17秒 | つぶやき
 私はドイツに行ったことがある。
 そのときの思い出のひとつにシャワールームのコックがある。
そのホテルはとてもいいホテルで、三ツ星級であったが、それにもかかわらず、それは違和感のあるものだった。
なぜなら、そのコックは大きく、かなり力を入れないと回らなかったからである。

 そして、その後、多くのドイツ人の人たちと握手を交わして気づくのである。
確かに、彼らの手にあわせるとあのくらいの大きさと丈夫さは必要だと...

 それに比べ、私たち日本人の何とかわいい手か。

 「モノづくり日本」と云われ、繊細さやきめ細やかさ、高い品質を探求する心は、単に「匠」という精神性のDNAだけでなく、私たち民族が持つ体格もかなり影響するのではないかと。

 先日、なじみのバイク屋さんに行ったときの話しである。
小型バイクの生産のほとんどが既にアジアを中心とする海外生産にシフトしていることを聞く。
そして、修理にもってきているその海外生産のバイクと日本で生産していた頃のバイクを見比べて驚いたことがある。

 ひとつは樹脂の劣化。海外のそれは白くなってきているが日本のモノはいまだ黒いままである。
 二つ目は金属部分の錆である。海外モノは、半年もしないうちに錆が浮き始めているが日本のモノはいまだ錆が出ていない。
これはメッキ技術の差だろうと店主は説明していたが、年数がたっている国産メーカーのバイクの方が新しく見える。

 このことについて、私たち消費者は知らされていない。
メーカーが国際社会の中で生き残るために商業主義になるのは仕方がないことかもしれない...
 ただ消費者も馬鹿ではない。
早晩このことには気づくであろう。

 翻って、3・11の東日本大震災から超円高といわれる昨今、中小企業までその拠点を海外へ移転し始めていると聞く。
その理由としては、「競争」だけでなく、国内の「市場性」もひとつとして挙げられるが、よくよく考えれば企業は自分で自分自身の首を絞めていないだろうか。
 消費は所得の割合に左右されるが、中小企業の海外移転(大手企業の海外移転にも要因はある)は、推計で約100万人の雇用が喪失されてしまうという。
このことは100万人の消費者を失うことにもなる。

 売れないと悩むよりも、もっと魅力的なモノをつくり、それを作り出すためにはどこが最適な場所なのかを、今一度大局的に考えていただけないであろうか。
日本が誇れる「モノづくり力」こそが、世界水準を創り出す源であるということを思い起こして欲しい。