27日に愛大医学部で地域遠隔子育て療育相談コンシェルジュ・サービス事業の協議会が開催されるので覗いてみないかと誘われたので同席させていただきました。
同事業は、総務省の地域ICT広域連携事業に採択されたもので、受託されたのは「NPO ラ・ファミリエ」です。
事業の内容は、簡単に言うと子育てや療育相談をテレビ電話でやろうというもので、昔でいうと電話交換手(古い言い方ですみません。同事業ではこの水先案内人を置くことを重視していて、コンシェルジュと呼んでいます)みたいな人たちが電話の向こうにいて、日頃の悩み相談や不満などを聴く一方で、会話の中から原因を掘り起こし、適切な治療先などを進めるのだそうです。
本事業は、NPO理事の一人でもある西条中央病院の大藤医師(有能な小児科医でもあります)が療育相談にテレビ電話が活用できるのではないかという考えを持っておられ、実現したものです。
いつもながら、大藤先生の熱意と行動力は素晴らしいものがあり、実現する力に感心させられます。
そして、その先生に促されるかのように多くの人たちが携わってくれました。
当初は、西条市を核に愛南町と四国中央市を結び、トライアングルで行おうという計画でしたが、現実はそれを飛び越えて、東京、新居浜、伊予市、そして松山市に在住人たちと何らかの力を借りたということでした。
これもテレビ電話がなせる業(わざ)だったのでしょうか。
参加していただいた方は延べで80人を超え、短期間の実験にもかかわらず驚くほど多くの方が参加してくれたというのです。
本事業のユニークなところは、「相談」というひとくくりで捉えがちなものを「専門相談」、「仲間相談」、「ちょっと相談」にクラス分けしたことです。
この真意は少しでも気軽に相談できる環境を整えるという中から出てきたものだそうです。
そして、事例発表の中で、水谷さんという「ちょっと相談」を担当されたコンシェルジュの方が苦心された部分について、まず相談者の心を解きほぐすことだったそうです。
でも、それは難しいことをしたのではなく、世間話や相談者のヘアスタイル、ファッションについて話し始めると互いの情が湧いてきて、それを積み重ねていくと信頼関係につながるのだそうです。
次に、ちょっとした会話の中から相談者の本意を汲み取っていきながら、困っていることに適した関係機関を薦めたというのです。
例えば、「うちの子は、年齢の割りに言葉が遅いんですよ」という話を察知し、療育センターを訪ねてはどうかというアドバイスをします。
そして、療育センターの担当者と直接テレビ電話を介して事前に話をしてもらうことで、しり込みしていたお母さんに勇気を与えたというのです。
また、他の事例では、過去に骨折経験を持つ子どもさんのお母さんの緊急の相談に対して、医療機関とつなげたところ大事には至っていなかったので病院へ行かなくて済んだそうです。
このことは、増え続ける小児救急を支援する一助になり、さらに医療費の軽減につながる可能性がある感じました。
そして、なによりも感動的だったのは、野本コンシェルジュの話です。
難聴障害をお持ちのお母さんがいて、電話に対して恐怖心に近いものを持っていたそうです。
しかし、テレビ電話によってそれが一気に解消されたというのです。
相談者とコンシェルジュが小さなホワイトボードをもって筆談するというものです。
相談者は会話を楽しめるようになったのです。
これには副次的効果もありました。
難聴障害をお持ちの多くの親御さんの子どもさんの多くに言語の遅れが見られるのだそうです。
そして、それによって発達障害などへとつながる割合が多く、水際で解決することが大事だというのです。
このご家庭の子どもさんにもその傾向が見られたため、野本さんは絵本の読み聞かせやにらめっこ(?)などをしながら、子どもが自然に言葉を発する機会を増やすよう努力されたそうです。
野本さんは、「楽しみながら訓練することを専門の方から指導を頂いたので、私なりに試してみたのです」と謙虚に言われていましたが、「すごい!」の一言です。
改めて本事業を見てみますと、大藤先生という監督がいて、さまざまなキャストや裏方がいて、そういう人たちがそれぞれのミッションを遂行されたことに成果の秘訣があったように思いました。
一人の力は、本当に小さなものですが、それを結集すれば新たな道を切り拓く力になると、改めて感じました。
そして、何よりもこの取組が地域社会システムとして取り入れられ、広がり、根付くことを願っています。
同事業は、総務省の地域ICT広域連携事業に採択されたもので、受託されたのは「NPO ラ・ファミリエ」です。
事業の内容は、簡単に言うと子育てや療育相談をテレビ電話でやろうというもので、昔でいうと電話交換手(古い言い方ですみません。同事業ではこの水先案内人を置くことを重視していて、コンシェルジュと呼んでいます)みたいな人たちが電話の向こうにいて、日頃の悩み相談や不満などを聴く一方で、会話の中から原因を掘り起こし、適切な治療先などを進めるのだそうです。
本事業は、NPO理事の一人でもある西条中央病院の大藤医師(有能な小児科医でもあります)が療育相談にテレビ電話が活用できるのではないかという考えを持っておられ、実現したものです。
いつもながら、大藤先生の熱意と行動力は素晴らしいものがあり、実現する力に感心させられます。
そして、その先生に促されるかのように多くの人たちが携わってくれました。
当初は、西条市を核に愛南町と四国中央市を結び、トライアングルで行おうという計画でしたが、現実はそれを飛び越えて、東京、新居浜、伊予市、そして松山市に在住人たちと何らかの力を借りたということでした。
これもテレビ電話がなせる業(わざ)だったのでしょうか。
参加していただいた方は延べで80人を超え、短期間の実験にもかかわらず驚くほど多くの方が参加してくれたというのです。
本事業のユニークなところは、「相談」というひとくくりで捉えがちなものを「専門相談」、「仲間相談」、「ちょっと相談」にクラス分けしたことです。
この真意は少しでも気軽に相談できる環境を整えるという中から出てきたものだそうです。
そして、事例発表の中で、水谷さんという「ちょっと相談」を担当されたコンシェルジュの方が苦心された部分について、まず相談者の心を解きほぐすことだったそうです。
でも、それは難しいことをしたのではなく、世間話や相談者のヘアスタイル、ファッションについて話し始めると互いの情が湧いてきて、それを積み重ねていくと信頼関係につながるのだそうです。
次に、ちょっとした会話の中から相談者の本意を汲み取っていきながら、困っていることに適した関係機関を薦めたというのです。
例えば、「うちの子は、年齢の割りに言葉が遅いんですよ」という話を察知し、療育センターを訪ねてはどうかというアドバイスをします。
そして、療育センターの担当者と直接テレビ電話を介して事前に話をしてもらうことで、しり込みしていたお母さんに勇気を与えたというのです。
また、他の事例では、過去に骨折経験を持つ子どもさんのお母さんの緊急の相談に対して、医療機関とつなげたところ大事には至っていなかったので病院へ行かなくて済んだそうです。
このことは、増え続ける小児救急を支援する一助になり、さらに医療費の軽減につながる可能性がある感じました。
そして、なによりも感動的だったのは、野本コンシェルジュの話です。
難聴障害をお持ちのお母さんがいて、電話に対して恐怖心に近いものを持っていたそうです。
しかし、テレビ電話によってそれが一気に解消されたというのです。
相談者とコンシェルジュが小さなホワイトボードをもって筆談するというものです。
相談者は会話を楽しめるようになったのです。
これには副次的効果もありました。
難聴障害をお持ちの多くの親御さんの子どもさんの多くに言語の遅れが見られるのだそうです。
そして、それによって発達障害などへとつながる割合が多く、水際で解決することが大事だというのです。
このご家庭の子どもさんにもその傾向が見られたため、野本さんは絵本の読み聞かせやにらめっこ(?)などをしながら、子どもが自然に言葉を発する機会を増やすよう努力されたそうです。
野本さんは、「楽しみながら訓練することを専門の方から指導を頂いたので、私なりに試してみたのです」と謙虚に言われていましたが、「すごい!」の一言です。
改めて本事業を見てみますと、大藤先生という監督がいて、さまざまなキャストや裏方がいて、そういう人たちがそれぞれのミッションを遂行されたことに成果の秘訣があったように思いました。
一人の力は、本当に小さなものですが、それを結集すれば新たな道を切り拓く力になると、改めて感じました。
そして、何よりもこの取組が地域社会システムとして取り入れられ、広がり、根付くことを願っています。