走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

ダイナミックな仕事とダイナミックに仕事をすることの違い

2008年03月11日 00時02分26秒 | その他
★★☆ 何のために仕事をするのか

 若い頃、行政にいる限りダイナミックな仕事をしたいと思ったことがあります。
 でも自分の思いどおりに事が運ばないのが現実社会ですから、自分はそういう機会に出会えないだろうとあきらめかけたことがあります。
 しかし、よくよく考えると自分が何のために仕事をするのか、改めて考え直してみると、そのダイナミックな仕事で何をしたいのか、自分でも明確な答が出ませんでした。

 「なあ~んだ、その仕事にあこがれているだけじゃないか」と気づくと、「ダイナミックな仕事をしたい熱」は急速に冷えてしまいました。
そして、何のために仕事をするのかを真剣に考えてみました。
私たちの仕事の究極の目的は、「市民を幸せにする。市民の生命の安全守る。」なんだと改めて認識したのです。


★★★ 戸惑う部下

 先日、こんなことがありました。来年度、国から新たな事業を立ち上げるので本市でも参加してほしい旨の依頼があり、前向きに取り組むこととしました。
国から示されている内容は、まだ概要程度で具体的な内容ではありません。
こういった場合、国の方向性がしっかりと固まるまで待つというのが従来の方法です。

 そして、この事業の担当になったのがY君です。
彼は、仕事をそつなく過ごす、上司にとってはありがたい部下であります。
その彼が、ある程度事業の方向性を整理したので聞いてほしいというのです。
彼の資料も説明も、非の打ち所もないくらい現段階では満点でした。
でも、満点というのは、いざという時にもろいものだと平素考えている私は、いきなり意地悪な質問から入っていきました。
「この事業は何のためにするの?」
Y君は想定外の質問をされ、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)しました。
「それはですねえ、・・・・・。」
「それって事業の目的で、私が聞いたのは、君がこの仕事を通して何がしたいのかを問うたんだよ。(聞いてることが)わからん?」
Y君は、私の声がだんだん大きくなっていくため少し動揺しているようで、
「はあ、家庭がよくなるように...」
「そう、そうなんだよね。実は、私たちがしないといけないのは、目の前の仕事をこなすということも大事だけど、輝く未来を創るということも大切な仕事なんだよね。そのためには、子どもたちががんばってくれないとどうにもならないと思うんだ。子どもたちの輝く未来と幸せをつくる、これも私たちにとっては大事な仕事なんだよね。わかる?」
「はい。」
「子どもの幸せは、幸せな家族がいてはじめて幸せな家庭が築け、実現する。そのためには、今、家庭がそのような環境になっていないから、地域のアドバイスができる人を探して相談やアドバイスをしてあげようというのがこの事業だと思うんだ。だから、国の方針を待つんじゃなく、この松山にあったやり方があると思うんだ。それには、まず、何よりも君の子どもたちのためにという熱いものがいるんじゃないかな。それがないとうわべだけを撫でた事業にならないか。やる限りは、もっとダイナミックに仕事をしようよ。君ならできると思うよ。もっとよく考えて。」

ダイナミックな仕事とダイナミックに仕事をすることの違いとは、こういうことじゃないでしょうか。

そして、週明け、Y君は熱のこもったプレゼン資料を上げてきました。

 できるじゃんY君。(君ならできると期待していました。)