tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

この通常国会は何だったのか

2018年07月22日 11時25分58秒 | 政治
この通常国会は何だったのか
 20日、週末土日を前にして、通常国会は、カジノ法案の参議院での強行採決で掉尾を飾り(?)、実質的に閉幕しました。

 多くの国民が(世論調査では国民の7割ほどのようでした)反対する中で、数を頼んでの強行採決で、本来非合法である「賭博」を政府の権限で特定の業者にのみ合法化するという、まさに日本文化への冒涜をやってのけ、与党は、これで重要法案はみんな通ったとの勝鬨をあ挙げての閉幕のように見えました。

 折しも西日本豪雨で、200人を超える方が亡くなり、これまでの主要なインフラでは、気候変動による自然災害には対抗できないことが明らかになってきました。
それなのに、国民の生命・財産を守る政策の検討などはそっちのけ、被災地の人達との握手で安易に代替、首相も国土交通大臣も、カジノの方が重要と判断し、自公維新は一人の反対もなくそれに従ったようです。

 今国会は、先ず、働き方改革国会といわれました。しかし中身は日本の文化社会的背景には大変不具合な「欧米流の働き方」を導入しようというものでした。
 その次に突如として起こったが、参議院の6増、そして締めくくりは カジノです。

 しかし最も時間を取ったのは所謂モリカケ疑惑でしょう。国会審議では公文書改竄も含め新しい疑問が続出ですが、国民が納得する丁寧・真摯な回答はありませんでした。
 安倍総理の名を騙って嘘を言い大学まで作ってしまっても安倍さんはなぜか当たり前の顔。国民の疑念は深まるばかり、この記憶は75日では消えないでしょう。

 働き方改革は、労働時間短縮が主目的かと思いきや、例外づくりに与党は狂奔、果ては副業・兼業・二重就業推進に至ります。人事賃金制度は欧米流をお手本にしていますが、日本では、欧米流は企業、働く人に迷惑で、現実には使われないでしょう。

 財政のプラマリー・バランスの達成も見込めない中で、身を切る改革は口先だけ、 参院6増も押し通しました。

 カジノは、与党の縛りの中で賛成した議員の中にも、本心は「 やっぱり良くない」とお思いの方も多いのではないでしょうか。

 そして、これらの法案は全て強行採決で成立したものです。つまり、偶々選挙で勝てば、あとは何でもできるという民主主義の理念を冒涜する政治手法でしょう。

 今国会は、はしなくも、絶対多数と強権政治を合わせれば、民主主義は壊滅することを示しました。まさかこの勢いで、ヒトラーの様に独裁政権を確立しようというのではないでしょうが、争いを好まず本来穏健な日本人の権力に対する従順さ(長いものには巻かれろ)、他人の気持ちを大事にする「忖度」という意識構造を悪用し、日本の社会文化の水準を相当に貶めたようです。

 最近いろいろな所で、聞くだけでも嫌悪感を感じるような「言い逃れに終始する」発言が多くなっているように感じている人は少なくないのではないでしょうか。

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