tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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消費税増税:日本の国債残高はなぜ多い?

2013年08月12日 20時21分36秒 | 経済
消費税増税:日本の国債残高はなぜ多い?
 このブログでは、日本は「アリ型」の国(貯蓄をして将来に備える)、それに対してアメリカなどは「キリギリス型」の国(現在を楽しく)と例えてきました。
 今日の世界経済システムは、 アリ型の国の蓄えた貯蓄をキリギリス型の国が使う形になっています。

 おかげで損ばかりしてきた日本ですが、日本としてもこれからは「貯蓄してキリギリスに提供するのではなく「稼いだ分はすべて自分で使い切るべきだ 」とこのブログでは指摘してきました。G20もそういっています  。
 消費税問題を考える場合も、日本経済として、このスタンスを基本にすべきだと考えています。

 さて、日本の国債残高はGDPの2倍を超えて来ました。アメリカやイタリアでも1.1~1.3倍なのですから、単純比較すれば、まさに異常な高さであることは事実です。ただ日本の場合、国債は9割以上日本国民からの借金で、外国から借りているわけではありません。
 日本は黒字国で、日本国民は貯蓄が沢山あり、国債は安定資産ですから気軽に国内で引き受けてくれます。ですから、ついつい残高が増えてしまうようです。そこが、「国債を外国に買ってもらわなければならない」アメリカやイタリアとの違いです。

 
 いわば、日本の場合は、夫婦間の貸し借りのようなもので、例えて言えば、夫の小遣い月4万円と決めていた所、それでは足りず、どうしても妻から借りることになってしまう、妻は「もっと節約してよ。あなたもうウン十万円も私から借りてるのよ。」と言います。
 夫はどう節約しても無理なので、「小遣いを月6万円に上げてくれ」と言いたいところですが、「当面5万円に上げてくれないか。来年から2段階で6万円にしてほしい(消費税増税)」と言い出したといったところでしょうか。

 家に金がなくて、夫の小遣い増額のために借金するというのなら深刻ですが、家計には余裕があって、家計の貯金は毎年増えている(日本は万年黒字国)といった状況です。
 日本の政府がこの夫ほど真面目に節約しているかどうかは別として、政府(夫)がカネを使うのは国民(妻)が、景気刺激のために政府はもっとカネを出してくれと要求するからということもあります。(この辺が家庭内の夫と妻の関係とはいささか違って、問題を複雑にしています)。

 確かに、碌な利息も付かない、時には元本割れする金融商品に貯蓄をするよりも、夫の小遣いを増やして、夫に気持ち良く働いてもらうという選択もあるはずです。

 いいずれにしても日本の場合は、「黒字の家計の中」のやり繰りの問題です。アメリカやイタリアのように、家計が赤字ではありませんから、夫の小遣いも増やし、損ばかりする投資信託などは買うのをやめた方が、もっと快適な暮らしが出来るわけです。
 日本経済を考えれば、GDP(稼ぎ)を目一杯使った方が、インフラ投資や社会保障も良くなり、経済成長も高くなり、黒字がなくなるので、円高の可能性も遠のき、今の萎縮型の経済活動よりパフォーマンスが良くなる可能性が大きいのです。

 勿論、夫婦の間でも、夫の妻からの借金がいつまでも増え続けるというのは問題でしょう。同じように、国の場合も、余り国債残高が増えると具合が悪いことが起こります。特に、夫婦間では利息は付きませんが、国債には利息が付きます。(以下次回)


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