tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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11月消費者物価、値上げはほぼ一巡か

2022年12月23日 14時40分18秒 | 経済
今朝、総務省統計局から、11月分の消費者物価が発表されました。
今年に入って、原油やLNGなどのエネルギー価格の大幅上昇を受けて、輸入物価、企業物価、消費者物価と値上の波が日用品や生活必需品などにまで押し寄せて来ていました。

今は年末、折しもクリスマス・シーズンですが、菓子やケーキ類なども「今年は高くなったね」といった声が聞こえる状態です。

昨年まで数年、ほとんど上がらなかった消費者物価ですが、ことしは1月以来波状的に値上げの波が起きました。

原指数の動きを下図で見ますと、1月-5月が第1波、6月が中休みで7月-10月が第2波というところでしょうか。
確かに、物により値上げの幅は違いますが、大分上がったなという感じを受けるものも結構あります。

       消費者物価指数3指標の動き(2020年=100)

                       資料:総務省「消費者物価指数)

振り返って見れば、海外では年々ある程度の物価上昇があるのが一般的ですが、日本は物価が異常なほど安定していました。
不況で値上げ圧力が潜在していたという面もあるようですが、今回は、これまでのところで、そうした面がかなり顕在化したような感じがするところです。

確かに上昇幅(対前年同月比)は「総合」で3.8%と今年に入っての最高になっていますが、4月、8月、10月と上昇角度はだんだん緩やかになり11月は0.1ポイント(3.7→3.8%)で、長年の値上げ我慢の分もほぼカバーされつつあるような感じです。

        消費者物価指数対前年同月上昇率(%)

                       資料:上に同じ

勿論公共料金など、遅れて値上という分もあると考えられますので、未だ緩やかの上昇は続くでしょうが、対前年同月比では小幅になってくるような気がします。

輸入物価の反落もあり、企業物価も一時より沈静傾向ですから、今後消費者物価を押し上げるのは自家製インフレの部分が増えそうですが、これは賃金水準上昇の結果が大きいですから、来年の4月以降の新しい局面を見なければ、予想は不可能です。

グラフからも解りますように、緑の線、「生鮮食品とエネルギーを除いた総合」がそのあたりを反映すると思われますので、来春闘以降はこの線に注目が必要です。

マスコミの言う「悪いインフレ」が鎮静化し政府日銀のインフレターゲットに相当する部分が2.8%とインフレ目標2%をオーバーして来たので、日銀が金融政策を見直す(見直した)のも当然と言えるのかもしれません。

これで、当面、マスコミがインフレを大きく取り上げる時期は過ぎたように感じています。

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