tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経営者とは何か(その1:経営者革命)

2008年08月04日 13時39分31秒 | 経営
経営者とは何か(その1:経営者革命)
 経営者というと、一般的には資本家から委託されて、企業の経営を任されている人たちというように理解されています。

 1941年にアメリカではJames Burnhamが「経営者革命」を出版、会社経営における「所有」と「経営」の分離を予言、戦後日本でもこれが翻訳され(1951年、1965年)て、資本主義が新たな時代、「経営者の時代」に入ったことが広く認識されるようになったのではないでしょうか。

 第2次大戦後の世界経済社会では、黄金の60年代などといわれましたように、企業が経済発展の担い手として大きな役割を果たし、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本でも「フォーチュン500」(フォーチュン誌が毎年世界の500のランキング企業を発表します)に載るような企業が力強く育ち、それが各国の経済発展を担いました。

 そこでは経営者が主役でした。経済雑誌の表紙は経営者の顔で飾られ、経営者が社会のリーダーとしても注目されました。経営者に企業の経営を委任した資本家の影は薄れ、資本は多くの株主に分散保有されることになり、企業は大衆の持ち物になりました。

 こうして、企業は(資本家の意思によってではなく)それ自体が、社会のために「常に継続して発展する存在」として認識されることになり、特に従業員からは、常に発展して、自分たちの明日のために、より良い生活を実現してくれる存在として期待されるようになりました。

 その結果、そうした企業を性格づける表現として「ゴーイング・コンサーン」という言葉が生まれ、日本では「 企業は公器」といわれるようになりました。
経営者は公器を預かり、従業員に生涯の生活の手段(雇用と賃金)を提供し、株主には安定配当をし、社会をより豊かに快適にすることに献身する役割を担ったのです。

 企業は私企業であっても、それが経済発展の主役である中で、「経営者」は、社会全体のため、公的な役割を果たすべき存在として認識され、自らもそう考えるように成長発展してきたというのが現実でしょう。


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