tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

機械受注の安定的な増加

2015年07月10日 11時39分42秒 | 経済
機械受注の安定的な増加
 ギリシャ問題はそろそろ大詰めのようですが、中国では株価急落問題が起こり、日経平均も乱高下の連続です。
 話題としてはマネー問題は派手ですが、実体経済は地味です。その実体経済は比較的安定で、日本の場合は特に、安定した成長路線を辿りつつあるようです。
 
 昨日、5月の機械受注統計が発表になりました。機械受注統計は景気の先行指標の1つですが、5月は前月より0.6パーセント伸びて(船舶電力を除く民需)、リーマンショック前以来の最高を記録したとマスコミは報じています。

 前年同月比でみるともっとはっきりしますが、昨年5月比で19.3パーセントの伸びです。先日(7月1日)の日銀短観について見たこのブログでも、企業の投資意欲の強さを指摘しましたが、日本の企業もいよいよ積極経営に進み始めたようです。

 もちろん海外投資も今日では当然視野の内ということではあるでしょうが、国内投資はお休みしてでもというのは、円高に苦しんだ2012年ぐらいまでのことで、状況は次第に変わって来ています。

 かつて製造業の国内回帰の例として挙げさせていただいたダイキンの空調機器についても、製造時間半減で国内体制確立といった報道も最近ありましたし、日産自動車が国内生産を大幅に増やすという報道も、今日の新聞でした。

 こうした国内投資は$1=¥120といった状況、円レートの正常化の下で可能になるというのは当然ですが、同時に、単なる拡張投資ではなく、多様な技術革新を組み込み、織り込んだ、新しいモノづくりの在り方、新しい機能を持った製品の生産と常に同時進行で進んでいるのです。それが強さの源泉でしょう。

 マスコミは、鬼面人を驚かすようなマネーの話が多くなるのは致し方ないとしても、こうした実体経済の動向に常に注目しておくことが本当は大事のような気がします。

 同時に、以前から書いていることですが、実体経済の発展に役立つための金融・マネー経済が、投機的な動きに走る結果、実体経済を毀損するような行き過ぎた状態に陥る(典型はリーマンショック)ことに対する厳しい判断を、国際金融機関、各国政府はじめ関係業界、そして広く一般国民も堅持したいものです。