tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「これからが本番」ユーロ圏の今後の対応

2012年09月12日 11時13分21秒 | 経済
懸念の残るユーロ圏の今後の対応
 ECB(欧州中央銀行)が、スペインなど債務危機に陥った国の償還期間3年までの国債を無制限に買い入れるという決定をしたことで、これらの国々の国債の暴落は止まり、利回りは下げ、ユーロ危機は種々の懸念の中で、当面の沈静化を迎えたようです。

 IMF専務理事も全面支援の姿勢を打ち出している様です。緊急避難の場合ですから、まともな経済原則などは無視し、「兵力の一挙大量投入」で、当面の大混乱を回避したという点で、先ずは、今日の金融理論が成功を収めたというところでしょう。
 交通事故を起こしたとき、被害者は「対人賠償額無制限の保険に入っています」と聞いただけで安心するというのと似ています。

 既にスペインの大企業は下がった金利で、起債を急いでいるという報道もありますが、
 下がったといっても日本のようにゼロ金利ではありませんから、これからは、それなりの金利を払い、借り入れの返済計画を立てる必要はあるわけで、次の問題は、それを可能にするだけの企業ならば収益、国ならば経済成長を確保することが必要になります。

 古くは日本のドッジライン、1997年韓国がIMF管理下に置かれた時や、今回のトヨタ、パナソニック、シャープなどの例を見ても(もともと超優良会社ですが、それでも)、そう簡単なことではありません。かなりの緊縮、場合によっては荒療治が必要です。はたして、これらの国の国民、企業の従業員、労働組合が、能くこれに耐え抜くでしょうか。
 矢張り、最終的には問題ここへ来ざるを得ません。「これからが本番」なのです。

 昔、ギリシャ映画で「日曜は駄目よ:Never on Sunday」という喜劇がありました。確かアメリカ人のギリシャ研究の旅行者が、ギリシャの娼婦をまともな生活に導こうとして、かえって巻き込まれていくといった筋立てだったように記憶しますが、 ついつい思い出してしまいました。
 今回は世話を焼くはずのアメリカ自体が赤字国ですから・・・。さてどうなりますか。
 最後に少し不真面目なことを書いてしましました。