tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その8

2010年05月06日 10時38分50秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その8
 前回は半分冗談ということで、日本の財政が破綻するという思惑で円安になり、その結果、日本経済はコストが下がって、経済が回復するという「結果オーライの経済回復」の可能性を書きましたが、国際投機資本が、もし、日本の財政の不健全さを警戒して、円売りに転じたら、この結果オーライのシナリオは、実現の可能性が出てくるでしょう。

 問題は、日本の財政の不健全化を、国際投機資本が、どの時点で、どう判断してくれるかでしょう。日本人は財政が不健全化しても、一層節約志向になるだけで、どんなに貧しても、GDPの範囲内で生活し、経常赤字は出さないと判断し、円売りをしなければ、日本経済は、赤字財政深刻化の中でも、円高が続き、縮小均衡で弱体化を続け、ジリ貧、再起不能になっていく可能性もあるでしょう。

 これが最悪のシナリオです。気がついたときは、二流、三流の国に成り下がっている、技術面でも国民の気概においても、アジア諸国に追い越され、回復が容易でないレベルまで退化した国になっているといいうシナリオで、一部の経済評論家などが言う「国債価格暴落、金利急上昇、財政破綻、ハイパーインフレ、・・・・」などというのはこのシナリオの延長線上という事でしょう。

 しかし、ここまで行くためには、日本人が本物の心神耗弱状態にならなければならないのでしょうから、多分そういう事にはならないでしょう。
 日本人が真面目に国の将来を考え、気概を持って、人材の育成と技術の開発に取り組んでいる限り、どこかでこれまでの失敗に気づき、発展へのシナリオの構築に改めて取り組もうと努力を始めるはずです。

 もちろん、この取り組みは、早いに越したことはありません。日本経済の体力、技術力の消耗が少ないうちに新しい取り組みを始めれば、それだけ有利という事になります。

 今、企業の決算状況を見ても、ようやく、リーマンショックを克服し、収益向上の先行きが見えてきています。
 この機に乗じて、新しい日本の成長サイクルの路線に乗り換えるシナリオを描き出し、タイミングよくそれに乗り換えていくことが、まさに肝心ですし、今がそのチャンスのように思えます。

 そのために一体何が必要なのか。100点満点の答があるかどうかは解りません。しかし確率の高い仮説を立てて、実験をしてみることは可能です。巧く行ったら万歳、100パーセント巧くいかなくても「今よりはよくなる」といったシナリオを考えてみようではありませんか。