tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その4

2010年04月16日 10時16分43秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その4
 経済成長をするには、ヒト、モノ、カネ、技術が揃っていなければ巧くいきません。揃っているだけではなくて、それを人間が巧く使わなければなりません。

 日本は、資源がありませんからモノは外国から買います。モノはカネで買えます。技術はヒトの頭や腕にはいっています。つまり経済は人間と資本の働きで動くのですが、資本は自分では動きません。ヒトが動かして、原材料を買ったり、加工して生産設備にしたり、金融に回したりしてGDP創出のために使います。 結局、原動力はすべてヒトの働き 次第なのです

 ところで、経済成長というのは、生産したGDPを、巧く活用して(例えば、米の生産であれば、「食べる米」と「種籾」に分けて、元気な労働力と、豊富な種籾を用意し、来年はもっと収穫量が増えるように活用する)、翌年、より大きいGDPの生産(経済成長)を実現することです。

 そのためには、今年の生産物を十分に活用しなければなりません。たくさん食べて体力を作り、種籾もより多く用意して、初めて翌年の農作業は、より多くの収穫を可能にします。

 ところが、日本経済は、このところ、毎年生産したGDPを10~20兆円使い残しています。500兆円のGDPの2~4パーセントを使い残しているという事は、それだけで、成長の可能性を2~4パーセント減殺しているという事になります。
 同時にそれが万年経常黒字になって円高をもたらし、日本をコスト高の国 にしています。

 今、政府が考えなければならないの、この使い残し分を何とかして国内で使うように経済を刺激して、縮小均衡をとめ、円高圧力も弱めるという事です。 
そのための方法について、現状、大きく分けて2つの議論があります。
・  国債を発行して国が借金し、国が財政支出で使う(これまでの方法)。
・  増税(消費税)して国の収入を増やし、国が財政支出で使う(消費税増税案)。
いずれにしても、「国が使うこと」しか考えていません。そして、最初の方法が、すでに行き詰まりつつあるということで、2番目の増税案が浮上しているというわけです。

 単純に計算すれば、これまでの消費税負担(消費税5パーセント=10兆円強)に加えて、「これまでの国債発行水準(20~30兆円)」と「それでも発生していたDGPの使い残し分(10~20兆円)」の合計を一度政府の懐に入れて、財政支出拡大で使いきる、という構図です。

 合計で消費税何パーセントになるのでしょうか、現在10兆円の消費税を、40兆円~60兆円に増やさないとGDPは使いきれません。
 そんな増税ができるでしょうか、また、やったらどうなるでしょうか。