tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

高付加価値化の手段: その8、技術革新の人間的側面

2009年02月09日 14時29分38秒 | 経営
高付加価値化の手段: その8、技術革新の人間的側面
 とびとびになりましたが、7回にわたって、高付加価値化の手段についてみてきました。その中で常にベースになっていたのは、新しいモノや技術、アイデアを発想する力と、それを製品やサービスに具体化する技術革新力でした。

 こうした力は、人間しか持っていません。企業を発展させるあらゆるイノベーション、創造性や開発力は人間によってしかなされません。だからこそ、企業活動において、「一番大事なのは人間」ということのなるのでしょう。

 マズローの欲求5段階説ではありませんが、人間は常により良い(生き甲斐のある)生活への欲求を持ち、その実現のために何かを考えています。こうした人間の本性を、自ら意識し、活発化させることが人材開発の要諦でしょう。

 問題点を教わり、あるいは自分で発見して、「どのようにすればそれが乗り越えられるか」考えて実行すること(Plan→Do→Check→Action:PDCAを回す)が自分を高めるという楽しさが感じられれば、人間は自主的に動き出します。

 これを可能にするのは、その企業の持つ企業文化、トップの方針の明示、 上司による職場の雰囲気作り、などの企業全体、そして各職場のあり方でしょう。
 この点については、日本企業は伝統的に、企業をまとまった人間集団として捉え、「みんなでやろう」と言う共通の意識で、巧まずしてやってきた実績があります。
 アメリカから教わったQCの技法が、日本ではQCグループ活動として展開され、世界に誇る成果を上げたことはその典型ではないでしょうか。

 企業発展の基盤ある多様な技術革新を実現する「人間の問題」を、日本の文化や伝統も踏まえて、本格的に考える時期に来ているようです。