tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ジャパン・パッシング

2008年02月05日 12時31分34秒 | 経済
ジャパン・パッシング
 最近、日本の株価が、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの市場の動きの中で独歩安だなどといわれ、外国投資家が売り越しになるたびに「ジャパン・パッシング」が始まったなどといわれます。
 ご承知のように、かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれ、競争力が強かった時代の日本は「ジャパン・バッシング」に遭い、アメリカでは日本の自動車や電気製品をハンマーで叩き壊し、それがTVで放映されたりしました。

 1985年のプラザ合意による円高で国際競争力を失った日本は「バッシング」はされなくなりましたが、もう用のない国だということで「パッシング(素通り)」されているといいいたいようで、何か日本のマスコミの過剰な被害者意識が見え見えで、あまり良い気持ちのしない言葉です。

 一部には、日本の資本市場の開放が遅れているから世界の資本が日本を素通りするといった解説もありますが、今の世界の資本市場のあり方のほうが、サブプライムローン問題に象徴されるように、バブルと投機技術の上に異常な形の発展をしているという見方も可能と思います。

 日本は、もともと実体経済に根ざした技術開発とモノづくりで経済立国を成し遂げてきた国です。そして今では、地球環境問題に真剣に取り組む多様な分野での省エネと代替エネルギー開発、さらには海水の淡水化など水資源の問題で世界をリードしようと懸命な努力をし、着実に成果を上げてきているのではないでしょうか。

 日本が世界で必要とされる技術、ノーハウ、製品、サービスを提供する限り、本当の意味でのジャパン・パッシングなどは起こりえないでしょう。あまり変な言葉をこじつけて、自虐的なるのは良いことではないような気がするのですが。