tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

格差問題と諺

2007年04月07日 10時24分28秒 | インポート
格差問題と諺
 かつては1億総中流と自称し、ノルウェーに次いで世界で2番目に格差の少ない国といわれた日本で、このところ、国民の所得格差が広がっているといわれます。
 たしかに累進課税は大幅に縮小されたし、このところ非正規雇用も増加したし、所得の減少する高齢者が増えたりしているからそのとおりだと感じます。
 その中でも特に指摘されているのは非正規雇用の増加の問題のようですが、これは日本経済の力強さの回復で、行き過ぎの是正は進みはじめているので、行方を見守りたいところです。
 それはそれとして、本当に問われているのは、格差社会に対する日本人の意思と取り組みではないでしょうか。
 日本には昔から素晴らしい諺がありました。 「稼ぐに追いつく貧乏なし」です。
 この諺を呟きながら、頑張り抜いた日本人は、たくさん、たくさんいるはずです。 「働けど、働けどわが暮らし楽にならざり、じっと手を見る」とうたいながら、啄木も頑張ったのでしょう。「1人口は食えなくても、2人口は食える」という諺は、貧しくても結婚し、所帯を持って2人で頑張れば何とかなるという励ましです。
 昔の日本は貧しかった。そのなかで努力して頑張ろうということを、諺は教えていたのでしょう。
 それに対して、今の世の中はというと、マスコミが書き、評論家が言うのは「ワーキング・プアー」といった言葉です。この言葉には夢も希望もありません。「偉い人もそういうのだから、オレ/ワタシが貧しいのは世の中のせい」という認識を広めるだけです。
 格差問題の解決に、法律や制度も必要でしょう、しかし最後の決め手は国民一人ひとりの意思と取り組みです。そのためにも、百年、千年の人間の知恵の結晶である諺を軽んじてはいけないと思うのですがいかがでしょうか。