「脅かされる生存権」をテーマとした「憲法記念県民集会」に参加した
昨日は岡山弁護士会が主催した「憲法記念県民集会」に参加した。今年掲げられたテーマは、「脅かされる生存権 ~年間3万人が自殺する社会を考える~」で、まさに時宜にかない、かつ私の興味と関心にピッタリの会だ。それ故というか、当然と言うべきか、参加させていただいた。
第一部の基調講演の講師は、『強いられる死 ~自殺者3万人超の実相~』(角川学芸出版)の著者である斉藤貴男氏だ。今日の講演の演題は、「強いられる死 ~おびやかされる生存権」だった。そして第二部では、パネリストにはその斉藤貴男氏に加えて、「岡山いのちの電話教会」の事務局長さんなど計四名が登壇されて語られた。
折しも一昨日に発表された自殺者数がここ12年間3万人を超えている実態が、報道されたばかりである。今日の講演等でも報告されたのだが、年間3万人を超える自殺者の家族は14万人にもなり、自死者の残された家族は、現在累計で300万人にも達しているとのことだ。
「交通戦争」という言葉が使われたこともある交通事故の死者よりも自殺者は6倍も多いのに、何故もっとより大きな社会問題とならないのか、そして政府は対策を急がないのか、怒りにも似た気持ちだ。
安心して働けており安心して暮らせていれば、死を考えず、生きていようと思うに違いない。その意味では、今日の自殺の問題は、決して個人の問題ではなく、まさに社会の問題であり政治の責任で解決すべき問題だと思う。
自殺予防の対処療法も重要ではあるが、根本に迫ることが必要だと考えてしまう。今日のシンポは、そうした「年間3万人が自殺する社会」とその解決の方向を学びたかったし、もっと掘り下げて欲しかった気もしている。
それでもたくさんの考えるヒントなどをいただいたので、再度斉藤貴男著『強いられる死 ~自殺者3万人超のの実相~』を読むなどして、「年間3万人が自殺する社会」を考えてみたいと思う。
今日の時代では、憲法9条とともに、憲法25条がとても大切になっていると考える。「誰もが安心して働け、安心して暮らせる社会」の実現へ、現政権が努力されることを期待するし、国民みんなの声となって拡がることを期待している。