「夏の会」の18人の女優による朗読「夏の雲は忘れない」
今年の夏から、「女優たちによる朗読 『夏の雲は忘れない 1945・ヒロシマ ナガサキ』」の上演が始まる。「夏の会」全国縦断公演2008だ。各公演には、「夏の会」女優6人と地元有志が出演するとのことだ。「夏の会」には、これまで「この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ」に出演してきた渡辺美佐子、山口果林、日色ともゑなどの女優18人が、各々自らが資金をも提供しての参加とも聞く。
さてその公演チラシの裏面に、「夏の会」代表の中村たつさんが文章を寄せている。その冒頭には、次のように書いている。
「1985年から23年間、私たちは毎年7月上旬から8月にかけて全国をまわり、朗読劇『この子たちの夏』を上演してきました。『1945・ヒロシマ ナガサキ』の副題が示す通り、原爆によって突然、人生の未来をたたれてしまった子供たちの言葉や、お母さんたちの手記を、音楽とスライドの力を借りながらただひたすら読む、という実にシンプルな舞台でした。」
この朗読劇「この子たちの夏」は、被爆40周年の1985年の初演で、昨年まで23年間、毎年夏に地人会の手で上演されてきた。この朗読劇は、被爆した母子の手記を、「地人会」の代表・木村光一さんが構成したもので、(一つの公演で)6人の女優によって読みつがれてきて、全国400近い自治体で、767回上演されていると聞く。
私も、この朗読劇「この子たちの夏」の公演は、地人会はもちろん、地元の人たちの公演でも観た。昨年夏には、我が館の「朗読ボランティア ふらここ」のみなさんが、「夏休みフリー塾」で上演していただいた。
朗読劇「この子たちの夏」は、実に素晴らしい舞台である。ヒロシマ・ナガサキを経験した私たちが、大切にしたい舞台だ。そして、この「この子たちの夏」は、2004年には「菊池寛賞」を受賞している。
さて先の「夏の会」代表・中村たつさんの文章は次のように続いている。「(筆者注;地人会による)その公演の突然の中止で、私たちは途方に暮れると同時に、何とかしてこの舞台を続けようと、18人の女優が集まり『夏の会』を立ち上げました。(中略)こうして女優達の手作りによる『夏の雲は忘れない』ができ上がりました」とある。そして今年の夏、全国23カ所で上演される。残念ながら、岡山ではその公演はない。先の「この子たちの夏」の初演時の1985年の夏には、岡山市で上演されている。
しかし今、この「夏の会」による「夏の雲は忘れない」を是非とも上演したいと奔走されている方がおられる。来月にはその打合会も予定されており、既に動き出している。来年は、必ずや岡山で公演があると確信する。早く観たいと、今からワクワクしている。
そのためにも、岡山での上演にお力をお貸しいただきたい。私も微力ながら、その人の熱意に打たれて参加したいと考えている。是非ともよろしくお願いする。