いつに昨日、恐れていたことが現実のものとなった。「ラ・マンチャの男」が、残りの公演も中止すると発表になった。千穐楽もないままでの公演中止。こんな切なく、悲しいことがあるだろうか。
50年以上、そして1300回以上も単独主演してきた「ラ・マンチャの男」を、80歳を前に区切りを付けると決断して2ヶ月間も稽古を重ねてきた今回の「ファイナル公演」、それがわずか数日開催できたのみで、千穐楽も迎えられなかった。松本白鸚の落胆と悔しさはいかばかりか。無関係な私ですら涙が流れる。
私が入手している「ファイナル公演の大千穐楽のチケット」は、まさにプラチナチケット。記念グッズとして保存しておこうかと考えた。しかし、一晩眠られないままに考えたが、チケット代14500円に目がくらみ払い戻しに応じることとした。我ながら情けない。経済的に余裕なき我が暮らしを恨んだりもする。
ま、しかし、ファイナル公演のチラシと公演中止を報じる新聞報道の切り抜きを保存することで、自分自身を納得させ我慢することとした。
にしても、ファイナル公演の千穐楽を迎えられなかったことで、私を含めて多くの人が再公演を是非にと願うことだろう。松本白鸚には気力を振り絞って、期待に応え挑戦し実現して欲しいと願う。ただ、その時、千穐楽のチケットをゲット出来る幸運は再度は訪れないだろうとも思う。