彦四郎の中国生活

中国滞在記

卓球日本代表に危機感を持ち始めた中国―給料の未払いを求めて地方で教師のデモが

2018-06-13 20:59:04 | 滞在記

 最近、「日本15岁神童撃敗国乒乓球3大世界冠军、央視名記掲げ張本智和馬龍真」「張本智和完胜」「国乒乓教練組重大失誤!l劉国正李隼軽視対手:日本隊離我们差得很遠」などの見出しで、世界に冠する王者「中国卓球界」に対する日本勢の実力接近に危惧を抱いている記事が、インターネット記事で多くみられる。日本の北九州市を会場に6月10日に開催された卓球・ジャパンオープンで、中国の男女エース級の「男子:馬龍や張継科」「女子:王曼昱」が準決勝や決勝で日本の張本智和や伊藤美誠に相次いで敗れたことに関する記事だ。

「日本卓球の進歩はすでに盟主中国を脅かす存在として十分であることは、誰の目にも明らかだ。しかし、今回の中国勢の敗退を語ることよりも、中国卓球は試合の内容から教訓を見つけ出し、さらなる進歩を遂げなくてはならない。」(※「CNS」―China News  Service」―中国国営通信社―6月11日配信)

 日本卓球界の進歩を軽視しすぎていたとの内容も語られていて、日本の張本や女子の伊藤だけでなく、平野美宇、早田希娜などの若手選手もかなり詳しく述べられている。日本のエース級の中心は14才〜18才ととても若い伸び盛りでもある。2020年の東京オリンピックまであと2年間あまり、団体戦ではまだ男女とも中国が優勢だが、団体戦と個人戦の両方で優勝を目指す王者中国としては危機感をかなり持ち始めてきているようだ。卓球の世界では、「日中」は良きライバル関係となってきているが、日本の方が失うものが少ないチャレンジャーだ。

 ―<中国>地方の教師らデモ―報道容認、地方政府へ警告か―日本・「毎日新聞」6月2日配信記事の概略―

 中国で農村・地方地域の教員らによる待遇改善を求めるデモが相次ぎ関心をあつめている。警察官が強引に教師を取り押さえる映像がインターネットに流れ、非難が殺到した。国内メディアも地方行政の不備を批判し、地元政府が対応を認める事態に発展した。4月以降、中国内陸部の陝西省、湖南省、安徽省などで教師たちのデモが発生、安徽省六安市では、5月27日、農村部の教師ら200人が、他地域で支払われている年間2万元弱(約30万円)の手当が未払いなどとして市庁舎に向かったが、警察官ともみあいになり数十人が連行され、警官が女性教師を後ろ手にして押さえつけたり、男性教員が手錠を掛けられたりする映像がネットによって拡散した。この事態に関する報道は通常厳しい報道規制を政府は敷くが、今回は一部黙認(容認)しているようだ。容認による政府の狙い(地方行政の改善という)もあるようだ。

 北京や上海などの教師は月給6000元(約10万円)程度が平均といわれているが、内陸部はその半分以下というのも珍しくない。中国の公立小中学校の教師に対して、2018年1月に「国家の公職員」の地位を与える方針を習指導部は発表した。しかし、給料面では都市部と地方の格差がまだ大きい。

―中国の「女神」(ニュイション)の一人、趙麗穎(ちょう れいえい)―

 中国では人気の高い男優や女優を「男神」「女神」という。2015年頃から、北京などの大都市でも福州などの地方都市でも、市内各地のCMポスターや、テレビのCM放映でも、街中やテレビで、女優の中で最もよく見かける人が趙麗穎だ。化粧品のCM、お菓子や食品のCMなどなど、多くのCMポスターやテレビCMに起用されている。

 彼女は1987年生まれ(中国内陸部の地方出身)で現在は30才くらいだろうか。実家が豊かな家ではなかったので大学には進学せず、「廊坊市電子信息工程学校」という専門学校を卒業後、女優としての道を開いていったようだ。さまざまなテレビドラマや映画に出演し、その愛らしいルックスも相まって、「国民から愛される」存在なのだろう。

 

 

 


突然の断水、まる一日ほど続き、翌朝「水」が出た—水・電気が使えることのありがたみ

2018-06-13 14:08:36 | 滞在記

 6月5日(火)、この日は大学の授業がない日だったので、アパートで過ごしていた。午前9時過ぎにトイレに行き小便の後に水を流そうとしたが、水が流れなかった。部屋にある他の水道栓をひねったがどれも出なかった。突然の「断水」だった。「困ったぞ!私の部屋だけなのだろうか?水道代の滞納があるのかな?」「5月末には電気が突然私の部屋だけ停電の事態、電気代の未納が原因だったようで、すぐに大学の担当職員に連絡をとって支払いを依頼して半日後に電気が回復できたが……。」まあ、こんな「断水」や「停電」の突然の事態が少なくても2カ月間に1度くらいの割合で起きて来る。中国生活にまことに疲れてしまう事態が断続的に起きるということだが、事態に翻弄されてしまう。特に「電気」と「水」は、生活の基本ライフライン、次にインターネットと携帯電話、この4つのどれかが使えない事態となると、たちまち中国での生活は不安が高まる……。

 部屋を出てエレベーターに乗り、アパートの外に出てみると、バケツを持って「給水」している人がいた。「よかった!自分の部屋だけじゃない!!」「どうやらこの団地全体ではなくて、私が住む棟を含めた数棟だけが断水のようだ」と人々の動きを眺めていてわかった。少し人間関係がある2階のおばさんが、「水道の水はあそこで給水できるよ」と教えてくれたので、部屋に戻り、バケツを持って給水をすることにした。

 夕方になっても水道の断水は回復できていなかった。8階の部屋から下に行って給水を何回もした。バケツに2杯、2リットルペットボトルに6本分、洗面器に1杯分、鍋に1杯分。部屋にあった水を貯められるものはこれで全てだった。「いつ水道は回復しますか?」と給水に来ている人に聞くが、私の発音が悪いためか言葉が通じない。そのうち、暗くなったので、「ああ、今日中の回復はもうないなあ」と思った。こんな日は早く寝て不安を感じる時間を少なくするに限ると午後7時半すぎには眠りについた。

 翌朝4時頃に目が覚めてトイレに行った。「まあ、まだ水は無理だろう」と思ったが、水が流れた。大げさかもしれないが「感動して、やった!」と叫んでいた。それほど、ライフラインがいつ回復されるかわからないという不安は、大きいものがある。「電気が使える、水が使える、インターネットが使える」ということは、まあ、それほど「いつ止まるのか」という不安が私にとっては付きまとうことなのだ。

 暑い暑い、湿気のすごい日々、ほぼ17度でのクーラーをかけっぱなしの生活、外気温と室内の気温差で窓のガラスが曇っていた。

 6日(水)のこの日、アパートの棟の前のマンゴーの樹木の実が少し大きくなってきていた。アパート近くの路上販売でスイカを一つ買った。値段は10元(約170円)ととても安い。中国の果物は種類も豊富でとても安い。数少ない中国生活での楽しみの一つが、この果物を買って食べること。

 日本の映画館で6月15日(金)に上映開始となる映画「空飛ぶタイヤ」。主演の長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生などが出演。4月中旬から最近までの間に、この映画の原作となっている『空飛ぶタイヤ』(池井戸潤著)を読んだが、大変面白い小説だった。作家の池井戸氏は「私はこの作品で人間を描きたかった」と言っているが、なるほど、会社員としての、経営者としての、また大会社や中小企業で働くことの現実、そしてそれぞれ、そこで働いている人間の人物が描かれていた。そして、次に『七つの会議』を先日読み終わった。この作品もなかなかよかった。「事件を通じて私はなぜその人が殺人などの事件を起こしたのか、私は人間というものを描く」と言った松本清張の作品に通じるものが、企業小説なりに最近の半沢作品には感じられる。

 池井戸潤の作品には、『下町ロケット』『陸王』『半沢直樹シリーズ』など、会社組織を舞台にした小説が多い。そしてテレビドラマ化されて、いずれもとても優れたテレビドラマとなっている。2014年頃は、中国の日本語学科の学生たちにも「倍返し」の半沢直樹のドラマは人気となっていた。今回、池井戸作品では初の映画化作品となるようだ。

 昨日の夜、日本代表対パラグアイ代表との親善試合が行われたので、インターネットを通じて生視聴した。結果は4:2で日本が勝利した。ほぼ1年間あまり対外試合で勝利がなかった日本代表。このためWカップに向けての日本国民の期待や盛り上がりも低調だと聞く。ほんとうに久しぶりの勝利に、日本国内にある「サッカー視聴Bar(サッカー観戦をしながらお酒などを飲むBar)」は歓声に包まれたことだろう。この試合で2得点と活躍した乾選手は、私が最も期待する滋賀県野洲高校出身のサッカー選手。高校選手権出場の時から注目している。あと、1得点と2アシストをしたゲームメーカーの10番香川はやはりいいなあ。

  6月14日(金)から始まるロシア・ワールドカップ。ロシアには4回訪れた。そのうち3回はサンクトペテルブルクに滞在しロシア語なども大学に行って短期間研修で習った。また、サッカースタジアムに一人で行き、ロシアサッカーを観戦したこともあった。私はロシアという国が好きだ。ロシアという風土が好きだ。ロシアの国はプーチン大統領の長期政権下、いろいろな問題も大きい。しかし、国に国民に「品性」というものがあると感じている。今住んでいる中国という国はどうだろうか?「中国という国や中国人」を長年みてきたが、残念ながらそのような品性というものを感じることは少ない。何度も行ったモンゴル国も人間に品性を感じる国だった。そして3回行ったフィリピンという国の人々も、品性がある人々だった。

 

 

 

 

 

 


もう限界だったのでスマホを買うことに❷中国における携帯電話市場の目まぐるしい変遷

2018-06-13 10:38:12 | 滞在記

 ―中国における携帯電話市場の目まぐるしい変遷―

 ◆中国における携帯電話の変遷が目まぐるしいことは、携帯電話市場の変遷についてあまり知らない私にも感じられる。私が中国に赴任(2013年)するずっと以前の2000年代初頭から2010年までは、欧米勢がほとんど中国市場を独占していたようだ。そこに割り込んできたのがサムスン電子などの韓国勢だった。しかし、韓国勢の中国での優勢も2〜3年間で終わり、中国の国産メーカーがいつのまにか中国市場を圧倒してしまっている。(中国ではサムスン電子は、「SAMSUNG」又は「三星」と表記される)

  私が2013年9月に赴任して、すぐに学生に付き添われて携帯電話を買いに行った。買ったのは「サムスン電子」の製品だった。この2012年、2013年は、中国における携帯電話市場は「サムスン電子」がシェア1位となった年であった。ピーク時は20%のシェアを確保していたと言われる。私が買った携帯電話は、当時としては高額な1000元もしていたものだ。そして、この現在(今)までこれを使っていた。(※実は、私はこれを、当時としては高額だったので、「スマートフォン型携帯電話」だとずっと思っていたのだが、そうではない古い型のものだと、つい最近になってようやく分かったしだいだった。つまり、私は「電話とメールが出来るだけで十分、他は必要としないし、したくない」タイプなので、他の携帯アプリを必要とせずに使わなかったから気が付かなかったのだ。)

 2014年には「小米(シャオミー)」という中国国産メーカーが首位に躍り出た。その最大の理由は、携帯電話の販売価格がとても安く設定され、機能もかなり良いとされたからだ。その後も現在に至るまで、中国国産メーカーの台頭は目覚ましく、昨年(2017年)のトップ3は、①「華為(HUA  WEI)ファウェイー)」、②「OPPO(オッポ)」、③「vivo(ビボ)」である。外資系で中国市場に何とか踏み止まっているのは米「アップル」くらいのもののようだ。ちなみに、私が今回買うことになったスマホ携帯を見たら、「HUA WEI」の製品だった。

 サムスン電子の携帯電話のシェアは、中国において、ついに0%となった。(※中国メーカーは「外資系」携帯より、価格の安さとアフターサービスの良さ、諸機能が中国社会の変化に対応できているが勝っている理由のようだ。)  ここ1〜2年、中国メーカーの携帯電話が日本市場でも注目され始め、日本での市場シェアが主要メーカーとして広がりっっあるようだ。ちなみに、アメリカでは「中国メーカー携帯電話」の国内販売に制限をかけている。自国メーカーの保護などが理由かと思う。

 私は今も、日本国内では「ガラケー」の携帯電話を使っている。このガラケーは中国にも持って行き、日本との国際電話やメールに使っている愛用品だ。今後もスマフォに買い替える予定はしていない。限界が来るまでは。そして、中国で使っていた「SAMSUNG」の非スマフォ携帯は電話番号記録としてだけ今後使うことに。新しく買ったスマフォ携帯だが、大きすぎて使い心地がとてもよくなく好きではない。慣れるのに時間がかかりそうだ。しかし、すざましい速さで変化する中国社会。学生の質も大きく変化してきている。スマフォを利用したさまざまなアプリで人間関係が繋がり合う時代となった今、これらの機能も使う必要性も感じている。

◆韓国の「SAM  SUNG電子」は、携帯電話市場において、中国市場から手を引いたが、他国に進出し世界市場シェアにおいては、現在世界トップとなっている。2000年代に入り、韓国は高度経済成長期に入った。そして、電器製品分野では、日本の松下電器(パソニック)に追いつけ追い越せを行い、2010年には、中国市場を含め 世界の各市場で完全にパナソニックを蹴落としに勝利し現在に至っている。このあたりのことは、日本の漫画『島耕作シリーズ』でも描かれている。

◆韓国の2017年、大学生の就職希望(人気)企業のベスト10が発表されていた。それによると、1位:サムスン電子、2位:現代自動車、3位:韓国電力公社、‥‥…。ちなみに、航空会社で、ナッツ姫やリターン姫・罵倒夫人で会長一族が社会の問題ともなっている「アシアナ航空?」は9位。


携帯スマホがない中国での生活が困難になった。もう限界だったのでスマホを買うことに❶

2018-06-12 23:40:16 | 滞在記

  6月に入って5月1カ月間のような40度近い日々の、ものすごい暑さと湿気は和らいでいる。梅雨時期の少雨が降ったりする季節だからだ。しかし、気温はけっこう高く、最高気温はほぼ毎日35度はある。大学構内は、黄色い花やハイビスカス、グラジオラスによく似た赤い花などの初夏の花が見られる。

 構内の水辺には、少しある蓮の花が開花し始めた。バナナの花が開花した後に、実が少しずつ育ち始めていた。はんばじゃないくらいとても蒸し暑い福州、一日に最低2回はシャワーを浴びるので、洗濯物の量もとても多くなった。外にでることそのものが辛い日々でもある。これが10月いっぱいまで続く。

 中国で2013年9月から生活し始めて5年間が終ろうとしている。中国社会の変化はものすごく速いと感じる。そのうちの一つに「スマホ型携帯電話」のアプリ(「支付宝」など)を使っての現金支払いシステムが2016年より急速に普及したことがある。そのシステムを利用している人口は現在8億人を超えると言われる。おそらく15才以上の中国人の8割以上が現金支払いシステムを利用しているようだ。

 買い物をするあらゆる場所で、現金を支払う人はとても珍しい光景となっている。ほとんどの人は、現金というものを持ち歩くことがなくなった。バスでも電車でも、そして新幹線や飛行機、ホテルの予約から、あらゆる買い物場所で(小さな露店の屋台でも)、そして、アパート代金や電気代、水道代の支払いも、このスマホ携帯を利用して支払っているのが中国社会だ。中国にあふれる「レンタル自転車」(1元)も、タクシーをつかまえるのも なにからなにまで このスマホシステムが使われる。スマホなしの中国での生活を2年間あまり頑張ったが、もう限界だった。中国語もできず、スマホもない、6カ月間が猛烈な暑さと湿気の夏という、「三重苦」のなかで、この中国で よう生活しているなという感じである。

 しかし、これももう限界を強く感じる出来事があった。今までこの2年間余りアパートを借りていた、アパート近くの「不動産店」が5月中旬ころに突然消えてしまった。店から何の連絡もないまま、5月末日に突然に店長から、「6月のアパート代金を払ってくれ」というメールが入った。「携帯電話からの支払いシステムを利用して払え」という意味のメールだ。今まで、店に行き直接に支払っていたのだが、困ってしまった。支払いが遅れると、アパートからの突然に立ち退きを要求しかねない「親切のカケラ」もない人だからだ。とりあえず、大学の職員の助けを借りてしばらくは、支払うこととなった。「いつ電気を止められるか、いつ水道を止められるか」など、生活の不安はずっと続く、中国での生活に、つくづく疲れ切ることも多い。

 6月9日(土)の午後3時半に、2回生の学生たち3人と市内の繁華街で待ち合わせをした。彼女たちの助けを借りて、「携帯電話ショップ」にこの日行くこととなった。携帯電話市場や機種などについての知識は全くないので、一応の希望を伝えて、あとは学生たちに携帯電話(スマホ)購入を任せた。1時間半ほどで、携帯電話の購入が終わった。時刻は5時を過ぎていた。

 市内の中心にある人民広場にあたる「五一広場」の近くにある日本料理店「古都」に6時ころ行き、学生たちとビールで乾杯した。彼女たちに「日本料理」というものを初めて経験してもらった。(上記の写真右端は、学生のスマホに保存してある写真。小学生の弟と学生本人。)午後8時頃に散会する。学生たちはバスに乗って1時間半ほどをかけて大学に戻った。翌朝、新しく買ったスマホ携帯電話に「私たちは無事に大学に着きました」という昨夜のメールが入っていたことに気が付いた。新しい携帯電話の値段は2600元(約47000円)ほどした。やむおえぬ出費。

 新しい携帯電話(スマホ)は買うことができたが、すぐに「支付宝(シーフーバオ)」のアプリを利用して、支払いをすることはまだできない。お金を預けている銀行(中国工商銀行)に行って、電話番号の変更手続きをする必要があるからだ。2013年9月にこの銀行でカードを作った際に届け出た携帯電話の番号と、2015年10月以降使っている携帯電話番号が違うからだ。(※中国では、3カ月間携帯電話を使用しないと、その番号は使えなくなるので、新しく番号を申請しなければならない。)これも一人で「変更手続き」に言葉の壁で行けないので、学生か中国人同僚の手助けが必要となる。その変更手続きが終わって、学生に「支付宝」の操作方法を教えてもらって、初めて「スマホでの支払い」が可能となる。私にとってはとても長い道のりとなる。

 

 

 

 

 

 

 


中国「花」文化考❷—初夏の花々、街路樹の「芒果(マンゴー)」果実も

2018-06-11 08:24:44 | 滞在記

 「蓮や睡蓮」、そして、初夏のいろいろな花々が咲いているこの季節。紫陽花(アジサイ)も少しだが見ることができる。でもこの福州でアジサイを見かけることは少ない。アジサイは梅雨時期に雨が多い日本にふさわしい花なのかもしれない。

 名前は知らないが、赤くて可愛らしい小さな花を咲かせる樹木や紫色の花、ツワブキの黄色い花。

 亜熱帯のインドソケイの花やジャスミンの花は、高貴ないい香りがする。

 ―中国「花」文化考❷—

 花好きの中国人は「古来」、十大名花を競って選んできた。時代、地域によって違う十大名花を、1987年、全国投票でリストを作った。順に花を記すと、梅・牡丹・菊・月季(コウシンバラ)・杜鹃(ツツジ)・山茶(サザンカ)・蓮・桂花(キンモクセイ)・水仙。中国は漢字の国。簡単明瞭な漢字表現の「花言葉」もつくられた。

 花中両絶‥‥牡丹・芍薬(ボタン・シャマヤク)、園林三宝‥‥木に銀杏・花に牡丹・草に蘭、花草四雅‥‥蘭・菊・水仙・菖蒲、花中四君子‥‥梅・蘭・竹・菊、盆樹大家‥‥黄楊(つげ)・金雀(エニシダ)・迎春(レンギョウ)、花間四友‥‥蝶・鶯・燕・蜂

 宋代の曾端と明代の都卯は、友人を花に譬えたて色別したことで知られる。現代に通じる「花十友」は二人のたとえから選んだ。

 蘭‥‥芳友、梅‥‥清友、ジャスミン‥‥雅友、蠟梅(ろうばい)‥‥奇友、蓮‥‥浄友、梔子(くちなし)‥‥禅友、菊‥‥佳友、桂花(キンモクセイ)‥‥仙友、海棠(かいどう)‥‥名友、芍薬(しゃくやく)‥‥艶友

 この季節、福州の街路樹としてけっこう多い「マンゴー」の樹木の実が少し大きくなる。ここのマンゴーはとても小さい。街に多くある果物店にも並べられる。

―「友(とも)が一人、亡くなってしまった」―

 先日の朝、日本から電話がかかった。親友の山本君からだった。「久夫が亡くなった」という連絡だった。熊谷久夫(旧姓・中村久夫)君は、高校時代からの「盟友」的な友人だった。高校では1年の後輩だ。生徒会活動を二人で両輪のように取り組んだ仲間。死んだという知らせを受けて、ここしばらく、時々 久夫のことが思い出される。享年64才だろうか。