彦四郎の中国生活

中国滞在記

福州日本企業会忘年会に参加―3週間後に迫った台湾総統選挙、前駐中国大使・垂秀夫の日中関係への指摘

2023-12-23 19:25:30 | 滞在記

 12月16日(土)、午後6時から開催された福州日本企業会定例総会(忘年会)に参加した。この日は、日本系企業の国誉(コクヨ)の福建省駐在員をしている王さんも初参加のため、私のアパートから会場の福州陽光暇日大酒店(ホテル)に彼と一緒にタクシーで向かった。この日の定例総会の参加者は90名余り。10余りの円形テーブルにて乾杯で会は始まった。新任会員や帰任会員などの挨拶が続く。

 日本人駐在員を中心に結成されているモライエバンドの演奏と歌。長渕剛の「乾杯」、セリーヌ・ディオンの映画「タイタニックのテーマ曲」などが演奏と共に歌われた。抽選での忘年会景品が全員に配られもした。私は日本のお酒銘柄の焼酎をもらった。そして、午後8時過ぎには閉会となった。この9月以降、坐骨神経痛や血管性の病気による足腰の痛みのため、3カ月半は、外に酒を飲みにいくこともなかったが、この日は久しぶりにお酒をたくさん飲み気分転換ができた。

■中国に在住している日本人は、2012年の約15万人がピークだった。2023年10月時点では約10万人にまで減少している。特に2020年1月からの新型コロナ感染の世界的パンデミックと3年間に及ぶ中国のゼロコロナ政策が減少に拍車をかけたと言われている。(※世界的には、最も日本人在住者が多いのがアメリカで約40万人。中国はそれに次ぐ。)  ちなみに日本人在住者が最も多いのは上海市の約3.5万人。

 中国福建省には約150余りの日系企業があるようだ。最も多いのが廈門(アモイ)市で、次いで福州市(約50社)。福州在住の日本人数は約170人余りと推定される。

 世界的に注目される、4年に1度の台湾総統選挙の投票日である2024年1月13日まで、あと3週間となった。11月上旬から11月24日にかけて、野党の国民党と民衆党の候補者一本化調整が行われた。11月中旬の総統選挙支持率世論調査では、与党「民進党」の頼清徳候補が29.9%、「国民党」の候友宜候補が27.9%、「民衆党」の柯文哲候補が23.1%。

 野党の連合による候補者一本化が決定すれば、50%余りの支持率となり、民進党の頼候補の敗北は明らかとなるはずだった。また、8年間続いた民進党政権からの変化を求める人々の要望も大きな流れともなっている感もある台湾。しかし、野党の候補者一本化とはならなかったことが11月24日に判明した。そして、3人の候補による選挙戦になってきている。

 12月13日に台湾メディアが報じた世論調査では、民進党の頼清徳候補が36%、国民党の候友宜候補が32%、民衆党の柯文哲候補が22%となっていたが、頼氏を候氏が猛追する展開となっているようだ。選挙に対する関心は高く、88%の人が投票に行くと答えており、実際の投票率は80%になるかと推定されている。

 台湾駐日経済文化処(台湾の在日本大使館的なものに相当)は、12月18日、台湾に対する日本人の意識調査を発表した。最も親しみを感じるアジアの国・地域では台湾が約46%で、2位の韓国(約19%)、3位のシンガポール(約9%)などに大差をつけて1位だった。台湾総統選挙については、約14%が大いに関心がある、約50%が或る程度関心があると答えた発表された。また、男性の約73%、女性の約54%が関心があるとの報告もされていた。(1000人のインターネット回答調査より)

■私が暮らす中国福建省福州市から台湾の台北市までは約160kmの距離。台湾が実効支配している台湾海峡にある媽祖(まそ)諸島までは、福州市からわずか20kmの距離。

 今年の11月まで中国北京にある日本大使館の日本大使を務めていた垂秀夫氏が、12月になり日本に戻った。そして、先日のABC朝日放送の「報道ステーション」に出演していた。この日のテーマは「①間近で見た"習近平"の中国とは、②中国との"思考の違い"と"向き合い方"」。日中の主な懸案事項としては、「処理水問題」「邦人拘束問題」「尖閣諸島問題」「台湾有事問題」「半導体問題」などが挙げられていた。

 垂氏は、1978年から長く続いた改革開放(鄧小平路線)が、特に近年の習近平政権では「国家の安全(総体的国家安全観)」に国策として変わってきていることを述べていた。そして、日本政府と中国政府の思考の違いとして、日本が「ミクロ」なのに対し、中国は「マクロ」であると指摘。つまり、中国は、マクロ的な国家戦略の観点から「ミクロ」の懸案事項を判断し対応してくるとの指摘だ。そのことからも、垂氏が2006年に日中両政府に提唱した「日本と中国の"戦略的互恵関係"」の再構築の重要性に言及していた。

 そのためにも、日本の外交政策方針がアメリカの背後にすっぽりと隠れていて(アメリカに完全依存)、中国側から日本が見えない状況になっていることの問題点を指摘していた。

 中国という国に関する垂氏の見解は、とても参考にはなった。

 


1 コメント

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Unknown (大阪▪枚方市、小野賢一)
2023-12-28 12:39:03
今日は。
ひさしぶりに酒が飲めて、良かったですね。日本人と楽しいひとときを過ごせたようだ。1月に再会出来ることを楽しみにしています。
2023年12月28日(木)
小野賢一 拝

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