彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国本土、14億人の人々が知る香港問題―中国政府がコントロール(統制・発信)する情報のみが全て

2019-09-30 23:04:06 | 滞在記

  現代中国は、国を覆う「現代版情報・万里の長城」によって、インターネットを介した外国からの情報をほぼ封鎖(閉鎖)・管理・統制をしている。このネットの戦いを中国政府は「陣地戦」とも呼ぶ。そして一方では、中国国内のものすごく多い(日本の比ではない)インターネット関連局(会社)の情報が溢れている。ほとんどは携帯電話アプリを通じてのインターネット視聴だが、そのインターネット視聴人口は8億人以上にのぼる。ネット利用の買い物総額は年間に130兆円という途方もない金額である。また、中国のテレビ局は300以上もある。

 情報が溢れかえっている中国だが、その情報はほぼ完全に中国共産党が指導する中国政府のコントロール(統制・発信)のもとにある。この情報統制は2015年ころを境に一層の強まりをみせてきている。6月9日や16日の、100万人・200万人の集会・デモなどの報道は、6月下旬まではほぼその情報は統制され、中国本土でテレビ報道されたり、インターネットで発信されることはなかった。7月に入り、ぽつりぽつりと 香港に関する今回の問題の報道が始まった。

 その報道は、100万人以上もの人々が集まって「逃亡犯防止条例」などに反対してデモを行ったということや、そのようすの映像、香港問題の真相(※なぜ反対しているのか)、デモ参加者の人数についてなどは 現在に至るまで一切報道されていない。報道される映像や内容は、中国政府が「暴徒」と呼ぶ人たちが暴れていたり破壊する場面、香港警察と対峙、双方がやり合う場面などである。

 8月30日の深夜に日本から中国に戻り、テレビ報道やパソコンのインターネット記事、携帯電話を使ったインターネット記事や映像を見ながら、この9月の1カ月間の香港問題に関する中国国内での報道・記事を振り返ってみると次のようなものだった。

 9月上旬、「乱港分子 周庭 黄之鋒 "港独"組織頭目」の拘束・逮捕、そして放免に関する記事が多く見られた。そして、「暴徒」に関する映像と記事のオンパレード。香港政府と香港警察と中国政府を支持する香港でのデモなどの報道も目立ち始めた。

 9月3日には、「共拘35人」とこの日のデモ参加者で暴徒35人を拘束逮捕したことや、6月以降の拘束・逮捕者は1183人にのぼること、その中には71人の女性がいることなどが報道されていた。主犯的な「暴徒」の顔写真や名前や所属などがインターネツト記事に掲載も。指名手配犯の扱いである。

 9月上旬、「第一特区政府会 正式撤回 条例草案」との見出しで、逃亡犯防止条例の正式撤回がインターネット記事に掲載されていた。これはテレビでは報道は規制されていた。デモ隊の過激な行動により損壊させられた地区や建物などを見まわる林鄭月娥長官のようすも報道。ドイツに行き、ドイツの外相と面談し香港の危機を訴えた黄之鋒氏。中国外交部報道部副部長の華春莹報道官がドイツ政府への抗議声明を出している放映も流されていた。

 また、香港のある公共建物内に家族とともに来ていた男性が、香港政府・中国政府支持の思いで中国国歌を歌っていたら暴力を受け、顔面に一筋の血が流れ、抗議をする姿、その男性が抱きかかえる娘が その場の怖さで泣き叫ぶようすが、さまざまなメディアで報道され、男性への賛辞とともに広く報道されていた。その記事に対して、「我支持香港警察、你们可以打市民了!」の読者書き込みなども。

 ショッピングモール内の広場で、千人の人が集まって、香港政府と警察・中国政府を支持し、中国国旗を振りながら中国国歌を唱和するようすの映像も連日 広くさまざまなメディアで報道されていた。「香港経済の下落で人々の不満がデモ隊・暴徒に向かってきている」の報道も。

 逃亡犯防止条例制定(反対する多くの人達は、この条例を「送中法」と呼ぶ。)のきっかけとなった台湾での殺人事件。今年の2月に香港在住の陳同佳(男・21歳)と潘暁穎(女・22歳)の二人が台湾に旅行し、陳が潘を殺してしまったという事件である。この潘さんの母校では、この学校の生徒たちが制服を着て手をつなぎ、学校側の指示により「逃亡犯防止条例」制定支持の訴えを行っているようすの映像なども中国国内では報道されていた。「なぜ、この条例に反対するのか?反対する人達の気持ちがわからない」という印象をもたせる効果のある報道でもあった。

 ◆中国国内での香港問題に関する記事・報道はだいたいこのようなものである。中国本土に暮らす14億人の人々は、中国政府によってコントロールされた このような報道がすべてであり、香港問題については、逃亡犯防止条例に反対してデモをする人を、「反中国分子・暴力分子」の印象や認識しかもちえないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 


「70周年国慶節」❷―70周年に向けての中国―明日の「70周年」には、10万人の市民バレードも

2019-09-30 12:23:52 | 滞在記

 福州市の閩江の港埠頭に置かれている「祝70周年国慶節」のモニュメントと写真を撮る人々、南公園に掲げられた「70周年」の大きなモニュメント。中国全土で明日の国慶節に向けての「祝賀行事」の準備がすすめられてきた中国。

 9月27日(土)の午前中、久しぶりに露店市地区に行ってみたら、一つの露店で10年前の「2009年60周年」の時の国慶節での軍事パレードと当時の国家主席・胡錦濤による閲兵式のようすがテレビ放映されていた。その画像を見ていると、感動というか、一度見て見てたいなあという高揚感の思いも湧きあがってくるほど勇壮ではある。多くの人がその放映を見続けていた。

 1949年10月1日に、北京・天安門の楼上で当時の中国共産党主席・毛沢東により中華人民共和国成立が宣言されて70年。今年、70周年の「中国国慶節」の取り組みは、60周年の時の取り組み以上に規模的にも大きな盛り上がりをみせてきているようだ。「国慶節記念式典」は10月1日に全国各地津々浦々で行われるが、主要会場である北京・天安門広場周辺では、記念式典の後、軍事パレードと習近平主席による軍事閲兵、さらに10万人の北京市民によるパレードが予定され、そのための大規模練習も この9月の夜間に行われてきている。

 10月1日が近づくにつれて、個人の家々でも中国の国旗を掲げる家がみられるようになってきた。高層住宅ビルでも小さな国旗や大きな国旗が。明日10月1日には、多くの家々で国旗が掲げられるのだろう。

 9月29日(日)、この日は国慶節期間中の10月4日の振替授業日となったので、大学に授業に行った。午前9時半ころに第一グラウンドの前を通ると、10月1日の「閩江大学慶祝中華人民共和国成立70周年昇旗儀式」の練習が行われていた。実は、9月30日(月)は大学では通常の授業日だったが、2日前の9月28日(土)に、「30日の授業は全学的に臨時休講とする」との突然の連絡が入った。学生達をリハーサルに参加させるための措置のようだった。

 大学構内の教学楼の1階では、「70周年記念」の写真展が行われていた。50枚ほどの掲示されていた写真のうち、中国国旗をもっている人たちの写真も10枚ほどが掲示されてもいた。

 ―国慶節期間中、約8億人が国内外に旅行をする中国社会―

◆国慶節による祝日は10月1日から7日までの1週間。この期間中に国内外の旅行に行く人は約8億人にのぼるようだ。年々、この時期の旅行者数は増加している。このうち、800万人をこす人が海外旅行にでかける。(昨年は700万人)  海外旅行先で最も多いのが日本。次いでタイやシンガポールとなっている。(昨年は最も多いのはタイだった) 海外旅行をする人は、9月27日(土)から出発している人も多いようだ。今頃、日本には多くの中国人が訪れていると思うが、京都の四条大橋あたりも中国人観光客やラグビーWカップ観戦に来日した外国人観光客であふれていることだろう。

 私は昨年の国慶節期間中には中国の南京に二泊三日の旅行をしたが、今年は日本に一時帰国を明日からする予定。しかし、大型台風18号が明日1日の早朝にここ福建省・福州に最接近するとの報道なので、飛行機が飛ぶかどうか心配している。飛行機代金(福州―関西空港)の往復は、国慶節期間中なので、9月上旬に通常料金の2倍で買ったのだが。

 

 

 

 

 

 


「70周年国慶節」❶—中華人民共和国成立70周年「国慶節」に向けて―中国全土に林立する赤旗

2019-09-30 10:25:17 | 滞在記

 明日10月1日(火)から、中国は「国慶節」期間が始まる。今年の中国は10月1日から7日(月)までの1週間は国民の祝日となるので、「黄金周」(ゴールデンウイーク)と呼ばれている。とりわけ今年は、中華人民共和国が1949年に成立してから70周年を迎えるので、国慶節に向けての取り組みは、全土的に半端ではない。まさに国家と人民を挙げての準備と取り組みが9月上旬より本格化してきた。

 閩江大学でも広い大学構内全域に赤旗や「祝 国慶節70周年」の看板が林立している。「樹立国家情怀 与 祖国共奋进」と書かれているモニュメントが国旗掲揚台の前に設置されている。第二グラウンド前には「国栄我栄 国強我強」(国が栄えてこそ私も栄えることができ 国が強くなってこそ私も強くなることができる)の横断幕が。

 アパート近くの福建師範大学倉山キャンパスの構内も赤旗などさまざまな色の旗が林立している。

 アパート近くの道沿いにも ずらっと立てられている赤旗。そして、小旗の赤旗が歩道の上をずらっと覆っているところも。

 アパート近くの商店街の一軒一軒の店先にも赤旗がずらっと並ぶ。まさに、福州の街は赤旗に染められている9月下旬。これは中国全土津々浦々で今、見受けられる光景かと思う。赤旗に染められる中国の今だが、毎日毎日この「赤!赤!赤!」の光景を1か月間あまり見ていると、日本人である私などは少々、色彩的に疲れてきてしまっている。

 中国のテレビ報道などを見ていると、9月上旬より、まず首都・北京の天安門広場やその周辺の会場で、10月1日の「国慶節70周年」国家記念行事の練習や訓練が始まっていた。夜間には天安門広場前の大通りは交通が閉鎖され、訓練や練習が行われてきた。とりわけ、習近平国家主席が閲兵する軍事パレートの訓練のようすなども放映されていた。

 

 

 

 

 


閩江クルーズ―川沿いの建物の煌々(こうこう)たる夜景―中国の都市の電力消費量のすごさ

2019-09-27 08:53:32 | 滞在記

 中国福建省福州市には60余りの日系企業があり、その半数は自動車関連の企業だ。日本人駐在員は150人くらいかと思う。福州市に暮らしている日本人は私も含めて180人くらいと聞く。福建省では厦門(アモイ)市に日系企業が最も多いのだが、省全体では150社あまりがあるのかと思う。これは中国で東シナ海の沿岸省では最も日系企業が超少ない省となっている。(中国全体では約3万社の日系企業があり、最も多い上海市では約5000社がある。次いで多いのが広東省。他に遼寧省や江蘇省も多い。)

 福州市日本企業会の定例会は年に3回(3月・9月・12月)開催される。3月・12月は市内のホテルが会場となり、12月は忘年会例会。そして9月の会場は閩江(びんこう)クルーズの船を貸し切って開催される。閩江は福州市内を流れる大河で、東シナ海に河口をもつ。今年は9月21日(土)の午後6時半出航で例会が始まった。

 午後6時頃、閩江の埠頭に行くと、夕焼けが美しい河畔の埠頭に「中華人民共和国成立70周年」の大きなモニュメントが。クルーズ船に6時15分頃に入るとすでにほとんどの人が集まっていた。

 この日の例会参加者は3月・12月の例会の半数くらいの80人余り。船が出航し、会長・副会長の挨拶のあと乾杯。私が座った席の周囲の人たちと話し始め名刺交換などを行う。前に座っている人は、初対面の高浥さんという弁護士の人だった。日本語が流暢なのは、日本の一橋大学大学院法学科に留学していたからとのこと。年齢的には35歳くらいと若いが、福州市と厦門市に弁護士事務所を開業しているようだ。結婚して待望の娘さん(10カ月)が誕生。可愛い赤ちゃんの写真を見せてもらった。翌日、高さんから「また、個人的に会って酒でも飲みましょうか」というEメールが入ってきた。

 宴もたけなわになってきた頃、船上にみんなが移動し、閩江の夜景の中でも、クライマックスとなる「マッピング」を見ることに。

 10棟以上の高層ビルに映し出されるマッピングが20分ほど続いた。次々と変化していく色と光の絵画。

 その規模の大きさと光のショーに圧倒させられる。ちなみに一般の人がクルーズ船に乗船し2時間ほどのクルーズを楽しむ場合は、大人160元(2500円)・小人100元(1600円)の料金となっていた。

 このマッピングだけでなく、閩江河畔の数キロにわたる高層の建物(その多くは住宅)は、夜間には見栄えのする光の変化が建物全体に施されている。中国の都市ではびっくりするような高さ(30階から50階)の高層住宅がとてもとても多い。普通の超高層マンションなのだが、夜になると 多くの建物に光の変化の照明が灯されている。ものすごい電力の消費なのだが、中国の人たちは、「私が暮らす建物はこのように美しいんだ」と自慢に感じるらしい。

 出航して2時間あまりが経過した午後8時半ころ、照明をされた埠頭近くのヨーロッパ風の洋館が見えてきた。桟橋を渡り下船、「70周年」のモニュメントにも照明の光が輝いていた。台江地区の街中も建物に色さまざまな照明が。1990年代末に、グランドキャニオンに行くために息子と二人で中継地として宿泊したアメリカのラスベガスの夜景のような中国各地の街の夜景。ものすごい電力の消費かと思う。

 アパートに戻るために、路上のレンタル自転車の鍵を携帯電話アプリを使って開け、洋館付近の橋(解放大橋)を通って閩江を渡る。釣り糸を垂れながらおしゃべりを楽しんでいる人たちも多い。橋を渡り終えると、照明がほどこされた教会が美しい。河畔の広場には百数十人のダンスを楽しむ人たちが。ここは年齢的には30代後半から50代後半くらいまでの人たちのようだ。

 河畔の他の広場では別の少数の広場ダンス(舞)の人たちが練習していた。証明された橋が美しい。午後9時をまわっていたが付近の路上では風船売りの40代前半くらいの女性。おそらく仕事(正業)はあるのだろうが、少しでもお金を稼ぐために、時間があればこのような小遣い稼ぎをしている人たちはけっこう多い。(私の暮らすアパートでも、お年寄りの人は、廃品回収をする人も多い。少しでも生活の足しにするために。)

 ―中国の電力消費事情—近い将来アメリカを抜いて世界一の電力消費国に、CO2排出量は現在世界で最も多い―

 中国人の人たちの暮らしは、かなりな「夜行性」。昼に2時間ほどの休み時間が学校でも会社でもある国柄なので、昼寝の仮眠を短時間でもとる人も多い。だから、夜の8時といえば「宵の口」という感じで、通常のお店は夜10時まで営業しているところが多い。人々の多くは夜の11時〜12時ころに就寝するのが一般的かと思う。だから朝はとてもみんな遅い。午前6時頃までは私が暮らす大型団地でも家々の明かりがほとんど消えている。(数万人が暮らす団地のなかで、毎日夜の8時過ぎに就寝し、朝の3時頃に起床する私の日常は、周囲の人達からすれば異常な生活に思われているかもしれない。)

 このような夜行性の中国の人々のライフスタイルは当然、多くの電力消費をもたらす。また、日本のように台所でガスを使う家庭はほとんどなく、「電気調理器」が一般的だ。中国の電圧は日本の2〜3倍の200Wが基本なので、電気ポットでは30秒ほどで水が沸騰し始める。電気調理器の中の鍋の水も沸騰は超早い。これもすごい電力消費量かと思う。

 中国は1980年代初頭からの改革開放路線以降、特に1990年代後半からの経済成長はものすごい。GDPは近年までウナギのぼり。この成長は今後も続き、2030年にはアメリカを上回ると予測されている。国民一人当たりの電力消費量は、現在、年に5000kwhとなり、1980年と比較して10倍以上となってきている。

 電力を生み出す発電は、その60%は石炭を使用する「火力発電」、次いで「水力発電」が25%。「風力発電」が7%。ほかに、原子力発電・太陽光発電・ガス発電などがある。現在、空気汚染の問題の深刻化もあって、CO2を多く排出する石炭使用の火力発電を減少させる政策努力を早急に実施してきてもいる。中国での原子力発電は現在37基が稼働中で(日本の現在原発発電22基の総発電量の8割の発電量)、電力発電総生産量に占める比率は3.6%。先進国諸国が原発廃炉や建設停止に舵を切る中、中国では2026年までにはさらに20基の原発を稼働させる計画で、アメリカを超えて世界一の原子力発電大国になると予想されている。

 地球温暖化の主要な原因ともなっているCO2の年間排出量ベスト5は、1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位ロシア、5位日本。世界各国の排出量の割合では、中国が28%、アメリカが15%、インドが6.4%、ロシアが4.5%、日本が3.5%。この5国で全体の60%あまりを占めている。ただ、国民一人当たりのCO2年間排出量となると、中国人は6.7トン、アメリカ人は16.4トン、ロシア人は12.4トン、インド人は1.6トン、そして日本人は9.6トンとなり、順位は大きく変わってくる。日本人一人で、中国人の1.4倍のCO2排出量となるのが実態だ。日本では現在、建設中あるいは計画中の石炭火力発電所が22基あり、世界の潮流に逆行していると言われている。

 「日本は環境対策が進んでいる国」というイメージはあるが、CO2排出量6位のドイツ(2.3%)と比較すると、日本の3.5%はドイツの1.5倍となっている。(世界全体の年間CO2総排出量は約330億トン)

  9月23日にアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」。登壇した、スウェーデンの環境活動家(16)のグレタ・トゥーンベリーさん。温暖化対策に対し、具体的な対策が進まないことに、涙ながらに訴えたことに世界の注目が集まった。「我々はまさに絶滅の淵にいます。それなのにあなたたちが議論しているのは お金や経済成長の話ばかり。許せない!」と怒りこめた。

 このサミットに参加した日本の小泉進次郎環境相は、「このような大きな問題に取り組むには、楽しくやるべきです。"クールに、セクシーにやるべきなんです"」と発言し、何も中身のない、空虚で、意味のわからないバカ発言をして、世界の"ひんしゅく"をかったという報道もあった。アメリカに到着すると、ステーキを食べまくった(牛の飼育には多くの電力とCO2排出をともなう)行動も含めて、環境相としての資質のない人のようで、私がこのニュースを聞いて、日本人としても恥ずかしい。小泉進次郎さんは人気先行、あまり中身のない人物のようだ。残念でもあるし、将来の首相候補なんて、10年以上早いだろう。かっこよさばかりを気にする空虚なクール?な言葉を使うのは もうやめてほしい。日本の恥だ。将来のある政治家として真面目に勉強しなおしてほしい。

 ここ5年間くらいの近年、地球温暖化による気候変動が世界各国に大きな被害を増大させている。大雨の日常化や台風の異常多発発生が日本でも多い。中国でも同じだ。2013年ころまでは台風は少なかったが、2017年ころから、中国でも台風による大雨や強風の被害、高温化が顕著になり始めている。地球温暖化問題の各国の真剣な取り組みが緊急な事態に直面しているように思う。

 

 

 

 

 

 

 


中国に6年以上暮らしていて、初めて野球(ソフトボール)をしている人々というものを見た

2019-09-24 17:34:10 | 滞在記

 2013年8月下旬に中国の大学に赴任し、もう7年目に入っている。福建省福州市の市内中心部にあった大学の外国人教員用宿舎や民間アパートで暮らし、市郊外のさまざまな大学が集まる「大学城地区」までのバス通勤の日々。多くの学校の運動場や市民グラウンドや体育館、空き地や小さなコートでスポーツをしている人々を眺めてきた。

 中国の人々がよくやっているスポーツとしては、バトミントン・バスケットボール・ジョキングがベスト3となる。卓球のスポーツ人口も多い。スポーツと言えるかどうかはわからないが、ダンス人口も多い。いわゆる「広場舞(ダンス・体操)」と言われるものである。ここまでがベスト5。次いで2015年ころより徐々にスポーツ人口が増えてきたのがサッカー。排球(バレーボール)やソフトバレーボールを楽しむ人たちもよく見受ける。また、太極拳や中国拳法なども公園でやっている人をよくみかける。

 プールも夏には多くの人が集まるが、中国の人たちのほとんどは泳ぎ(水泳)ができない。大学生たちに聞くと、10m以上泳げるという人は、20人中1~2人くらい。中国の小中高の学校にはプールというものは ほぼない。2022年に冬季オリンピックが北京で開催される影響のためか、スケートやスキーをする人も最近 微増し始めているようだ。雪を求めて日本に観光に来て、初めて雪滑りをする人も最近増えてきているようだ。

 一度も見かけたことがなかったのが野球やソフトボールだった。中国各地へ旅行に行っても野球だけは見たことがなかった。中国語には「棒球(バンチョウ)」という野球を意味する言葉だけはあるが、野球不毛の地・中国という感じだ。先日の15日(日)のことだったが、午前10時頃に大学での用事を終えて大学正門の南門にレンタル自転車で向かう途中、大学の第3グラウンドでそれぞれのチームのユニフォームを着て野球をやっている人たちが目に入った。自転車を止めてグランドに入っていくと、野球ではなくソフトボールだった。

 「おお!中国という国で初めて野球(ソフトボール)を見た!!」という驚きだった。しばらくプレーの様子を眺めていたが、上手ではないというより、かなかなり下手であった。やっている人たちは若い男性が多いが若い女性もちらほら。若い女性がピッチャーをしていたが、ピッチングボールは山なり。まっすぐな球は投げられない。しかし、みんなのユニフォームはとても立派。エラーだらけの試合だが、みんなそれなりに楽しそう。硬球や軟球を使う野球より、ソフトボールはやっていて楽しいとは思う。私もソフトボールはやっていても見ていても楽しいと思うスポーツだ。少しずつだが中国でもソフトボールは広がるかもしれないとなあと思った。

 観戦していた若い女性に「この人たちは閩江大学の学生たちですか」と聞いたら、「いいえ、ちがいます。学生もいますが、ソフトボールの好きな福州の若い人たちです。今日は日曜日なので、チームどうしの試合を楽しんでいるのです」とのことだった。

 9月4日(水)より、日本語学科2回生たちの「日本語会話3」の授業も始まった。初めて担当する学生たちだ。約40人の学生を2クラスに分けての各クラス週に2回(90分授業を2クラスで週4回)担当している。

 この学生たちを新しく担当することにより、閩江大学と福建師範大学の2つの大学で、実数(延べ数ではなく)として860人あまりの中国の学生を担当したこととなる。中国の大学に初めて赴任して担当し始めた2013年の頃の学生たちは、そのすべてが黒髪で化粧なしだったが、2016年あたりから学生気質もかなり変わってきて、1回生や2回生からどぎつい茶髪や化粧(※韓国化粧の影響が大きい)の学生たちが出現し始めて、より広がりを見せている(茶髪はまだ15%くらい。化粧は35%くらいかな。)  大学進学率は40%を超えていて、大学の大衆化が進行し始めているわけだが、それにつれて、「真面目さ」「素朴さ」「一生懸命さ」という中国の大学生の像も急激に変わってきているのが中国の大学だ。

  大学の自分の部屋(研究室)のある福万楼の建物に隣接して海洋学部棟がある。この海洋学部は、中国政府の「一帯一路」構想政策に対応して3年前に新設された新しい学部だ。その前を通って行くと樹木間を栗鼠(リス)がするすると登り渡りしていた。

 暑い・熱い一日が暮れ行く大学の夕暮れ、アパートに帰るために正門のバス停に向かう途中、大学構内の水辺をオレンジ色に染める夕焼けがとても美しい。