彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本共産党の米朝首脳会談絶賛に疑問を呈する❶絶賛だけ?なぜ懸念はしないのか?

2018-06-28 07:09:39 | 滞在記

 日本に一時帰国をする前日の6月16日、中国のアパートで日本のインターネット記事を見ていたら、時事通信社「JIJI.com」発信で次のような見出しの記事があった。➡共産、トランプ外交絶賛=「改憲阻止」追い風? 6/16

  ◆日本共産党が北朝鮮との対話に突き進むトランプ米大統領を絶賛している。従来、米国を「帝国主義」「覇権主義」と批判してきたが、米朝対話を求める党の主張と合致したためだ。米朝融和が進めば、安倍政権が目指す憲法9条改正を阻止できるとの思惑もある。「日本の論調をみると懐疑論、否定論、悲観論が強いが、歴史的会談の持つ意義を見誤ったものだ。粘り強く国際社会が支えていく姿勢が大事だ」。同党の志位委員長は14日の記者会見でこう訴えた。

 日本共産党は昨年の衆議院選挙公約で、北朝鮮問題の解決に向け、米朝に直接対話を呼びかけた。当時は北朝鮮の脅威を国難とする安倍首相の圧力路線が支持を広げ、共産党の北朝鮮問題政策に同調する声は少なかったが、先の米朝首脳会談を受け、党幹部は「われわれの主張通りになった」と胸を張る。米朝首脳合意への評価は割れるが、同党のトランプ氏賞賛は改憲論議をにらんでのものだ。志位氏は11日の党会合で、米朝対話の進展によって「『北朝鮮の脅威』を口実にした改憲策動は根拠を失う」と首相を牽制。今後もこうした訴えを続ける方針だ。(※以上が時事通信社記事) 

 私はこの記事を読んで、「この記事内容は本当なのだろうか?」とまず思った。トランプ氏の外交や今回の「米朝首脳会談」を単純に絶賛だけしているということが、信じられなかったからだ。今回の首脳会談における「北朝鮮の体制保証」の確約など、金王朝の「想像を絶するに余りある人権問題」を放置したままの「体制保証」への懸念などは、人権問題への意識もかなり高いと思われる日本共産党は当然あるものだと思っていた。だから今回の首脳会談の単純な絶賛などはないだろうと思っていた。

 6月17日(日)に日本に一時帰国した。そして17日(日)付の日本共産党機関紙「赤旗・日曜版」を見た。一面から二面にかけて「米朝首脳会談」に関する報道が大きくとりあげられていた。「米朝首脳会談、歴史動く―対立から対話へ」という見出し記事だった。―「非核化」「平和構築」へ転換成功すれば世界は変わる―という見出しの、ジャーナリスト・青木理氏のコメント記事もあった。そして、志位委員長の「歴史的会談・心から歓迎」という談話があった。そこには「北朝鮮の体制保証」「人権問題」等への懸念は一言も述べられていなかった。「米朝首脳会談」絶賛だけの内容だった。これが日本共産党なのかと愕然とした。

 続く6月24日(日)の「赤旗・日曜版」も一面トップから2・3面にかけて「日朝首脳会談」に関する記事だった。「戦争遠ざけた—対話の方向よかった」という見出しの、作家・室井佑月氏のコメント。「歴史に残る第一歩の一日」という見出しの、慶応大学准教授・磯崎敦仁氏の記事。2・3面には同じく磯崎氏の「日本は今こそ能動的交渉を」という見出しの記事があるだけだった。そこにも体制保証や人権問題について懸念する内容はまったくなかった。

 これが日本共産党なのか?はたしてこのような絶賛だけの内容でよいと思っているのだろうか?わたしにはこの党に対する今までのイメージが少し変わらざるを得なかった。私の親しい友人には日本共産党員も多くいるが、共産党員の人達や支持者は今回の「赤旗記事」をどう思っているのだろうか? 党内論議として「賛否両論」はあろうが、外交問題に関する今回の志位委員長の「米朝首脳会談絶賛」だけの会見内容に対する、「なぜ懸念も示さないのか」という党内論議は はたしておきるのだろうか?注目したいところだが‥‥。