この10月21日(月)・22日(火)・23日(水)の3日間、アパート近くの福建師範大学倉山キャンパスの運動場で、福建師範大学付属高校の運動会が開催されていた。人口700万人余りの福建省の省都・福州市の高校の中でも、この高校は偏差値がベスト3に入る(ベスト1は福州第一高校)高校でもある。いわゆるエリート高校だ。
中国の高校も大学も、日本の高校の文化祭や大学の大学祭のようなものはほとんどないが、軍事訓練と運動会は3日間余りもとって実施されている。その運動会は、リレーなどの競技もあるが、なにか、日本の小学校・中学校の体力測定のような競技(走り幅跳びなど)も多い。
そんな福建師範大学付属高校の運動会3日目の23日(水)の昼に、師範大学前にある日本(和食)の店「熊本家」に昼食をとりにアパートから出かけて行った。熊本家のこの日は、師範大学付属高校の生徒でいっぱいだった。いつも座る席に行く時、男子高校生の客の一人が、日本のキリンビール(大瓶)をラッパ飲みしている光景にでくわした。「おお、それ日本のビールだね」と中国語で話しかけると照れていた。私はこの日はサンマ定食を注文。日本人である私に興味をもったらしい、別の生徒が中国語で私に話しかけてもきた。
昼食を食べてアパート方面に帰ろうとした途中、高校生が歩きタバコをしながら、向こうから歩いてきた。タバコを吸いながら仲間の高校生と、「時代遊侠」と看板にかかれた、ネットゲームの店への階段を登って行った。(※中国の小中高・大学の昼休み時間は2時間~2時間半ほどあるので、高校生たちは、自宅まで遠いから学校近くの食堂で食べて、このようにネットゲーム店に入って息抜きする生徒もあるようだ。)
中国の「喫煙」「飲酒」は何歳からできるのかというと‥。はたして‥。法律的な制限はないが正解である。いちおう、中国で市販されているタバコの中には、「禁止中小学生吸烟」(小学・中学生、喫煙禁止)と書かれているものもあるにはあるが、‥‥。まあ、中国でも小中学生がタバコを吸っている光景は、10年間以上の中国生活でも見たことはないが‥。
日本では20歳にならないと「喫煙」も「飲酒」もしてはいけないと、法的に決められている。(※多くの国々は18歳以上だが‥。) そして日本での男性喫煙率は、1966年をピーク(80%以上)として、減少し続け最近ではピーク時の3分の1の30%余りとなっている。年齢的には、40歳~45歳の年齢層が喫煙者のピークとなっている。(※女性の喫煙率は約8%)
私は中学生の13歳の時に初めて喫煙した。福井県越前海岸の漁師村に生まれ育った私だが、大きくなった男とはタバコを吸わなきゃ恥ずかしいという風潮だった地域と時代。高校に入り、実家を離れ武生市(現・越前市)で下宿生活をしたこともあり、タバコは常習の習慣となった。(当時から「ハイライト」という銘柄を喫煙し始めた。町にはまだタバコの自動販売機はない時代なので、タバコ屋のおばあさんに気をつかいながらタバコを買っていた。)
高校では1年に1回くらい突然の抜き打ちで、授業中に喫煙検査が行われた。化学実験の酸性・アルカリ性を調べるリトマス試験紙のようなものを舌で濡らし、喫煙反応を調べる検査だった。私は喫煙が本格化した2年・3年の時は当然に喫煙反応が出た。そして、3年生の時に、高校を卒業したM先輩の家で3~4人で喫煙していてタバコがなくなったので、当時武生の町で一台だけ、国鉄武生駅前にあったタバコの自動販売機にタバコを買いに2年生の中村久夫君と自転車に二人乗りをして買いに行った。学生服姿で夜の11時頃に買いにいったのだが、覆面パトカーに駅前からつけられて、M先輩の家の前でサイレンを鳴らされ補導された。(私は生徒会長だったのだが、当然に学校からは謹慎・停学処分となった。)
高校を卒業して、はれて喫煙・飲酒ができる年齢18歳となった。(当時は、社会的に高校を卒業したら喫煙・飲酒はあたりまえの時代だった。)あれから54年が過ぎていったが、今の喫煙数は1日に20本入り箱で4箱~5箱(80本~100本)。中国に赴任してから喫煙本数は激増もした。72歳のこの年で、すごいヘビースモーカーだが、これまでの54年間でタバコを買うのに使ったお金を計算したら、約6500万円余りとなった。現在も、大学からの給料の4分の1はタバコ代に消える。こんなことを思うと、喫煙の習慣はないにこしたことはないとも思う。ただ、飲酒ができる、タバコが吸えるというのは私の健康の証(あかし)かとも思っている。
ちなみに喫煙者が多い都道府県はというと、北海道・青森県・福島県・茨城県・栃木県・山梨県・福井県・三重県・長崎県となっている。また、世界の喫煙率ランキング(男女合わせての成人人口での)は、2位ミャンマー(44.1%)、19位フランス(33.4%)、44位中国(25.6%)、66位アメリカ(23.0%)、81位韓国(20.8%)、89位日本(20.1%)などとなっている。
■飲酒・喫煙ができる年齢(法律的に)—ほとんどの国々は喫煙も飲酒も18歳以上となっている。アメリカは、飲酒21歳以上、喫煙18歳以上。日本は飲酒も喫煙も20歳以上。この二か国は世界の例外的な国。(※また、イスラム教国のサウジアラビアとアラブ首長国連邦などの国では、法律的に飲酒は禁止されている。)
では中国はどうなのかというと、中国では未成年者(18歳以下)へのお酒・タバコを販売(酒店・タバコ店)は禁止されているが、法律的には飲酒・喫煙に関する明確な年齢制限は規定されていない。
2013年に初めて中国の大学に赴任して、私が勤める大学の学生たちに、「中国では何歳からタバコを吸ってもいいのですか?何歳から酒を飲んでもいいのですか?」と聞くと、「特に何歳からでもいいです。きまりはありません。」との答えが返ってきていた。
中国で暮らして12年目に入っている。中国の男性の喫煙率は50%~60%をはるかに超えていると思う。町中の歩きタバコとポイ捨てが当たり前の国だ。ただ、女性の喫煙率はとても低く1%くらいかと思われる。かって1960年ころの日本が、「女がタバコを吸うのは不良女」とみられていた時代と同じように、最近までは(2015年頃まで)、タバコを吸う女性は不良という社会風潮が強くあった中国社会でもある。(※世界のタバコ生産量の約40%を中国が占めている。)