彦四郎の中国生活

中国滞在記

東アジアは❸北「親米化」示す可能性は?何がなんでもお見合いして、結納をかわして‥?

2018-06-09 09:31:11 | 滞在記

◆インターネット配信で、6月6日の「日テレNEWS24―深層NEWS  ここにフォーカス」を見た。12日に迫った米朝首脳会談で、北朝鮮の金委員長が示す可能性がある「親米化」という方針転換の可能性と、米朝会談の本質について、寺島実氏(日本総合研究所会長)と辺真一氏(コリア・レポート編集長)が語っていた。とても参考になる報道番組だった。

 このニュース番組をコンパクトに紹介したい。ニュースのテーマは「北・親米化を示す可能性は?」となっていた。

 辺真一:「トランプ大統領が来れば、おそらく平壌空港から市内まで2000年の金大中(韓国)大統領が訪韓した時のように、数十万人の群衆が『WELCOME  PRESIDENT TRUMP!』、さらには『米朝友好』という横断幕を掲げてやると思う。これに多分、トランプ大統領は参ってしまうと思う」

  寺島実:「平壌訪問だとか、北朝鮮の親米化というところまで北朝鮮が本気に向かおうとする要因があるとすれば、それは"中国の呪縛"から、アメリカというところに親米化することによってブリッジを作ろうと。つまり、体制を保証させて、アメリカとアクセスして経済協力も、できれば日本を含むところから引き寄せてというところから、というシナリオの中に、何がポイントかというと、中国の呪縛というのが金正恩の頭の中の6・7割を占めていると思いますよ」

 近野キャスター:「中国との関係を多少冷却させてでも、アメリカとの関係を改善することで次の展望を開こうとしてくる可能性がある?」

 寺島実:「さらにそこにロシアっていうカードを加えることによって、ゲームを複雑化してくる」

 辺真一:「現実問題としてこれまで、中朝友好だ何だかんだ言ってますけど、北朝鮮の状況は全く好転しなかった。結局、北朝鮮にとって中国を選ぶか、アメリカを選ぶかというと、やはりアメリカなんですね。アメリカが北朝鮮の全てを握っているという意味では、今回、何が何でもお見合いをして、結納をかわして結婚したいというのが金委員長のトランプ大統領へのラブコールの本質じゃないかと思いますよ」

 

 

 

 

 

 

 


東アジアは「民主・人権の問題」が激しくぶつかり合地域❷中国と北朝・韓国の関係変化も

2018-06-09 07:17:54 | 滞在記

◆今回の「米朝首脳会談」の本質の一つは、北朝鮮と韓国が共同して、「中国の強まる圧力・威圧感をいかにかわすのか」、「アメリカと中国という大国の狭間で、バランス関係をとって中国を、そしてアメリカを、朝鮮(コレア)としていかに牽制するか」ということにある。2回にわたる「中朝首脳会談」で、兄弟関係同盟が回復したかにも見える習近平と金正恩との関係だが、「アメリカに対して中国の後ろ盾はとても必要だが、中国の言うがままの隷属的関係は御免だ!という思惑も強い金正恩。他方、韓国は、「アメリカとの距離は今まで以上にとろう。ここ2〜3年の韓国に対する中国のパッシングにもつくづく嫌気もさした。北朝鮮と共同行動をしての米中に対する牽制が必要だ」という思いが見て取れる。

 中国と朝鮮半島の関係の歴史は、これはこれでまた「2000年以上にわたるの宿敵」関係という一面をもつ‥‥。どんなに中朝軍事同盟があり、中朝蜜月を演じたとしても、それはアメリカへの威嚇であって、その威嚇が必要となくなれば、中国は「いざという時の後ろ盾」程度の位置づけになり、中国の存在感や必要性という政治的中国依存は薄れるだろう。また、これは韓国にとっての米韓関係においても同様なことがいえる。つまり、さまざまなスポーツ面での南北合同チーム「コレア」の政治版ともいえる動きが今回の「米朝会談」の舞台裏だ。

 「米朝首脳会談」を前に、急遽アメリカを訪問し、トランプに会った安倍首相。そして、昨日の共同会見では「日本人拉致問題」を米朝首脳会談でも取り上げるというトランプの一言があった。北朝鮮の「核兵器廃棄」のシナリオが遠のいた今、焦点は「朝鮮戦争終結宣言」に移っている。日本にもおすそ分けをという程度の「拉致問題」の議題の一つとしての話題にはなるだろう。そこでトランプは、「拉致している日本人を2〜3人でも解放すれば日本の経済援助が期待できるよ」と金正恩にもちかけるだろう。我々の税金が、「金王朝存続」のための資金に使われるということとなる可能性も。

 この動きに対して、同じ日に、北朝鮮は「イメージに泥塗る狙い」と、拉致問題提起を非難した。

◆政治学者の三浦瑠麗の「リベラリズムとリアリズム」というブログには、最近の「日本人や韓国人が中国やアメリカに対する好感度・親しみ・信頼度」に関する変化調査について述べている。―「韓国の日中に対する好感度が逆転!"日中韓意識調査"からわかったコト」―(2018年6月1日付)を以下紹介する。

 筆者が日中韓で3年ぶりに行った大規模意識調査(N=2000、2017年12月実施インターネット調査)で、韓国では日本を好きだと答えた人々が39.3%と10ポイント以上も上がり、中国を好きだと答えた人は10ポイント近く減って30.8%にとどまった。3年前に比べると、日中の好感度が逆転した形で、日中韓の対米感情は総じて良いのが特徴的だ。

 日本人は米国への好感度(73.3%)が目立つ一方、中国(11.1%)、韓国(22.9%)、ロシア(23.8%)への好感度が低く、とりわけ中国への悪感情は際立っている(60.4%)。この傾向は安定しており、日本人の対中感情が好転する見通しはしばらくはない。東アジアで隣り合う日中韓3か国は、互いにマイナスイメージが強く、米国だけがこの地域で好感度の点において独り勝ちをしている状況は変わらなかった。

 同盟関係についてもさまざまに調査したが、やはり日韓を比較したときに際立つのは、韓国の同盟(米韓)に対する感情だ。上図のグラフにあるように、米国は同盟国あるいは友好国だと考える人も多いが、同盟国とも友好国とも考えていない人が36.9%もいるのだ。

◆―非核化実現に懐疑的=正恩氏「信頼できない」大多数―日米調査―「時事通信社」2018・6・8配信より

 日本の民間団体「言論NPO」は8日、日米で実施した北朝鮮の非核化に関する世論調査結果を発表し、12日の米朝首脳会談が非核化への成果につながらないと回答した人が、日本は52.2%となり、決定的な成果を期待できると答えた人の6.2%を大幅に上回った。米国では、「成果につながらない」との回答は35.9%。「成果を期待できる」は21.8%と、日本を上回った。‥‥‥。北朝鮮の金正恩委員長への平和への意志を信頼できるかという問いに対し、「信頼できない」「どちらかといえば信頼できない」が、日本は66.2%、米国は72.1%と多数だった。非核化が進展すれば誰の功績かという問いに、米国はトランプ大統領が62.9%となっている。