彦四郎の中国生活

中国滞在記

携帯スマホがない中国での生活が困難になった。もう限界だったのでスマホを買うことに❶

2018-06-12 23:40:16 | 滞在記

  6月に入って5月1カ月間のような40度近い日々の、ものすごい暑さと湿気は和らいでいる。梅雨時期の少雨が降ったりする季節だからだ。しかし、気温はけっこう高く、最高気温はほぼ毎日35度はある。大学構内は、黄色い花やハイビスカス、グラジオラスによく似た赤い花などの初夏の花が見られる。

 構内の水辺には、少しある蓮の花が開花し始めた。バナナの花が開花した後に、実が少しずつ育ち始めていた。はんばじゃないくらいとても蒸し暑い福州、一日に最低2回はシャワーを浴びるので、洗濯物の量もとても多くなった。外にでることそのものが辛い日々でもある。これが10月いっぱいまで続く。

 中国で2013年9月から生活し始めて5年間が終ろうとしている。中国社会の変化はものすごく速いと感じる。そのうちの一つに「スマホ型携帯電話」のアプリ(「支付宝」など)を使っての現金支払いシステムが2016年より急速に普及したことがある。そのシステムを利用している人口は現在8億人を超えると言われる。おそらく15才以上の中国人の8割以上が現金支払いシステムを利用しているようだ。

 買い物をするあらゆる場所で、現金を支払う人はとても珍しい光景となっている。ほとんどの人は、現金というものを持ち歩くことがなくなった。バスでも電車でも、そして新幹線や飛行機、ホテルの予約から、あらゆる買い物場所で(小さな露店の屋台でも)、そして、アパート代金や電気代、水道代の支払いも、このスマホ携帯を利用して支払っているのが中国社会だ。中国にあふれる「レンタル自転車」(1元)も、タクシーをつかまえるのも なにからなにまで このスマホシステムが使われる。スマホなしの中国での生活を2年間あまり頑張ったが、もう限界だった。中国語もできず、スマホもない、6カ月間が猛烈な暑さと湿気の夏という、「三重苦」のなかで、この中国で よう生活しているなという感じである。

 しかし、これももう限界を強く感じる出来事があった。今までこの2年間余りアパートを借りていた、アパート近くの「不動産店」が5月中旬ころに突然消えてしまった。店から何の連絡もないまま、5月末日に突然に店長から、「6月のアパート代金を払ってくれ」というメールが入った。「携帯電話からの支払いシステムを利用して払え」という意味のメールだ。今まで、店に行き直接に支払っていたのだが、困ってしまった。支払いが遅れると、アパートからの突然に立ち退きを要求しかねない「親切のカケラ」もない人だからだ。とりあえず、大学の職員の助けを借りてしばらくは、支払うこととなった。「いつ電気を止められるか、いつ水道を止められるか」など、生活の不安はずっと続く、中国での生活に、つくづく疲れ切ることも多い。

 6月9日(土)の午後3時半に、2回生の学生たち3人と市内の繁華街で待ち合わせをした。彼女たちの助けを借りて、「携帯電話ショップ」にこの日行くこととなった。携帯電話市場や機種などについての知識は全くないので、一応の希望を伝えて、あとは学生たちに携帯電話(スマホ)購入を任せた。1時間半ほどで、携帯電話の購入が終わった。時刻は5時を過ぎていた。

 市内の中心にある人民広場にあたる「五一広場」の近くにある日本料理店「古都」に6時ころ行き、学生たちとビールで乾杯した。彼女たちに「日本料理」というものを初めて経験してもらった。(上記の写真右端は、学生のスマホに保存してある写真。小学生の弟と学生本人。)午後8時頃に散会する。学生たちはバスに乗って1時間半ほどをかけて大学に戻った。翌朝、新しく買ったスマホ携帯電話に「私たちは無事に大学に着きました」という昨夜のメールが入っていたことに気が付いた。新しい携帯電話の値段は2600元(約47000円)ほどした。やむおえぬ出費。

 新しい携帯電話(スマホ)は買うことができたが、すぐに「支付宝(シーフーバオ)」のアプリを利用して、支払いをすることはまだできない。お金を預けている銀行(中国工商銀行)に行って、電話番号の変更手続きをする必要があるからだ。2013年9月にこの銀行でカードを作った際に届け出た携帯電話の番号と、2015年10月以降使っている携帯電話番号が違うからだ。(※中国では、3カ月間携帯電話を使用しないと、その番号は使えなくなるので、新しく番号を申請しなければならない。)これも一人で「変更手続き」に言葉の壁で行けないので、学生か中国人同僚の手助けが必要となる。その変更手続きが終わって、学生に「支付宝」の操作方法を教えてもらって、初めて「スマホでの支払い」が可能となる。私にとってはとても長い道のりとなる。