祇園祭(後祭)の山鉾巡行の最後尾「大船鉾」が、四条河原町を曲がり(辻回し) 四条通りを西に向かって進んで行った後に、総勢1000人あまりの「花笠巡行」が 八坂神社に向かって戻って来た。「花笠巡行」は いつ見ても華麗で美しいので楽しめる。
この日の京都市内も暑かった。この日は大事な行事があった。息子が10月16日に結婚することになった。相手方(娘さん)の御両親と初めて会って 挨拶をかわす日であった。約束の場所と時間は「祇園の『花咲』で12時半」。
暑いので南座(歌舞伎)にほど近い茶店の喫茶室に入り、凉をとる。この喫茶店の庭の方に「喫煙可能な小さなテーブル席」が2つあった。なかなかいい場所を見つけたと思った。小さな庭と木、そして建物の配置が絶妙ですばらしい空間だ。「これぞ京都の一つ!」という空間だった。
八坂神社近くの「花見小路」界隈にある、「花咲」に向かう。海外からの観光客も とても多いエリア。中国からの観光客も 町並みを観光していた。最近、中国からの観光客は、「日本の自然や文化」を知る・体験するということに観光の目的が変わってきているように思える。「店の暖簾(のれん)」をくぐる場面を何回も写真撮影してもらい、最もいい写真を求める中国女性の様子も見られた。
息子の結婚相手の親御さん(両親)、息子と娘さん、そして 私と妻の6人が 一堂に会して 挨拶を交わした。「これから、どうぞよろしくお願い致します。」乾杯をしながら会食。相手方の家は、京都市内の北にある「岩倉」で、14代以上続く旧家の伝統を引き継ぐ家とのことだった。8月22日に「結納」の式をとりおこなうこととなった。
午後2時頃に「会」が終わってから、八坂神社に行ってみた。着物や浴衣を着た外国人観光客が多くみられる。日本人と中国人は ほぼ顔が似ているので みわけが付きにくいが、「眼鏡や髪型、化粧の仕方」などによって ほぼ 日本人か 中国系の人かが 瞬時にわかるようになった。この夏の京都は、日本人より外国人の着物姿の方が多いように思える。午後3時頃に、祇園界隈を後にして、自宅に戻って 眠ることにした。
午後7時頃に自宅で目覚めて、後祭の「還幸祭」を一人で見に行くために自宅近くでバスに乗る。時刻より2〜3分早く到着したバスの運転手の「毎度 御乗車ありがとうございます。このバスは少し早く当地に到着していますので、少々 出発待ちを致します。」とのアナウンス。「時刻表のバス時刻まで待つ」というこの様子に、中国とまったくちがう 乗客に対する諸配慮というものに改めて 感嘆する。
祇園に8時頃に着く。お腹が空いたので「一銭洋食」の店に入って食べた後、八坂神社に向かう。「還幸祭」は午後8時ころから始まると思っていたが、近くの煙草屋のおじさんに聞くと午後10時ころらしい。
待つこと1時間半あまり。浴衣姿で男に寄り添う女性と浴衣姿の男性のカップルの姿がとても美しかった。日本人という民族は、着物や浴衣がとても似合っている、美しく見えるとつくづく感じる。特に「浴衣」はあらゆる民族の人が着ても よく似合って美しいから不思議だ。
午後10時ころ、3基の「神輿(みこし)」が 祇園祭の本社である「八坂神社」に戻ってきた。7月1日から始まった「祇園祭」は、あと1週間後の7月31日に 今年も終わる。