「今年の冬は例年よりもとても長いですわ」と福建省の中国人たちは言う。例年なら2月中旬ともなれば春の陽気となるが、確かに今年は3月下旬でもまだ寒い。そんな中国福建省だが、先週の3月26日・27日の最高気温は36℃の猛暑日。そして、翌日の28日や29日・30日は寒風の中、ホカホカカイロやマフラーの13℃(最低気温7℃)へと急降下。そして、今日31日からの今週は最高気温が27℃から32℃へと変化するとの予報。昨今、中国も気候が変調しているが、春から秋にかけて咲き誇る亜熱帯性気候の花・ブーゲンビリアもようやく福州市内のいたるところで開花が始まっていて美しい。
この季節に咲く、亜熱帯性の黄色い花(名前はわからない)。閩江大学構内のホテル「閩院酒店」の敷地内にも美しい花を満開にさせている今。
それなりの規模の中国の大学では、大学構内にホテルが併設されているのが一般的。それらのホテルには、レストランや宿泊室の他に、学術交流などができる会議室や大ホールなどもある。閩江大学の「閩院酒店」の正面は、福建省の別称「閩(びん)」の伝統的な建物のデザインがとられている。
3月下旬、日本の京都よりも3~4週間早くツツジが開花し始めている。かと思えば、大学構内の広葉樹のある種類の大木は、この時期に黄色く紅葉した木々の葉が落葉し、秋のような景色も出現するので、日本のような季節感がもちにくい。
3月24日(月)、この日は午後に「特別講座」(3回生)の授業を行う。大学からアパートに戻る途中の🚌バスに、午後5時ころ、授業を終えた職業系の高校生(※中国の高校生の50%を占める。4年制大学への受験は閉ざされている。)たちがたくさん乗り込んできた。この10年間の間で、中国の高校生たちのようすも変わってきている。10年ほど前の高校生たちは、まあ、バスの中での礼節があり、高齢者には席を譲るなどの光景も普通だった。
しかし、今は、そんな光景を見かけるのは珍しい。この日、バスに乗り込んできた女子高校生の二人は、ソフトクリームを食べていたり、50センチ余りの竹串にたくさんさされている揚げ物を車内で食べてもいた。手を握り合って座っている高校生カップルの姿も。
アパートから最も近い福建師範大学前バス停で下車。路上には「お金を請う」ルンペンさんの姿も。最近の乞食のルンペンは、携帯電話(スマホ)のバーコードを使っての電子決済システムでお金を請う人が一般的だが、この日のこの人は、そのシステムはなかった。直接、現金を請うていた。多くの人々は電子決済で店での支払いをすます中国の現在、現金を持ち歩いて生活している人は少ないので、お金を恵む人の姿は皆無。私は常に現金も持ち歩いているので、長時間ひたすら頭を下げ続けている乞食の人の大変さを思い、5元札(約100円)を入れた。
アパート団地近くの交差点付近で、卵を売っている路上の男性の姿も。様々な生活階層の人がたちが、あらわに(赤裸々に)見られる中国社会の人々の暮らし。みんな生きるためにさまざまな生業をしている。
今年の中国の「清明節(せいめいせつ)」(※日本のお盆のように、墓参りなどに行く日で祝祭日となる。)は4月4日(金)。この日には、草餅を食べる伝統的習わしがある。パン屋さんなどの店先には、この草餅販売の看板が置かれていた。先日、閩江大学卒業生の王さんから、「これ自分の実家で作った草餅です」と、4個を渡された。食べてみたら、とても美味しかった。(中に餡が入っているものや餡なしの2種類) 3月下旬となり、町中の露店ではパイナップルも売られ始めたので、1個買って食べた。(1個8元〜15元)[約160円~300円]
4月4日(金)の「清明節」祭日も利用して、日本に一時帰国することにした。(昨日の3月30日に帰国。4月9日に中国に戻る予定。) 日本の京都も桜の季節を迎える。孫たちの中国土産に二つを買って帰った。