彦四郎の中国生活

中国滞在記

698万人の合格枠に939万人が受験―中国全国大学統一入試(高考)

2014-06-23 10:31:07 | 滞在記

  福州はまだ梅雨が開けていないいないのかもしれない。35度の真夏日もあれば雨の続く日も。真夏日が3日間続いた1週間前、大学構内を歩いていると、蝉(セミ)のジ-ジ-ジ-の鳴き声がする。やっぱり梅雨が開けたのだと思ったら、翌日からほぼ連日の雨。セミもふ化するのが少し早すぎたようだ。その後、セミの鳴き声は聞かれない。雨の日でも非常に蒸し暑く、一日に何度も着替えたり、体の汗を拭う日々。乾きにくい洗濯物を、通勤途中のバスの中で風に晒して干すこともあった。

 大雨が降り続く日もあった。市内の道路が浅い川となってしまう場所が多く見られる。
 日本の安倍政権に対する批判の記事やニュース番組は、最近はそう強くはないものの相変わらず続いている。韓国や北朝鮮、ロシアに対する批判は、ほとんど見られないが、最近ではベトナムやフィリピンに対する領土・領海問題を取り上げることも多い。
 国家主席の習近平のサッカー好きは有名だが、中国でも「サッカーWカップ」への関心は高い。中国時間の深夜12時すぎから朝5時までの試合は、実況中継されている。「サッカーWカップ中毒症状で、病院に来院する患者が激増。」とニュース番組が報じていた。深夜観戦の増加による体調不良につけられた病名らしい。

 中国の全国大学統一入学試験(高考)が、去る6月7日・8日(一部地域は9日も)に行われた。日本のセンター試験に似ているところもあるが、中国の大学入試の機会はこれ一発だけである。大学ごと、専攻ごとの大学入試はない。今年度の受験者数は、約939万人。(日本のセンター試験受験者は約50万人)  中国全国2000あまりある大学の合格者枠は、約698万人。74%の合格率となる。不合格者は約250万人(26%)。中国では、大学受験浪人の存在は認められていないので、高校卒業を1年間留年して大学受験に臨む高校生もいる。ちなみに、高校に進学する時に「普通高校」と「職業系高校」に分岐され、「普通高校」の卒業予定者だけ大学入学試験を受験できる。そして、中国以外の大学(留学)を目指す高校生が約25万人ある。今年の大学進学率は、留学生もあわせて約25%あまりと予想されている。約250万人の不合格者は、専門学校などに行ったり就職を探すこととなるので、非常に厳しい現実があるようだ。
 従って、大学入試は世界的にも激烈な受験勉強が求められるようだ。基本的にほとんど大学受験の塾や予備校はない。高校では、朝の早朝から夜11時ころまで、日曜日も夏休みも受験勉強をする日々が続く。高校2年までに、ほぼ授業内容が終了し、高校3年の1年間は目指す大学を目標に受験勉強漬けとなる。試験科目は、①国語②数学➂英語④選択科目の4科目。選択科目とは、大学の理系を受験する場合は「物理・化学・生物地学」から1科目選択、大学の文系を受験する場合は、「政治経済・歴史・地理」から1科目選択する。
 近年、東京大学と慶応大学が行った「日中大学の受験者学力比較」の合同調査によると、格段に中国の受験生の方が問題の正答率がかなり高いという結果だった。その原因の一つは、中国の大学生は全員数学を受験するため、数学の正答率に大きな開きがあるためであるという。
 今年度の大学合格者枠約698万人のうち、本科(4年生大学又は4年生学科専攻)に合格できるのは、約半数の350万人。専科(3年生大学又は3年生学科専攻)の合格者が約半数の350万人。4年生の大学に入学できる合格率は、約939万人のうち、約37%となる。「死なない限り、死を覚悟するほど勉強」というスローガンを掲げている高校もある。
 6月7・8日に試験を終えた学生とその家族は、まず4科目(750点合計満点)のうち、どれくらいの点数がとれたのかを計算する。(試験の2日後に、インターネットで問題と解答が公表される)  そして、1週間内に志望の大学・専攻を教育委員会に登録する。第一希望○○大学△学部□学科。第二希望---。第三希望----。第四希望----。第五希望は、専門学校名を書く。各省により試験問題が違うのだという。試験問題の作成者は、試験作成から試験終了日まで、家族を含め外部の人間との接触を断ち切られる日々を過ごすことになるようだ。大学入学の合否及び入学する大学と専攻の結果についての連絡は、6月下旬から7月上旬にかけて行われる。
 中国の大学は、約2000。大学は完全なピラミッド型の偏差値が敷かれている。北京大学を頂点として、清華大学・上海復旦大学・上海交通大学が4天王。国家重点大学が112校ある。この112校が超一流大学である。福建省には、92の大学があり、そのうちこの福州市には20余りの大学がある。福建省では、厦門(アモイ)大学と福州大学が、この重点校になっている。私が勤務する閩江大学は、この福州市内の大学での序列は5番目ぐらいか。(①福州大学②福建医科大学➂福建師範大学④福建中医(薬学)大学⑤閩江大学⑥-------⑦--------。)福建省内全体では10番目以内には入るのだろうか。日本語学科に入って来た学生の約半数ぐらいは、第一希望ではなかったようだ。
 今年の9月。また新入生が入ってくる。どんな思いで入学してくるのだろう。「やった!希望の大学の専攻だ。」と思う学生、「予想外と挫折感をひきずりながらの学生。」これらは、日本の学生の大学選択の難しさの比ではないだろうな。このような様々な学生たちの学ぶ意欲の差の現実をもちながら、この9月から新1年生の授業も担当する予定だ。

 ※今年度の大学入学試験の不正に関するテレビニュースが伝えられていた。「河南省で127人が不正入試で逮捕。」など、全国的に不正入試の問題が起きているようだ。不正の内容としては、「不正入試専門業者」が存在し介在しているケースが多い。その手口は、業者が受験監督官を買収し、大学生などを使った「替え玉」受験をさせるものが最も多い。摘発されると大学生は退学処分となるのだが----。受験生は、3年間受験できなくなる。また、超超小型カメラを、いろいろなものに仕組み、映像を他者に送って、解答を聞くケースも多い。その機器はまるで007の世界のようだ。
 ※新聞に、「10才の天才児童が大学受験。」とある。中国では、小学生の高学年でも「特別に成績優秀な子」は大学受験ができるようだ。驚き。
 
 





 

第十回中国人の日本語作文コンクール―学生の応募作文「公共マナーと中国人」より―、宮崎駿のこと     

2014-06-19 07:15:25 | 滞在記
 
 中国では今、約100万人が日本語を学んでいる。1972年の「日中国交正常化」後で最悪と言われている状況が、ここ2年近く続いている。しかし、中国の人々(特に若者)の日本への興味と関心まで冷え込んでいるわけではないように思う。
 中国で日本語を学習している留学未経験の学生を対象にした「中国人の日本語作文コンクール」(日本華報社内・日中交流研究所主催:日本国外務省・朝日新聞・日中友好協会など後援)で、昨年度は応募数の減少が懸念されたが、最終的には2938本が寄せられ、例年と変わらない盛況だった。またまだ「日本語学習熱」は、冷めてはいない。今の18歳から22歳にあたる中国の大学生は、1900年代の初めに生まれ、2000年代初めの頃に少年・少女時代を過ごした年代だが、アニメーションをはじめとして日本の影響を非常に強く受けながら育った年代でもある。こうした若者の層は、両国の将来に頼もしい存在になるように思える。
 今年度、第10回を迎えるコンクールのテーマは①「公共マナーと中国人」(国際社会で活躍する中国人に求められる公共マナーとは)、②「ACGと私」(なぜ中国の若者が日本のアニメ・漫画・ゲームに魅かれるのか)の二つである。例年、200あまりの大学の学生から応募があるようだ。今年度、私が勤める大学の学生から、「応募提出前に添削をお願いしたい。」との依頼があった。その一つを紹介する。


              「今の中国の人々の良さを持ちながら」―公共マナーについて考える―      閩江大学外国語学部日本語学科 3年

 中国に生まれ育って、身の回りの人々の様子に慣れているから、マナーについても普通のことだと思っていた。例えば、スーパーや便利店などの店員の客に対する対応がよくない問題。「無表情で威張っているような顔」をしている。そういうことが確かにあるのだが、日本社会のマナーや礼儀を知る前には、それが問題があるとは全然気がついていなかった。「井の中の蛙」のように、外の世界を知らず、「中国人はどのように世界の人々から見られているのか。」ということなど全然知らなかった。
 大学での「日本語学習」をきっかけに、中日両国のマナーにおける対比をしたら、中国人の悪いマナーが「ぎらぎらと目立っている」と思わざるをえなくなってきた。路上でつばや痰を吐く人の多い問題やゴミをポイと気軽に捨ててしまう問題など-----。
 私は、今では「つばや痰を吐く」のを見ると、気持ち悪くてたまらない。元々、痰を吐く人は、テッシュペーパーなども持っていなくて、気軽に道路に痰を吐いてしまうことが多い。実際、室内でも変わらないことを見た時、本当にわけがわからなくなったこともある。私の家は、福建省の小さな町にあり、父と兄が自動車の販売店をしている。展示室まで車を見に来る人が、直接タイルの上に痰を吐いて、それから靴で拭う。そういうことを何回も見たことがある。痰を吐いても平気な顔をしている。その行為を指摘されても、「問題ないよ。」と笑いながら大声で答えている。「なぜ、見ている人が気持ち悪がるとか、恥ずかしい」と思わないのだろうか。
 中国に住む外国人が感じるマナーの問題のもう一つは、「街にゴミが多いこと」かも知れない。中国の社会では、自分の要らないものを、どこにでもいつでもすぐに捨てる人が多い。ゴミ箱まで運ぶよりも、それはとても便利なのだろう。ゴミを分類して捨てるなど、手のかかることなどは更に思いつかない。道端に分類ゴミ箱があっても、どんなゴミが回収できるのか、どんなゴミは回収できないのか、みんな詳しく知らない。私も時々、使ったテッシュペーパーを回収箱に入れてしまうことがある。
 他人の目を気にせず「公共マナー」が悪い面も、すべて「中国人は自己中心性が強い」からと言われている。しかし、公共バスなどで「年配の人や小さい子ども連れの人に、すぐ席を譲る」など、他人を思いやる良い面もある。いったい、私たち中国人とはどのような国民なのだろう。そのような良い面を持ちながら、なぜ「公共マナー」の問題を多く持っているのだろうか。
 そんなことを考えていると、あることが思い出された。小学生の時、父は毎日午後、自動車で私を学校に送ってくれた。その時、父がいつも自動車を2分ぐらい押して、マンションの庭から外の道路に出し、エンジンを始動させる。そんなある日、私はそのことがわからなくて父に聞いた。「どうして?面倒じゃないの?」。父は「手数がかかることより、音をたてて隣の人の邪魔をしたくない。」と答えた。それを聞いて私は、父の優しい思いやりの心が伝わってきて、とても心が温かくなった。この出来事から私は、他人の身の上や立場になって親身に考える事の大切さを知った。私も、ちょっとした気遣いで人を思いやれる人間になりたいと思った。
 ゴミをどこにでも捨てるマナーも、つばや痰を吐くマナーも、交通ルールーを守らないことも、人々の自己中心性がもたらしていることだといっても過言ではないかもしれない。しかし、一人一人の中国人は、自己中心な面ばかりでなく他人への思いやりもたくさんもつていると思う。「公共マナー」を良くしていくには、教育や宣伝などを通じて年月はかかるかも知れないが、今の中国の人々の良さを持ちながら、「公共マナー」も良くなっていったら私は嬉しい。


 中国で、「尊敬する日本人は誰ですか。」と聞かれたら、スタジオ・ジブリの宮崎駿監督と答える人がかなり多いのではないだろうか。半年ほど前に中国のテレビを見ていたら「日本のアニメーション界の巨匠、宮崎駿。映画作りから引退宣言。」というニュースが放映されていた。また、中国の有名な週刊誌などにも「宮崎駿の特集」が組まれたりもしている。
 学生たちに聞くと、「彼の作る作品は、人間の人生・生き方・ストーリーを強く感じる。映像がとても美しい。」と絶賛する。多くの学生が、インターネット放映を通じて宮崎駿の作品のほとんどを見ている学生が多い。おそらく、日本人の学生よりも多く見ていると思われる。
 













6月の日曜日―子どもとの中国語の会話、いろいろな光景、サッカー日本初戦のこと―など

2014-06-16 08:04:06 | 滞在記

 南方の広東省方面に台風が近づいている影響で、今日は中雨。明日は大雨の予報。久しぶりに少し涼しい。昨日の日曜日、朝は宿舎の近くをいつもの散歩。週末の露店市にも行く。小鳥を売っている露店の人の孫たちが姉弟で遊んでいる。少し高い所から飛び降りる遊びを繰り返している。彼らの写真を撮りながら、写真を見せてあげる。写真を見ると「ケタケタ」笑い、もう一度飛び降りる。子供達との中国語会話は、気が楽で楽しい。そのうち、弟が姉を後ろから「突き飛ばし」をしたため、それを見ていたおじいちゃんが、弟をきつく叱っていた。ジャスミンの鉢植えを30元で買った。

 宿舎から、露店市までの行き帰りにはいろいろな光景に出会える。スイカ売り、美しい模様の描ける定規売り、路上での賭けトランプ、風船売り。

 少しの野菜を売っている女性、赤ん坊を籠に入れているお母さん、宝くじのような売り場に集まる人々、貝を採る人たち。

 太極拳やバトミントンを楽しむ人々。このバトミントンは、中国のスポーツで最も多くの人々が日々楽しむスポーツだと思う。

 パパイヤの果実が少し大きくなり始めた。川では釣りをする人がいる。釣りの様子を眺めていると、川の中には10匹あまりの「大きなナマズ(体長50CMあまり)」。釣糸の先にエサはなく、船の碇(いかり)のような形の釣り針だけで吊り上げようとしている。何度か吊り上げそうになったが、失敗。「アイヤ!」という叫び声を発している。日本語の「アア-!」だ。近くでは、釣り人の娘たちが二人で遊んでいた。音楽体操・ダンスを楽しむ人々たちも。
 宿舎のある大学前のバス停留所には、スコップを持ってバスを待つ10人あまりの女性たちの姿も。

 昨日のサッカーWカップ「日本×コートジボワール」の試合を見ることができなかった。いや、最後の後半35分からみることができた。宿舎のテレビが旧式なため、中国のテレビで放映しているチャンネルを見ることができず、インターネットで試合経過の文字速報だけ見ていた。前半は苦しいながらも1対0で優位にたっていた。急いでパスに乗り、日本料理店へ向かう。まだ、開店していなかった。中に入らせてもらい、テレビをつけてみたら1対2で逆転されているではないか。試合はもう後半35分。
 その日の中国のインターネットでは、「日本1 对 2 科特迪瓦 本田爆射」と表示されていた。

 




大学の後期授業が終了し、試験期間にもうすぐ入る

2014-06-15 05:17:38 | 滞在記

 大学全体の2学期(後期授業)の授業は、6月19日(木)で終了する。そして、6月20日から7月4日までの2週間が試験期間となる。
 私の後期担当授業は、今週の木曜日(12日)の3年授業をもつて終了した。約10カ月間の大学での授業の終了日だった。この日、来年度(9月から)の担当授業の相談・依頼を日本語主任や外国籍教員担当者から受けた。「日本事情」の講義や「討論」の授業なども担当してほしいとの依頼だった。毎月の給料は、中国人教員の2倍以上の高額を提示された。1年間の「授業」を評価してもらえたのは嬉しいが、授業時間はかなり増えそうだ--。

 3年の授業終了後、学生達と夕食を食べた。夕食後、研究室の建物に戻る途中に犬を見かけた。大学内だけでなく、中国は野良犬の存在が非常に多い国だ。特に、大学構内は自然や食べ物(残飯)などが多く、犬たちにとって格好の生活空間のようだ。測量実習に取り組む工学部の学生の姿も。

 研究室のある建物近くのクリークに群生する蓮の花もようやく開花し始めている。山々の方は久しぶりの夕焼け。

 研究室で夜9時すぎまで仕事をし、大学の北門(バス停留所)まで、歩いて20分。北門近くで、学生たちが、「慰霊のための熱気球?」を夜空に舞い上げている。満月と熱気球のコントラストが美しい一瞬だった。そして、市内のアパートに戻るための10時発最終バスに乗る。

 夜の10時を過ぎると、市内の渋滞もなくなる。10時半、バスの乗り換えの停留所で下車。しかし、この時間になる乗り換えのバスはもう運行していないので、タクシーを利用する。何台かのタクシーと値段交渉をするが、高額の値段をふっかけてくるので「不要(ブーヨウ)」とすべて断る。この日は、オートバイクタクシーに乗車することにした。この日のバイクは、アパートまでの20以上の赤信号をすべて無視して、「高速・車間すりぬけ」で走行。バイク好きの私も恐怖を覚えた。20元を払わなければならなかったが、「細かな金が19元しか無い。」というと、なぜか18元(270円)にまけてくれた。気のいい運転手だった。
 翌日は、授業がないので午後出勤。のんびりと市内バスに乗る。夏用の衣服をまとった学生たちの姿があでやかな季節となってきている。







2年の学生達がアパートにやってきた―梅雨開けかな―中国古典文学四大名著—メジロ

2014-06-13 09:01:48 | 滞在記

 今の福州は満月。昨日の夜11時から2時間ほど、宿舎の一帯は停電となったが、部屋には月の明りがさしこんできていた。満月を見ると日本がとても恋しくなる。

 ここ3~4日間、晴天が続いている。梅雨があけたのだろうか。朝夕はまだ涼しいが、日中は30度以上の真夏日。宿舎の近くにある市民プールには、朝6時頃から泳ぎに来る人も多い。学生達の日傘が目立つようにもなった。近くの公園には、福州では珍しいアジサイを見つけた。亜熱帯の樹木「インドそけい」の白い花も開花していた。甘くうっとりするような香りを放っている。

 先週の日曜日の10時ころから、2年生の学生5人がアパートにやってきた。さっそく、近くで開かれている露店市に一緒に行った。以前から、一人暮らしの「侘しさ・さみしさ」もあり、犬が鳥か栗鼠(りす)かウサギを飼いたいと思っていたので、露店の「鳥屋」でメジロ(小鳥)を1羽と鳥籠やエサを、学生達と一緒に買った。鳥籠100元(1500円、メジロ35元(525円)。学生たちは、たくさんの食材を買ってきていて、何種類もの中国料理を上手に作ってくれた。3時ころアパートをでて、「茶亭公園への蓮見」。夕方から日本料理の店に行った。学生達は、「日本料理店」が初めての経験だった。

 学生達といろいろなことを話しながら、酒を飲む。2年生の授業は担当していないのだが、2月中旬から始まった「2年生の日本語コーナー」という例会に、月に1回~2回ほど参加しているので、顔見知りも多くなってきている。この日来た李君は、よく日本のことを勉強していて、「源氏物語」などの文学にも詳しい。日本への留学も考えているようだ。盛んにいろいろな質問をしてくる。その話の一つに、「中国古典文学四大名著」について話してくれた。「西遊記・三国演義(三国志)・水滸伝・紅楼夢」の4冊。これらの文学は、中国の小・中学校の教科書にもでてくるので、中国人ならだれもが知っている物語だという。日本人も「西遊記・水滸伝・三国志」の3冊を知っている人は多いかと思うが、私は「紅楼夢」は知らなかった。彼によれば、日本の「源氏物語」に匹敵するのが、中国の「紅楼夢」だという。

 そこで翌日、さっそく市内の大型書店に行って、「紅楼夢」を探してみた。書店の一番最初の「新刊コーナー」には、日本の渡辺淳一の本が何冊か置かれていた。彼の作品は中国でも人気があるらしい。

 夜明けとともに、メジロが元気よく啼き始めた。今日6月13日は、サッカーWカップ開催の日。中国のテレビで「ブラジル×クロアチア」の試合を見ることができた。審判団は日本人。主審の西村さんが後半にクロアチアの反則判定。ブラジルのPKとなった。この反則判定は微妙な判定。試合は、どちらが勝ってもおかしくなかったが、この判定が試合の流れを大きく変えた。ブラジル人は、西村主審に感謝しているだろうな。