彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国の春節と「春運(40日間)」、今年は延べ90億人が移動と発表―観測史上初「亜熱帯の福建省で降雪」―ある婚約式の宴

2024-01-31 09:36:33 | 滞在記

 例年、多くの人が故郷への帰省や国内外への旅行で大移動することで知られる中国の旧正月「春節」。今年は2月10日(土)(9日が大晦日)から17日までの8日間が春節期間となり、この期間を含めた前後40日間あまりは、中国では「春運(春節運行)」期間と呼ばれ、いわゆる民族大移動の観をなす中国。今年の場合だと、1月20日(土)ころから中国の小中高校も大学もすべて冬休みに入り、会社や工場なども休業体制に入るところが多くなる。そして、「春運」が始まってくる。

 8日間の春節期間が終わってから2週間後の2月24日(土)が「元宵節(げんしょうせつ)」となり、翌日の25日(日)から29日(木)頃には「春運」の40日間余りが終わっていく。なんと、40日間余りの期間、中国は「春節」と「元宵節」のムードに包まれることになる。(※2月19日[月]頃から、ぼちぼちと会社や工場も再開されて始める[仕事はじめ]。学校関係は冬休みが終わり、2月28日(水)頃から新学期[後期]が始まってくる。

 1月16日に中国国務院報道弁公室が記者会見を行い、「今年の春運の40日間、中国国内で移動する人は、過去最多の延べ90億人と予測される」と発表した。

 航空機での移動は、コロナ前の1割増の延べ8000万人と発表もされた。この「春運」期間に海外に旅行に行く人も多いが、人気の海外旅行先は、日本・東南アジア(タイやシンガポールやマレーシア)・韓国とも報道されていた。

 今年の場合は1月20日頃から、スーパーマーケットなどでも「春節」商戦が始まる。縁起の良いとされる「赤」が商品にも店内にも飾られる。街角では、書の達者な人が、人々が家々の玄関口に飾る赤い紙に縁起の新年の言葉の書を無料で一筆書いている光景も見られる。

 赤い提灯が街角や家々に飾られ春節準備が整えられる。大晦日の日には、「春晩」と呼ばれる番組が、全国に放送される。もともとは日本の大晦日番組の「紅白歌合戦」を模したものだったが、近年では日本の「紅白」を10倍以上もすごくしたような「春晩」は、歌や踊りだけでなくさまざまな企画があり、日本の「紅白」の10倍は面白く見ごたえがある。そして、この大晦日には、各家庭で作られる手作り餃子を、家族・一族みんなで食べ、酒も飲みながら、「春晩」を視聴ししながら新しい年を迎えるというのが、中国の伝統的な「春節」の過ごし方。父や母から、または、祖父母たちから、子や孫たちに、赤い祝儀袋に入った「お年玉」も渡される。

 春節の1週間余りが終わると、2週間後の「元宵節」に向けた準備が始まってくる。町々にはランタン的な飾りが通りに飾られる。

 「春節」の終わりとなる「元宵節」もまた面白い。長い龍🐉の作りものが街中を練り歩き、ものすごい爆竹が何度も何度も繰り返し鳴らされる。

 そして、夜空にランタンが上げられる。まあ、これが、1か月間余りも続く「春節・元宵節ムード」の中国の旧正月「春節」と「元宵節」だ。海外に旅行に行く人たちは、大晦日などは故郷で過ごすことが伝統的なので、2月9日以前か2月12日以降に旅行に行く人が多いのかと推定もされる。

 さて、中国南部の亜熱帯気候の福建省は、雪が降らない地方でもあった。だから福建省の人たちは雪を見たことがない人がほとんどだ。ところが、気候変動の影響で北極圏からの大寒波が中国南部の福建省まで南下、今年の1月21日に福建省の省都・福州市でも雪が降り、市の山間地や山になんと、うっすらと積雪した。こんなことは、観測史上初めてのことだった。福建省ではもう梅が満開になっているのだが、この紅梅に雪が積もる光景が、私の知人からもチャットと送信されてきていた。

 そして、福建省福州市の山間地や高地(山)に雪がうっすらと積もった1月21日、そして翌日の22日に、閩江大学卒業生の王文重君の婚約式や婚約披露宴が福州市で行われていた。(※中国では、婚約式のことを「許婚式」と言い、そのためのパーティを「許婚宴」と言うようだ。) 王君の話では、21日は婚約する相手女性の実家の近くの会場で50~60人ほどの宴を催し、22日は王君の実家近くの会場で100人ほどの許婚宴を行ったのだそうだ。結婚式は今年の秋か来年に行う予定だという。彼は現在、日本企業系列の文具メーカー「コクヨ(国誉)」の社員で、福建省駐在員(福建省担当者)として働いている。

 この許婚式・宴を終えて、1月24日から2月3日までの約10日間、王君と婚約した女性(甘[かん]さん)は、京都市を中心訪日地として日本に旅行することとなっていた。23日に私は、ウイチャット(中国版のライン)に、「日本、24日から大寒波、大雪のおそれ」の画像を送信し、寒さ対策の衣類の準備が必要とのメッセージを送った。

■ビザ問題―14日以内なら日本人が中国に行く場合にはビザはいらなかった。(※中国人が日本に14日間以内でも行く場合はビザが必要だった。)  しかし、新型コロナパンデミック発生の3年間があり、中国は厳格なゼロコロナ政策を実施したため、日本人が中国に渡航する場合、14日以内でもビザを取得する必要があった。

    このため日本政府は、中国のゼロコロナ政策終了後、14日間以内の日本人訪中NOビザの復活を要求しているが、中国側は復活条件として、「中国人が日本に14日間以内の渡航の場合のNOビザ」を要求している。(2024年1月23日) この中国側の要求は、相互互恵関係の平等性のためには当然の要求かと思う。早く、日本政府は平等性に基づいた決定をしてほしいと思う。東南アジアのタイやシンガポール、マレーシアなどは最近、中国人の14日間以内渡航NOビザを発表した。


「被災地支援に支障がでるならも万博中止・延期も選択肢の一つとして考えることも‥」と橋下徹氏、出演番組で語る―『週刊現代』最新号の、大阪について論じいる特集記事は秀逸だった

2024-01-30 06:51:50 | 滞在記

 元大阪府知事で大阪・関西万博の誘致に尽力した橋下徹氏が「能登半島被災地支援のためのお金や人員に不足がでるなら万博の中止・延期も考えるべきだ」と発言し注目された。1月18日、関西テレビの情報番組「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下氏は、能登半島震災のニュースのあと、被災地の復旧・復興に関して、来年開催予定の万博のことが語られるケースが多いことについて、以下のように話した。

「僕は万博はやるべきという意見です。ただ、被災地の復旧復興、被災者への支援、そのためのお金が必要だ、人員が必要だということであれば、万博よりも優先されるべきだと思っています。何でもかんでも万博を絶対やれということではないと思います。優先順位とすれば、被災地支援です。ただ、今の段階で万博の工事をすべてやめる必要はなく、工事は進めながら、いよいよ人員もお金も足りないということであれば、その時に万博の中止・延期ということも、考えないといけないと思います」と。

 この橋下氏の発言に対して(ついて)、日本維新の会の藤田文武幹事長は、1月24日の国会内での定例記者会見で、「(被災地復旧・復興に)直接的にこれだけの悪影響が出るんだということを検証して、本当に相当復興の足を引っ張るんだという事実が明らかになった場合、例えば延期をするとか中止をするとかいうオプションを全く閉ざすべきではない」と述べた。その上で、「現行で言うと、通常通りしっかり頑張っていこう」として、2025年の万博開催や被災地の復興支援に支障はない考えを示した。(※12月の国民世論調査では、68.8%の国民が「万博開催」中止というものだった。1月の能登半島大震災か起きた現在、世論調査をすれば、さらに「中止」意見が増加していると推定されるのだが‥。)

■橋下徹氏は1月16日、自身のSNS「X」を更新し、自民党派閥の政治資金問題を受け、自分が立ち上げた日本維新の会が「政治改革実現本部」を立ち上げるとして、日本維新の会の共同代表で大阪府知事の吉村洋文氏が、「政治とお金の大問題についてはどんどん切り込んでいく。民間の感覚でおかしなところは正していく」と発言したことについて、橋下氏は「今は創業時(維新立ち上げ時)と違うので創業のやり方を踏襲するだけではあかんけど、それでも今の維新はお金を使うことを主軸とする政党となり、お金の使い方を正す側面が弱くなったと思う」と自身の見解を述べた。このように、現在の維新の会のお金の使い方への危惧を表明し、維新の会のお金の使い方を改めるべきとの批判を展開し始めてもいる。

 ただ、橋下徹氏の大阪府や大阪市の街づくり構想の根本には次のような考えがあると思われる。

―総合リゾート型構想の街づくり―2009年9月15日、大阪夢洲・咲洲地区まちづくり推進協議会において橋下氏は、大阪市内ベイエリア再開発の一環として、「カジノが一つのキーワード」として次のように発言した。関西の活性化には、都市ごとの役割り分担が必要との考えを示した上で、「京都と奈良を"世界に誇れる観光の街"、神戸を"日本を代表するファッションの街"」と評価。大阪について、「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。ここにカジノ持ってきて、どんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗店やホテル街、全部引き受ける。大阪はエンターテインメントの街でいいじゃないですか。都市で役割分担して、上がってきた税収を分け合えばええじゃないですか」と発言している。

 それから14年後の現在、この2009年の橋下氏の発想・構想の通りに、日本維新の会と吉本興業を中心に大阪の都市づくりが進んできている。そして、国民・府民・市民の生活負担を増大させながら、維新が当初掲げていた「身を切る改革」からほど遠い、「身内以外への身を切らせる政策」にと変貌してきている。そこに、「万博」「カジノ」「F1」がある。

 橋下氏の最近の維新の会への苦言も、維新への世間の批判の高まりで、「やはりこのままでは維新はちょっとまずいかな‥」と思い始めたからなのだろう。でも、自分がまいた種、育ててきた政策下で起きていることなのだが、‥‥。

■1月23日、大阪市観光局が記者会見を行い、観光局理事長の溝畑宏氏が「F1」の誘致を正式に表明した。溝畑理事長は会見で、「F1だけでなく、総合エンターテインメントとして飲食などと組み合わせることで、持続可能なスキムーとなる。その成功事例がラスベガスにもある」と熱弁。開催時期や場所は未定としている。大阪府の吉村知事も、協力に前向きな意向を示している。(※1999年、息子とともにグランドキャニオン観光に行くために、空港経由地として、やむなくラスベガスに2泊したことがある。昼や夜の街のラスベガスだが、そこに住みたいというような街ではまったくない、単なる博打と模造人工的な異空間の街だった。大阪市の構想では、そのエンターテインメントの中心に吉本興行がおかれるのだろう。)

 この大阪市のF1誘致構想は、吉村知事が大阪市長だった2019年にもあったが、その後、採算が合わないなどの理由で断念していた。断念した経緯について読売新聞は、主催のFIA(国際自動車連盟)への支払いだけで400億~500億円かかる一方、チケット販売による収益は30億円程度だと報じている。また、F1レースコースや観客席などの道路整備などの建設費用は膨大な金額が必要ともされている。万博開催の費用がどんどん膨らみ、大赤字のつけが日本国民、及び、大阪府・市にふりかかるなか、F1にまで首を突っ込むというのだから、もはや、日本維新の会の政策は「国民・府民・市民負担増への底なし沼」と批判されてもしょうがないだろう。潤うのは維新と親しい会社だけという構図なのだから‥。

 このF1招致決定の記事に対しSNSでは、「正直、大阪はF1をナメてるとしか思えない。万博ですらグダグタなのに、うまくいくイメージが沸かない」「大阪にF1を誘致する事に関して、まず大阪万博やって成功してから言ってくれないかなあ?あれも莫大なお金かかるよね?!」(※大阪市観光局理事長の溝畑氏[局長も兼任]は、いわくつきの人物のようだ。彼はもともと自治省[現・総務省]の官僚で、大分県に出向していたことから、サッカーチームの大分トリニータの経営面のトップとなったが、経営破綻で辞任した過去をもつ。「信用したらあかん」人物とも評されるのだが‥。)

 一昨日の1月28日付朝日新聞に掲載されていた「週刊現代」の広告にある特集記事の一つのテーマは「大阪ぎらい」。昨日29日の早朝からコンビニなどでも発売され始めたので買ってそれらの記事を読んでみた。この「大阪ぎらい」の記事は秀逸な記事だった。誰がこれを書いたのか執筆者名はなかった(「週刊現代」編集部)が、予想をはるかに上回る記事内容だった。

 「大阪ぎらい―ダウンタウン的お笑いも、万博をごり押しする維新もなんだかなあ‥/日本一の商都と文化都市のなれの果て」と題された記事なので、大阪の悪口ばかり書かれた記事かと読むまでは思ったが、そうではなかった。単なる三文記事的な読者の興味をあおるだけの薄っぺらい内容ではなく、大阪という街の近世・近代・現代の歴史をたどりながら、短編ながらも社会学的にしっかり執筆され、かつ、読者の興味にも応えるという記事だった。まあ、優れた短編「大阪論」という読後感想。

 記事は紙面8ページにわたる。最初のページには、「通天閣」の写真、「選挙カー上に並ぶ橋下・松井・吉村氏」らの写真、ダウンタウンの二人の写真、大阪ミナミの「食いだおれ太郎人形」の4枚の写真。そして、「大阪ぎらい―ダウンタウン的お笑いも、万博をごり押しする維新のやり方も、なんだかちょっと時代とズレてしまった気がする/日本を支えた商都と文化都市のなれの果て」の大きな文字が書かれている。

 次のページからは、「政治をかき回し、芸能界を騒がせ、ほかの地域の人を驚かせるこの街は、しかし、どこかで"無理"をしているようにも見える。‥‥「コテコテ」のイメージりウラにある「大阪の素顔のイメージ」に迫りますとして、▼本当に「関西人はオモロイ」のか?―鋭いツッコミの裏に隠されたもの、▼維新が大阪だけで強い理由―地元では支持率7割超え、でも東京では嫌われ者、▼「東京に負けへんで」が没落を加速させる―衰退を受け入れられない「元・日本一の街/無謀すぎる開発」、▼京都人と神戸人は、なぜ大阪のことが嫌いなのか―「頼むから一緒にせんといて」などと題された記事は、一読の価値あり。大阪市・大阪府民が、なぜ熱狂的に日本維新の会や吉本興業のタレントたちを支持するのかの一端というか本質もこの記事では語られていた。

 同週刊誌には、次の記事も掲載されていた。題して「芸人の遊びかた、ほんま無茶苦茶です―元吉本芸人が実名顔出しで告白!」。元吉本芸人の村越周司氏(1972年生まれ51歳)と長田融季氏(1985年生まれ38歳)の実名・顔写真入りのインタビュー記事だ。二人ともに松本人志氏を尊敬も敬愛もしていると語る人物。そんな彼らが語る吉本芸人たちのこと‥。「俺もヤバイかもと思っている芸人は大勢いる。元吉本芸人の二人は、開口一番、そう口をそろえた。女遊びが芸人の嗜みともてはやされ、勘違い芸人が暴れまわっていた「異常な時代」を暴露する。」と銘打たれ、「"先輩のために女を集めるのも仕事のうち""ホテルに連れ込み、泥酔させる""松本さんは<神>でした""そもそも<モテたい"から芸人になりました"などの記事内容。▼松本さんは変わった▼大阪中の女性をナンパ▼ヤレないとブチ切れる▼いまの若手芸人は‥‥などの小見出し記事。

 この記事を読む限り、吉本所属の多くのタレントたちのレイプまがいの無茶苦茶な女遊びというか性犯罪が語られる。そして、ある意味では松本人志氏を、「彼だけでないで、こんな問題を起こしてるのは‥」と側面的にはかばっている記事とも読み取れる。「こんな女遊びをしていなかったと断言できる吉本芸人は、藤井隆さん・「FUZIWARA」の原西孝幸さん・「バッハロー吾郎」の竹若元博さんくらい。あと、俺の同期のハリウッドザコシショウな。逆に言えばそれ以外はみんな遊んでた。」とも長田氏は語る。

 まあ、橋下徹氏が語る「こんな猥雑な街、いやらしい街はない‥」と語る通りの"裏の街の顔"が大阪なのだろうか。そんな街づくりに奔走しているのが吉本と維新のタッグチームのようにも思える。残念でたまらない‥。

 同週刊誌に、「会社訪問―海洋堂―下町の模型店は世界一のものづくり企業になった」と題された8ページもの写真会社紹介記事が掲載されていた。「フィギュアを芸術に高めた、世界最高の造形集団」「模型の梁山泊は大阪の下町で生まれた」とも題され、世界の海洋堂が紹介されていた。大阪府守口市や門真市の小さなプラモデル屋から世界的な企業に発展した海洋堂。私もこの会社の製品を多数購入して部屋に陳列している。大阪の下町が誇る企業の一つだと常日頃思う「海洋堂」。

 京都の街には、これも京都市内の七條大橋近くの花札・かるた・トランプ製造販売の小さな店から世界的企業となった、「任天堂」がある。(世界的ゲームメーカー) その発祥の店の建物(小さな3階建てビル)は今も残る。そして、その建物は、2022年春にホテルとして改築されて創業家一族がオープンした。

 さて、あと5日後の2月4日(日)、注目の京都市長選挙が行われる。無駄、税金の大きな無駄遣い、環境破壊の北陸新幹線の敦賀―小浜―京都―大阪の延伸ルート問題にも大きな影響を与える選挙だ。このルート計画の中止を求めているのが福山候補。そして、敦賀―米原ルートへの変更を求めているのが二之湯候補。松井候補はどちらかといえば現行ルートに賛成。村山氏はあまりはっきりしたことは言っていない。さあ、どのような結果となるか‥。昨日の新聞やネットでは、「松井氏先行、福山氏激しく追う」「松井氏と福山氏激しく競り合う」と報道されていた。維新の推薦を1月中旬までは受けていた村山氏は、失速している。

 


吉本タレント依存で、地上波での放送番組内容の低俗化など、日本の民放各局の責任はとても大きい―そして、それを視聴する多くの日本国民‥

2024-01-29 05:33:32 | 滞在記

 12月下旬から吉本興業のドンの一人である松本人志氏への性行為スキャンダル問題報道が続く。週刊文春の1月25日号では、「松本人志 ホテル室内写真と女性セレクト指示書(新証拠入手)」と題された記事。▼元吉本芸人が懺悔告白「事前に女性の選抜会がありました」▼美容師・茶髪NG、人妻(子供なし)・中高の先生・スタバ店員希望「女性たちの告白に<事実無根なので闘いま--す>と言ったきり、ダンマリを決め込む松本人志」‥‥。文春砲第三弾―証拠の数々がヤバイ―報道系放送作家が解説(松本人志が逆に訴えられるよ)」と題されたネット記事も掲載されていた。松本氏の直筆で書かれていた指示書には、ほかに、「黒毛・蔦屋(店員)・マクドナルド(店員)・弁護士・広報(の女)」など、女性の職業に関することがほとんどなので、松本氏の性癖は女性の職業に固執する傾向がみられるようだ。

 最近の週刊誌「女性セブン」には、「活動休止 松本人志と女性食事会に参加 中居の重苦しい沈黙」「松本人志が常日頃"芸能界の親友"というのは中居正弘―中居正広、女性も参加した松本人志を囲む飲み会に参加していた」の見出し記事が掲載された。これから発売される週刊文春の2月1日号には、「タレント実名顔出し告発"松本人志さんから19歳の夏に‥」の見出し記事が掲載される予定だ。これも吉本興業の後輩たちによる女性上納システムでの、19歳女性への無理やりの性暴力行為の一つかと思われる。

(※中居正広氏は、まあ「軽薄なのり」かな。ABC放送で毎週土曜日の午前中に放映されている報道番組「正義のミカタ」の司会者・東野幸治氏やレギュラーコメンテーターのほんこん氏などは、吉本所属だが、とても優れた人材だと思う。同じように報道番組の司会を務める中居氏のは、あまり中身をともなわない「軽薄さ」が目立つ。)

 吉本興業は、昨年12月27日に週刊文春が松本人志氏の性的行為強要を報じた際には、「当該事実は一切なく、法的対抗措置も検討していく」と表明したが、この1月24日には一転して、「週刊文春の記事で、"会合で女性たちが精神的苦痛を被った"と指摘した部分については、真摯(しんし)に対応すべき問題」との表明を公式サイトで行った。

 この表明に先立つ2日前の1月22日、松本人志氏は事実無根として裁判所に週刊文春社を提訴した。1月23日付朝日新聞には、「文春の"性加害"報道 松本人志さんが提訴 賠償5.5億円求める」の見出し記事。おそらくだが、提訴しておかないと世間にもっとカッコがつかないので、まあ、とりあえず形だけでも提訴しとこという感じの苦し紛れの提訴かと思われる。

 まあ、見苦しい男だとも思う。ビートたけし氏などは、「松本は遊び方がせこいよ」と語っていたが、私に言わせれば、「松本人志氏とその取り巻きたちも男の風上にもおけないゲス野郎たち」。そして、彼らが出演する番組を視聴する多くの日本国民たち‥。その熱心な視聴者たちも、日本の民放各局とともに、今回の吉本興業所属の松本氏らの性スキャンダル問題を支えているとも言える。

 フジテレビ系のバラエティ番組「人志松本の酒のツマミになる話」(金曜日午後9時58分)。この番組の1月19日放送内容に関する予告(番組公式予告X)を見た視聴者たちは、ネットに、「面白そう、多分、松ちゃんが面白くしてくれるはず」「松ちゃん観れる~嬉しい!」「やっぱり今週まで松ちゃんいる!」「めっちゃ大物でるやん」「見たいなあ!」「今週で終わりとかやめてね」など、松本人志氏を待ち望み応援するコメントがまだ多いようだ。

 写真:左より3枚目(読売テレビ社長の大橋氏)、4枚目(吉本興業の松本人志氏とのツートップのドン・大崎洋元会長)

 日本での人気タレントの性的スキャンダルに対する、日本の大手テレビ局の反応は「鈍い(にぶい)」ものだったと指摘したのは、フランスの新聞社「ル・モンド」(高級紙)だ。この性的スキャンダル問題に「長い沈黙を保つ」、日本の放送局の態度に疑問を呈していた。

 このフランスの新聞社の記事に対して、次のようなコメントなどが寄せられていた。「各テレビ局が自社の社員を芸能事務所に出向させていたり芸能事務所の株主になっていたりと。日本のテレビ局と芸能事務所は同じ穴のムジナ。自浄作用がないことを海外メディアは知っておくべき。」「ジャニーズにせよ吉本にせよ、特定の事務所関係の人間が全テレビ局の報道番組をほぼ牛耳っていたのは異常。そんな状態でフラットに物事を伝えることができないのはある意味当たり前。少なくともこれをきっかけにテレビのあり方は見直されなきゃいけないし、これで何も変わらないなら、本格的にテレビは終わると思う。」などなど‥。

 この一連の"性加害問題"を巡り、1月17日、大阪・読売テレビの社長(大橋善光氏)の会見が行われた。大橋氏は、松本人志氏が出演する「ダウンタウンDX」についても言及したが、その発言内容に非難の声があがった。その発言とは、「例えば、(当社の)報道番組で、松本さんと被害にあわれたとされる女性が対決してくれるというのであれば、今すぐにでも私は放送したい」という内容。この発言に、「読売テレビってこんなこと言ってんのか。信じられんな。二次加害をオンエアするって、どんな人権感覚してんの」「ダメだこれは、終わってる。真面目に人として終わってる。こんなのが社長‥」などの投稿コメントが寄せられていた‥。

 また、日本民間放送連盟(民放連)の遠藤龍之介会長は1月24日、定例記者会見を行い、ダウンタウン・松本人志氏を巡る「週刊文春」の一連の報道について言及した。だが、見解を求められると、「記事を掲載した週刊誌と吉本興業の言い分が対立していて、先般、(松本氏は)提訴もされた。はっきりしない中でコメントすることは難しい」と述べるだけだった。要するにダンマリだ。この日には、吉本興業は、松本氏を巡る問題について一定の事実を認めていて謝罪する旨の公式報告もしていたはずなのだが‥。

■テレビ朝日で法務部長を務め、昨年11月に退職した西脇亨輔弁護士は、民放各局が担うべき今回の問題の責任について次のテーマ記事をネット記事として解説している。「松本人志の裁判に大きく影響する"吉本の変化"と民放各局の責任―テレ朝の元法務部長の弁護士が指摘」

 その西脇氏の指摘の一つが、「吉本興業の大株主の多くが民放各局」という指摘。「2009年、吉本興業が株式の公開買い付けによって上場廃止した際、その資金を提供する形で大株主になったのは、在京・在阪の民放各局だった。これによって、無数の一般株主と株式市場に見張られていた吉本興業の経営は、テレビ局などの取引先を中心とする限られた株主に委ねられた」というもの。(※私がその株主の実情を調べてみたら次のようなものだった。「①フジTV 12.13%の株主、②日本TV8.09%、③TBSTV8.09%、④TV朝日8.09%、⑤TV東京4.04%、⑥毎日TV2.02%、⑦朝日放送2.51%、⑧関西TV1.01%、⑨読売TV1.01%、⑩TV大阪0.40%」。

 つまり、約50%の株主が日本の民放テレビ局が占めていた。これは何を意味するのかというと、日本の民放各局と吉本興行は株式的にも経営的にも相互依存関係が深く、民放各局は、吉本興業の利益や株式価格を上昇させるためにも、多くの吉本興行タレントを使いまくるという構図が見えてくる。ドンの大崎元会長の「政商」戦略に基づく「日本のテレビ局支配」、テレビ局と吉本興行の相互依存状況が見えてくる。そして、政商としての政治的影響を広げるために特に関係を強めたのが、日本維新の会だった。新型コロナウィルス感染拡大問題の2020年からの3年間、特に関西各民放テレビ局は、維新の会の大阪府知事・吉村洋文氏の出演に力を入れていた。

 この結果、今や、民放各局でのあらゆる番組時間帯で、吉本興行所属のタレントを見ることとなっている。特に、午後7時から10時のゴールデン視聴タイムは、バラエティ番組が多く、番組内容の低俗化・幼稚化・低知性化がこの10年間は特にみられる。それを喜び視聴する日本国民の少なからずの人々の群れ。そのように、日本人は飼いならされたと言っても過言ではない。増長・高慢になった吉本所属のタレントたちの所業の一つが、今回の性スキャンダル問題を生んだ背景となっている。

■この1か月間余り、松本人志氏や後輩芸人たちの性スキャンダルが大きな問題となっている。吉本興行の問題点について、吉本所属の漫才師・西川のりお氏は、1月18日に放送された「ますだおかだのラジオハンター(ABCラジオ)」にゲスト出演し、この性スキャンダル問題について次のように言及していた。「僕も吉本にいて53年、たちますけど、会社の初動ミスでしょう」と指摘、「報道があったとき、事実無根って言ったでしょう。無根というのはゼロということ‥‥」などと、吉本興業の対応を批判した。吉本興行所属の6000人余りのタレント・漫才師・芸人たちで、西川のりお氏以外の人たちから、このような吉本興行への意見はとんと聞くことができないのは、残念でもある。辛口批評のほんこん氏などにも語ってほしいのだが‥。

 昨年の前半は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏の性スキャンダル問題が発覚し社会問題となった。だが、このジャニーズ芸能事務所よりも数十倍も日本人の低俗化・知性の低下に影響を及ぼしているのが吉本興業だと思う。その意味で、「吉本・維新が、日本を根底からダメにしてきている」という一連の記事をこのブログでも書いてきている。

■吉本興行所属の芸人やタレント(約6000人が所属)には、とてもまともな、優れた芸人が多いのも事実。タレントとして優れている人も多い。だが、最近の若手のタレントたちのようすを見ていると低俗な人がとても多い。まあ、吉本興業の芸人養成学校で大量粗悪芸人?タレント?を乱造、そんな若手タレントたちが、あらゆる日本の民放番組に出まくっているのだから、日本人の知性の低下への影響は大きいと思う。

 1912年に創業された吉本興行の歴史。2017年10月から18年3月にかけて、NHk朝の連続テレビ小説「わろてんか」でも放映された。(主演:吉本せい役は葵わかな・夫役は松坂桃李) 優れた芸人たちをたくさん抱えてもいた2000年あたりまで。その後、吉本興業所属の芸人たちは粗悪な人たちが増産されはじめ、2009年に大崎洋氏が社長に就任、「政商」路線の確立で株式上場をやめ、大手テレビ局を株主の中心として、日本のテレビ界を支配し、増長していった。

 NHKの長寿番組の一つに「鶴瓶の家族に乾杯」という番組がある。私も長年よく視聴していた番組だが、10年ほど前から視聴したくなくなった。理由は、笑福亭鶴瓶氏のいやらしさが目立ち始めたからだ。この旅番組の中で、ちょっと美しい女性に対しての、いやらしいような言動は視聴していていやになる。吉本興行所属のタレントたちが世間にもてはやされてきたこの10年の流れと、吉本所属の鶴瓶氏のいやらしさか目立ち始めた時期とは対応もする。要するに、「俺たちの笑い?は人気があるんだ」という勘違い、増長・傲慢さを感じてしまう。

 

 

 

 

 

 


日本共産党新執行部を発表❷―若手の新執行部入りには、若干ながら期待もしたいところだが‥

2024-01-26 12:20:35 | 滞在記

 1月18日に閉会した第29回日本共産党大会。閉会後の記者会見場に常任幹部会(25人で構成)委員のうちの7人が会見に臨んだ。中央に議長となった志位和夫氏、その左右に書記局長の小池晃氏と委員長になった田村智子氏。さらにその3人の左右に副委員長筆頭の山下芳生氏と書記局長代行の田中悠氏。そして、左右の両端には、副委員長の一人である倉林明子氏と政策委員長となった山添拓氏。

 大会前と党内の権力構造はほぼ変わらない志位氏トップ、NO2小池氏、NO4山下氏という構図だが、新委員長の田村氏と副委員長(6人)のうちの一人・倉林氏の二人の女性を会見席に配置した。そして、若い年齢層の田中氏と山添氏。国民の支持の低迷と党勢の衰退、党内民主主義問題で揺れ動く党内事情。このような状況を刷新する新人事のイメージを少しでも演出した会見となった。

 さて、「民主集中制」に縛られて、党内民主主義の確立にはまだほど遠い日本共産党だが、それでも、山添氏や田中氏などの比較的若い年齢層の人が会見席の2人を占めていたことには、今後の日本共産党の民主的改革への光明ではあった。では、平均年齢68歳前後と推定される日本共産党党員組織のなかでの、まあ、若手のポープとも期待される山添氏や田中氏、そして、その他の3人について少し述べておきたい。

 1994年に「小選挙区比例代表並立制度」が衆議院・参議院の国政選挙導入されて以来、なかなか小選挙区での当選が困難になった日本共産党。だが、2014年以降のここ10年間で、比例当選ではなく小選挙区で当選した日本共産党候補者が二人いる。(いずれも東京選挙区)  そのうちの一人が山添拓氏(39歳)。2016年の参議院議員選挙で初当選し、2022年にも再選されている。1984年、京都府向日市に生まれ、東京大学法学部や早稲田大学大学院法務研究科を経て弁護士となった山添氏。日本共産党の若きホープとしての期待も大きい。

 2022年の再選後、youtubu(ユーチューブ)放送チャンネル局の「ABEMAニュース」にも出演し、日本共産党の将来に関してのコメンテーターたちからの様々な質問に答えていた。

 まあ、その受け答えを見ている限り、それなりに今後の日本共産党の党内民主主義確立にむけた一人の潜在的な人材だという感はあった。

 田中悠氏(44歳)は、民主青年同盟(民青)の委員長時代があり、2016年に准中央委員から中央委員に昇格し、書記局次長(4人)の一人になった人物だ。そして、今回の新人事では、副委員長の一人になっている。

 小選挙区で参議院選挙で2013年に初当選(東京選挙区)、2019年にも再選された吉良佳子(きらよしこ)氏(41歳)も若手ホープとして期待される一人だ。田中氏も吉良氏も、そして、山添氏も、日本共産党の常任幹部会(25人で構成)の委員。

 ほかに、若手や中堅としての期待がもてる二人の人物として名前が挙げられているのが辰巳孝太郎氏(47歳)と清水忠史氏(55歳)。いずれも現在は中央委員の一人だが‥。辰巳氏は2013年の参議院議員選挙にて比例当選(大阪選挙区)。2019年の同選挙では落選した。2023年の大阪府知事選挙では吉村洋文氏に敗れている。清水忠史氏は、2014年の衆議院議員選挙にて比例当選(大阪選挙区)。2019年には、宮本岳志氏の退任にともなう補欠選挙にて繰り上げ当選をした。だが、2021年の衆議院選挙では比例当選はできなかった。次期衆議院選挙での大阪4区の候補者に決定している。

 以上5人(田中・山添・吉良・辰巳・清水)などの若手・中堅の人たちには、日本共産党の民主化に向けて期待もしたいが、日本共産党は次のような組織構成で成り立っていて、中央委員の多くがいまだ旧守派(非改革f派)の人たちが多くを占めてもいるのかと思われる。

 ■①常任幹部会(25人で構成)。②幹部会(61人で構成) 。③中央委員会(190人で構成)。④准中央委員(25人)

■私の身近にいる親しい日本共産党員の人たちとは、よく酒を飲んだりして政治・社会談議に及ぶことも多い。およそ10人以上はいるそれらの党員の人たちの年齢は68歳前後~75歳前後。彼らの口から、この日本共産党の民主的改革(民主集中制改革や廃止、党首公選制など)の話を話題にすることは、残念ながらほぼ少ないので私の方からその話題を出すことが多い。

 なぜなのだろうか?と考えてみる。若い時から日本共産党の活動で日本社会の改革を求め続けて活動をまじめに取り組んできた彼たちもやはり高齢になってしまっていることだ。活動に献身的に取り組んできた人生の中で、老境にはいり、これまでの人生を捧げてきた日本共産党の悪口というか批判は、あまりしたくはないのだろうかとも思われる。その意味でも、日本共産党員平均年齢が70歳に近いという現実は、党の民主的改革を遠ざける一つの要因となっているようだ。

 また、日本共産党の地方議員となっている友人たちは、まだまだ、そのことを話題にするには党からの圧力的怖さもあるのかと思う。党改革の勇気はもってほしいと思うのだが、彼らも生活がかかっているからなあ‥。

 1月23日付朝日新聞には、「"敵失"生かせず 野党連敗―首長選 政権批判票が分散―結集立たない道筋」の見出し記事。1月に入り全国各地で市長選挙などが行われていたが、自由民主党の派閥金銭問題が大きくなる中での"敵失"的な状況にも関わらず、野党候補が連立結集できず連敗しているという報道内容だ。連立・結集できない原因の一つに日本共産党の非民主的党内体質問題があると指摘もされる。

■日本共産党と共闘関係を組むことも多い社民党(福島みずほ党首)。現在、国会議員は2人、党員・党友が1万人余りの弱小政党となっている。この社民党の福島党首がこの1月に訪中した。1月19日には、中国共産党の政治局常務委員(チャイナセブン)の一人で、政権序列No4の王滬寧氏との会談を行った。大国中国の政権NO4の大物が、なぜ、日本の弱党政党の党首との会談に応じたのか。そこには中国側の思惑があった。その思惑とは、社民党が福島原発の処理水放出に反対しているからだ。改めてこの問題での中国側の主張の正当性をアピールする狙いがあるために、会談に応じたという形だろうか。この会談で、福島第一原発の処理水放出に反対することで一致したとの会談共同声明を出した。

 だが待てよ。この記事に対する意見として次のような声が寄せられていた。「福島原発の処理水より、中国の通常運転中の原発の方がトリチウムの放出量は上回る。例えば、日本海沿岸で稼働している中国の4か所の原発だけでのトリチウム放出量は年間447兆ベクレル。対して福島第一原発処理水の年間放出量は22兆ベクレル」。はたして、社民党の福島党首は、このことを中国側にも提示し是正を求めていたのだろうか。そんな話は一連の記事には書かれていなかった。(※日本に対するビザ緩和と中国で拘束されている日本人釈放については王氏などに求めたようだが。)

■昨年2月16日から19日にかけて、私は日本共産党に関する次のブログ記事を連載しています。参照ください。①2023年2月16日「日本共産党の党内民主主義の欠如と"民主集中制"―自由な党内論議ができない日本共産党を憂う➊」、②2月19日「日本共産党の党内民主主義の欠如と"民主集中制"―この70年間でたった3人だけの党首という長期党支配❷」、2月19日「衰退著しい日本共産党の現状と、"民主集中制"を"呪縛のように維持し続ける"ことの悲しきなぞ‥。➌」、2月19日「"赤旗日曜版"に掲載された"松竹氏を巡る問題"の志位委員長会見内容に疑問を呈する‥‥有田芳生さんのこと➍」。

 

 

 

 

 

 


日本共産党新執行部体制➊―党の新委員長に田村智子氏、しかし、党内民主主義に関する意見には糾弾、「田村よ、お前もか」との声が‥

2024-01-25 16:25:59 | 滞在記

 1月15日から18日の日程で、「日本共産党第29回大会」が静岡県熱海市の会場で開催された。(ほぼ4年に1回開催・前回は2020年1月)  特に近年は国政選挙のたびに議席を減らし、日本共産党機関紙の「赤旗」(日刊紙・日曜版)も最高購読者数約355万部(1980年)から約85j万部までに減少、党員数も最高党員数の約52万人(1990年)から約25万人にまで減少し続けている。(党員の平均年齢は68歳前後と推定される。[2014年の日本共産党発表では、57.2歳])

 前回大会では、立憲民主党・国民民主党・社民党などの政党からの来賓参加があったが、今回はそれらの政党からの来賓参加はなかったようだ。

 大会最終日の1月18日には、日本共産党の新執行部体制が発表された。委員長には田村智子氏(58)、書記局長は小池晃氏(63)(留任)、議長には委員長だった志位和夫氏(69)が就任。おそらく新執行部体制下での権力NO1は志位氏、NO2は小池氏、NO3に田村氏という序列かと思われる。さらに、6人の副委員長には山下芳生氏(63)[筆頭副委員長](留任)NO4、浜野忠夫氏(91)(留任)、市田忠義氏(81)(留任)、緒方靖夫氏(76)(留任)、倉林明子氏(63)(留任)となった。副委員長のうち5人は留任人事である。そして、田中悠氏(42)が副委員長に。また、国会対策委員長(衆院)の穀田恵二氏(77)も留任となった。

 つまりは、志位氏が2006年以来空席となっていた議長になり実権NO1を維持し、委員長の後任に田村氏が入ったということ以外は、ほぼ大会前の党内権力構造を踏襲・維持した人事と思われる。残念ながら新委員長の田村氏には、民主主義的党内改革を進めていくということは今のところ、力量的にも考え方的にも期待はできないようだ。志位氏や小池氏や山下氏の意向を忖度しながら委員長職にあたっていく人物にすぎないかと思われる。そして、長らく党権力の中枢にいた不破哲三氏(93歳)が、25人で構成されている常任幹部会委員を退いた。(※高齢副委員長の浜野氏91歳や市田氏81歳は、この不破氏の最側近でもあり、この二人の副委員長留任は、不破氏が常任幹部会委員を退く条件だったのかもしれないと推測もされている。)

 少し今回の新人事では、田中悠氏が副委員長(書記局長代行兼務)や山添拓氏(39)(政策委員長)の40歳前後の二人が、党のそれなりに重要なポストに就任したことは、多少なりの人事変化として注目はされる。

 1月19日付朝日新聞には、「共産委員長に田村氏 23年ぶりに交代 志位氏は議長に」「共産党の新執行部 議長・志位和夫氏、委員長・田村智子氏、書記局長・小池晃氏、副委員長・山下芳生氏ら6人、政策委員長・山添拓氏」「低迷の共産 刷新演出―歴代最長 増幅した不満―議長に残る志位氏"院政"の見方」などの見出し記事や「党を開く変革伴なわねば」と題した社説記事が掲載されていた。

 大会前には、ネット記事などで「共産党の中堅・若手有望株」として田村氏や山添氏、そして辰巳孝太郎氏(47)などが挙げられていた。その田村氏と山添氏は、今回の新人事で昇進したことは、それなりに注目に少しは値はするが‥。大会2日目の16日には、党首公選制の導入や党内民主主義の確立を主張して除名された元党職員の松竹伸之氏(元外交部部長)の再審請求を却下するとこの党大会で決定された。(再審要請を受け付けない、つまり棄却するという決定。)

 この再審請求は事前に約800人余りの大会代議員に図られる(資料配布など)ことなく、大会幹部団21人の密室で決定された(再審棄却)ことを、16日に山下副委員長により突然に一方的な決定事項として報告がなされたものだった。(代議員は決定事項として受け止め、議論事項となっていなかったため、発言も難しい状況だったと推測される。) しかし、それでも「異論」を完全に抑えることはできなかった。神奈川県議員団長の大山奈々子氏が次のような"勇気ある発言"を行ったのだ。

 「次に、松竹氏の除名問題で顕在化した党内民主主義の課題についてです。昨年地方選挙前に松竹氏の著作が発刊され、その後まもなく彼は除名となりました。(中略)  何人もの人から『やはり共産党は怖い』『除名はだめだ』と言われました。将来、共産党が政権をとったら、国民をこんなふうに統制すると思えてしまうと。問題は出版したことよりも除名処分ではないでしょうか。(中略) 『除名』は対話の拒否にほかなりません。排除の論理ではなく包摂の論理を尊重することは、政党運営に求められています」と、至極まっとうな発言だった。

 党大会は「自由な討論」が許される場であるはずなのに、この大山氏の発言を、次のように徹底的に糾弾したのは、ほかでもない"日本共産党初の女性党首"となった田村智子氏だ。次のように大山氏を糾弾した。「党大会での発言は一般に自由であり、自由な発言を保証している。しかし、この発言者(大山氏)の発言内容は極めて重要だ。私は『除名処分を行ったことが問題』という発言を行った発言者について、まず、発言者の姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘する。(中略)   組織と組織原則への攻撃を断固として打ち破り、党の統一と団結を固め合い、これからも民主集中制の組織原則に基づいて強く大きな党をつくり歴史を開く。この決意をここに表明するものだ」と。

 私も大会前には田村氏には少し期待するところもあったが、まっとうな意見(異論)を「党への攻撃」とみなすと発言者を糾弾したのが、残念ながら"日本共産党初の女性党首"の姿勢だと知ってがっかりもした。「時代錯誤」の一般国民にも到底受け入れがたい非民主的な党運営の根本原因である「民主集中制」。日本共産党の党内民主主義の確立はまだまだ遠いようだ。残念ながら‥。『週刊文春』のインターネット報道である1月19日付「文春オンライン」には、「<田村よ、お前もか>共産党初の女性党首が"勇気ある発言"をした女性党員を糾弾 志位氏退任も閉鎖的な体質変わらず」と題された記事が掲載されていた。

■民主集中制の党内制度のも(現在も「民主集中制」という組織原則を維持しているのは、①中国共産党、②ベトナム共産党、③ラオス人民革命党、④キューバ共産党、⑤北朝鮮労働党[※①②③④⑤はいずれも一党支配の政権党]。他には資本主義国での政権党ではない⑥ポルトガル共産党と⑦日本共産党の7つだけである。)

■約70年間でたった3人だけの党首という超長期党支配の日本共産党の歴史。―①宮本賢治氏「1958年党書記長(トップとして実権を掌握)、1970年党委員長、1980年から1997年まで党議長として君臨。」2007年に98歳で死去。②不破哲三「1970年に党書記局長、1982年党委員長、2000年から2006年党議長、2006年~2024年1月常任幹部会委員」③志位和夫氏「1990年党書記長、2000年党委員長、2023年1月党議長」

 まあ、一人平均すると党のトップに君臨するのが23年もの長さとなる。江戸時代は15代の将軍が君臨したが、将軍在位の平均年数は18年間だった。

 不破氏は常任幹部会委員を完全退職したが、神奈川県にある不破氏が個人邸宅のように長年暮らしている豪邸(約1000坪)は退去するのだろうか。この敷地内には4棟の建物があるが、そのうち2棟は日本共産党の党所有物となっている建物だ。(地元の小学校と同じくらいの敷地面積)  この敷地内にある党の建物も、不破氏は私邸のように使用していると報道もされている。

 25人で構成されている常任幹部会の年間給与は1000万円以上、委員長職ともなれば年間給与は4000万円余りとも報道される。一般の党職員や地方の党専従者との所得の違いもとても大きい。(一般党職員や党専従者の年間所得は平均で200万円から300万円と報道されてはいる。)