長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

気にいらぬ風もあろうに柳かな 堪忍

2012-10-28 08:13:59 | Weblog
仙崖和尚の言葉だ。禅画で風になびく柳がかかれ、落款のところに
「堪忍」と書いてある。出光美術館が保有している代表的な絵。
いろいろな風は、人間関係みたいなものを象徴している。
いろいろな人がいる。付和雷同にゆらゆらしてつくろっているように
みえても、しっかりと太い幹があるので、根幹はブレていない。
「おもねる」ことばかりしていると、やはりブレてしまう。しっかりと
土台をきめることが大事である、という悟りだろう。堪忍、という言葉
がきいているね。

昨日は、柳を寸胴にいけた。竹の寸胴に、くばりをつくて「土台」をつくる。
無心で柳の木を削り、Vの字にする。「無心」というのは座禅なんかによくでて
くるけど、今、目の前にある仕事に集中したり、好きなことをする時、時間を
忘れたりする、あの感覚。やはり好きな仕事をする、やりがいのある仕事をする、
というのは大前提。この「くばり」という土台ができたら、花の仕事の9割は
できたも同然。そこに真になる柳を立てる。「真」というのは、「心」に通じ、
天真というのは、人間の本性のことをいう。真がまっすぐに立つ、というのは
心のおきどころをまっすぐにすると同意語である。そこに、女房役の「副」(そえ)
をたて、真の前後に、前あしらえ、後あしらへをおく。躰(たい)には、りんどう
をおいた。「真」「副」「躰」のバランスが、まんだらの宇宙みたいなバランスを
つくる。日常生活における美意識にもとても大事な感覚。

今日は「落語で蕎麦会」があるので17時に閉店。

明日は、「卵かけごはん」
夜は「順受の会」