京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

映画『風立ちぬ』を見てきました。

2013-07-23 07:22:55 | 定年後生活


昨日映画『風立ちぬ』を見てきました。
定年退職後映画を見るのは2本目です。少ないですね。
宮崎駿監督の映画ということで、期待して見に行きました。
平日で朝一番の上映時間にも関わらず観客は多いと思いました。
年齢層は20代から60代と幅広かったです。
公表されている映画 のあらすじと解説を載せておきます。

あらすじ
大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌に よる不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機 の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプ ローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいとい う野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った 菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核 にかかってしまう。

解説
宮崎駿監督がゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄を モデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青 年の姿を描くアニメ。美しい飛行機を製作したいという夢 を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女 との出会いと別れをつづる。主人公の声には『エヴァンゲ リオン』シリーズなどの庵野秀明監督を抜てき。ほかに、 瀧本美織や西島秀俊、野村萬斎などが声優として参加す る。希代の飛行機を作った青年の生きざまと共に、大正か ら昭和の社会の様子や日本の原風景にも注目。

映画を見終わった私の感想です。
1930年代は日本が戦争へ向かっているときです。
ゼロ戦はかつての戦争の殺傷兵器の主役の一つです。
ゼロ戦で多くの命が犠牲にもなりました。
そう意味では非常に複雑な思いで見ました。

堀辰雄は代表作『風立ちぬ』という小説のなかで、
『風立ちぬ いざ生きめやも』とポール・ヴァレリーの詩を訳した一節を入れました。
それは生きる覚悟と不安の入り交じった複雑な言葉です。

かつての時代は、不条理な戦争そして当時は不治の病だった結核で、
多くの若者がどんなに生きたくても生きられない時代でした。
そういう時代の「いざ 生きめやも」ではなく、
「生きねば」と宮崎駿さんは強いメッセージを込めたのだと思いました。
この映画は、宮崎駿さんのかつての時代への鎮魂であり、
現代の若者への激励だと思いました。

小説の『風立ちぬ』で結核で亡くなる婚約者の名前は『節子』 ですが、
堀辰雄は『菜穂子』という小説も書いています。
小説は堀辰雄の体験を元に書かれた叙情豊かな純愛小説です。
宮崎駿さんは堀辰雄の作品がよっぽど好きなのだと思いました。

当時の時代背景の絵が非常に精緻で見応えがあります。
震災を逃げ惑う群衆は迫力があります。

音楽久石譲、主題歌 荒井由実も抑えた感じで良かったです。

家に帰り、昔読んだ堀辰雄の『風立ちぬ』をもう一度読み返してみました。










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