人間、生まれ育った環境も、親の躾も、性格もバラバラです。
ですからいろんな価値観、考え方を持った人がいる訳です。
一方、企業として市場や顧客のニーズに合わせて自社の商品やサービスを販売し、
利益を生み続けなくては、経営を継続することはできません。
組織で働くのであれば、会社の方針、戦略、そして上司の指示を守らなければなりません。
組織としてより成果を出すために、メンバーの考え方が同じであった方が良い。
だから考え方を皆一つに、とリーダーは考えがちになるかと思います。
しかしながら、昨日読んだある記事には、
「人の心なんて教育できるものではない」
ということが書かれてありました。
もう衝撃でした。
しかもその記事で取り上げられているのは、中学校の校長先生だったのです。
その記事で最も感銘を受けたのは、目的と手段という視点で考えれば、
目的=良い行動ができる人間を育てること
手段=人の心を良い方向に変えていくこと
というように定義できる。
ビジネスの世界で最も大切なのは行動です。
どんな行動を取るかで成果は変わります。
一人ひとりの行動がバラバラにならないように、
そのベースとなる社員さんの考え方を同じベクトルに向けたい訳ですが、
社員さんが増え、組織が大きくなっていくとそれもなかなか難しくなってくると思います。
その時にベースの考え方や価値観が、皆同じでなければならない、
というのは経営者のエゴなのではないか、とこの記事を読んでいて感じたのです。
人の考え方を変えるのは難しいですが、
人の行動を考えることは可能かもしれない。
例えば、人を差別する心を完全に消し去ることはできませんが、
人を差別する行動を取らないことは、意識すれば誰にでもできる。
これと同じように、行動を変えるところから入っていくと、
ひょっとしたら、考え方の方向が違っていた社員さんが段々と同じ方向を向いてくれるかもしれない。
まずは行動を変えてもらうところから始める。
そう、だから一倉定先生は環境整備こそ最も重要とおっしゃっておられたし、
吉田兼好は大昔に「外相もし背かざれば、内相必ず熟す」と記していたんだ、と納得。
社員さんの心を一つにすることは無理ですが、
行動の基準をつくり、それを徹底していくうちに、組織が一体化していくと思います。
皆さんの会社に行動の基準はありますか?