鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4723回】 FC・VCの展開

2023年12月05日 | 住宅コンサルタントとして

建築業界では、数年間結果が出ると、

FC・VCを立ち上げ、展開したがる経営者が

定期的に出現します。

 

過去、2005年頃には、

リフォーム業界でそのブームがメチャ起こっていました。

 

1店舗2~5億のリフォーム店を

複数店舗展開したら、

なぜかそのノウハウを業界内で売りたがる会社が

結構な数、出てきたのですね。

 

ところが、2010年までにそのほぼ全ての本部は消滅し、

FC・VC本部を立ち上げた会社の大半は倒産しました。

 

更に2010年前後に住宅業界で調子が良い会社数社が、

これまたFC・VC本部を立ち上げましたが、

その頃から今日まで、まともに活動している本部は、

片手で十分収まるほどで、大半は消滅したか、

ほぼ本部として機能していない感じです。

 

FCVC本部を展開していた会社も、

銀行の管理下で経営していたり、

組織がほぼ崩壊しかけていたり、

後継者をつくれず、組織が高齢化してしまっていたりと、

なかなか苦戦している会社が多いようです。

 

なぜ、FC・VC本部を立ち上げた当時は

その会社の業績が良かったのに、

10年強経過するとうまくいかなくなるケースが増えるのか?

 

答えは単純で、

お客様の嗜好は変化し、

ライバル会社のレベルは上がり、

市場が常に変化していくのですが、

その変化に適応できなくなっていくからです。

 

市場の変化に合わせて、

商品を開発し、マーケティング手法を変え、

ビジネスモデルも変化させていかなくてはなりません。

 

FC・VC本部を立ち上げて、

その加盟店増加に注力すればするほど、

本業の住宅会社の経営がおろそかになり、

市場の変化に適応できなくなっていくケースが多いのです。

 

更に経営者も確実に年齢を重ねていく中、

経営者の感性も通用しなくなっていくので、

自社の経営にしても、FCVC本部のノウハウ開発にしても、

若い感性を持った後継者をつくっていない場合、

変化に適応しづらくなっていくのですね。

 

FCVC本部を立ち上げたということは、

加盟店さんに対する責任は大きいです。

 

だから市場の変化、ライバルの進化に適応して

ノウハウを開発し続けられる会社が

FCVC本部を展開するのは大賛成なのですが、

ノウハウ開発の継続が難しい会社が

ノリでFCVC本部を立ち上げて展開しても、

最終的に大やけどをするだけだよな、と思っています。

 

今、自分たちがそれなりにうまくいっていることは素晴らしい。

 

でも今の成功のノウハウは時間の経過と共に陳腐化します。

 

今のノウハウの切り売りでは、結局はうまくいかない。

 

FCVC本部を立ち上げるかどうかは、

そこを理解して、決断すべきことなのです。


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