鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第607回】 営業マンの存在意義

2012年08月29日 | 住宅コンサルタントとして
競合企業があり、その会社から自社よりも安くて提案内容も同レベルの見積が提示されている。

こういう場合、価格を合わせて受注しますか?
それとも、競合より価格を安く提示して受注しますか?

営業マンの役割って、そもそも何なのでしょう?

大学を卒業して9年4か月。
私は、建築資材メーカーで、主にキッチンやユニットバスなどの営業をやっていました。

私は営業という仕事で№1になりたいとずっと思っていましたので、
営業マンデビューした際、とにかくたくさんのお客様を訪問し、商品の売り込みをトコトンやっていました。

でも、自分が思うようには全然買っていただけません。

なぜ、買っていただけないのか?
どういう条件であれば、買っていただけるのかをお客様に教えていただいておりました。

すると、

「材質が木製じゃね・・・。ウチはホーローじゃないと、社長がいいって言わないんだよね・・・」
「やっぱり、価格がおたくは高いよね。安くしてくれないと・・・」
「この感じの色のキッチンの方が好まれているんだよ。おたくにはこの色の扉、無いよね」
「お風呂の下の断熱サポートが、大工がすごく施工しやすいって言うんだ。
おたくも出したら、考えてあげるよ」

など、お客様からいろんなことを教えていただきました。

当時、私はバカ正直だったので、
お客様がおっしゃるそれらの条件を満たせば、買っていただけるだろうと思い、
本社に研修で行くたび、それから支店内の偉いさんに会うたびに
お客様に言われたことをそのまま会社のいろんなスタッフに伝えていました。

でもある時、当時の上司に教えていただいたのです。

この話は、このブログの中で何度も言っているので、
「またか・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご容赦下さい。

「競合他社より、品質も良くて価格も安いと、何もしなくても売れるだろう。
それじゃ、俺もお前も会社にとって不要だよな?
競合他社よりも劣っている部分を補うために、営業マンがいるんだろ!」

この言葉は、売り手側の視点で見た際の、営業マンの存在意義となります。
まさしく会社からしたら、だまっていても売れない商品を売るために、
営業マンを雇用している、ということでしょう。

そして、お客様の視点に立てば、

「お客様の問題解決のお手伝い」
「数多くの選択肢の中から、自分にとってベストの選択を出来ない、
また、いつ購入すべきか、どこから購入すべきかを決断出来ないお客様の決断のお手伝い」

というのが、営業マンの存在意義になるでしょう。

真の営業マンであれば、お客様の潜在的なニーズや困っていることを把握し、
その解決策提案を自社の商品やサービスでおこなう、ということになるでしょう。

単に価格を合わせて受注する、とか損得だけでお客様に買っていただこうという、
レベルの低い営業マンは、これからますます不要になると思っています。

営業マンの存在意義。
皆さんは、どう自分なりに定義しますか?
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