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20/12/24 商標法13条2項の解説

2008-12-24 08:51:48 | Weblog
★商標法13条2項
 特許法第33条第1項から第3項まで及び第34条第4項から第7項まで(特許を受ける権利)の規定は、商標登録出願により生じた権利に準用する。

※特許法33条1項~3項を準用しています。
 読み替えると、下記のとおりとなります。
1 商標登録出願により生じた権利は、移転することができる。
2 商標登録出願により生じた権利は、質権の目的とすることができない。
3 商標登録出願により生じた権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない。

※特許法33条4項は準用していません。
 特許法33条4項は、「特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定し、又は他人に仮通常実施権を許諾することができない。」と規定しています。
 商標法においては、仮通常実施権及び仮専用実施権に関する制度を設けていないからです。

※特許法34条4項~7項を準用しています。
 読み替えると、下記のとおりとなります。
4 商標登録出願後における商標登録出願により生じた権利の承継は、相続その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官に届け出なければ、その効力を生じない。
5 商標登録出願により生じた権利の相続その他の一般承継があつたときは、承継人は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
6 同一の者から承継した同一の商標登録出願により生じた権利の承継について同日に二以上の届出があつたときは、届出をした者の協議により定めた者以外の者の届出は、その効力を生じない。
7 特許法第39条第7項及び第8項の規定は、第2項、第3項及び前項の場合に準用する。

※特許法34条1項~3項は準用していません。
 特許法34条1項~3項は、下記のとおりです。
1 特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない。
2 同一の者から承継した同一の特許を受ける権利について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた者以外の者の承継は、第三者に対抗することができない。
3 同一の者から承継した同一の発明及び考案についての特許を受ける権利及び実用新案登録を受ける権利について同日に特許出願及び実用新案登録出願があつたときも、前項と同様とする。

※特許法34条1項~3項は、特許出願前における特許を受ける権利について規定しています。
 商標法では、商標登録出願前において「商標登録を受ける権利」は、発生しません。商標は創作物として保護されるものではないからです。すなわち、商標を採択したからといって、その時に商標登録を受ける権利は発生しません。
 商標法では、商標登録出願をして初めて商標登録出願により生じた権利が発生します。
 したがって、特許法34条1項~3項の規定を商標法において準用する余地がありません。
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