(在外者の特許管理人)
第8条
第1項
在外者は、特許管理人によらなければ、手続及び行政処分に対する訴訟を提起することができません。あて先が日本国内にあることを要求しています。
在外者とは、日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない者をいいます。国籍は問いません。日本国内にあて先のない者は在外者となります。例えば、日本国内に住所がなくて、米国に住所がある日本国民も在外者となります。米国人であっても、日本国内に住所がある者は、在外者にはなりません。
特許管理人とは、在外者の特許に関する代理人であって日本国内に住所又は居所を有するものをいいます。委任代理人のうち、特に在外者の委任代理人を特許管理人と名付けています。
政令で定める場合は、在外者が自ら手続をしたり行政処分に対する訴訟を提起することができます。
政令で定める場合とは、特許管理人を有する在外者(法人にあっては、その代表者)が日本国に滞在している場合をいいます(特許法施行令1条)。すなわち、第1に、特許管理人を有する在外者であることが必要となります。特許管理人を有しない在外者は、日本国に滞在していても手続や訴訟提起はすることができません。第2に、在外者が日本国に滞在していることが必要となります。法人の場合には、代表者が日本国に滞在していることが必要となります。
手続とは、3条2項において定義される手続をいいます。すなわち、特許出願、請求その他特許に関する手続をいいます。
在外者が特許出願をする場合には、在外者が特許管理人との間で特許出願の委任契約をしたうえで、願書の出願人の欄には在外者の氏名等を記載し、願書の代理人の欄には特許管理人の氏名等を記載して、特許管理人によって特許出願をすることが必要となります。
在外者が特許庁に手続をする場合のほか、特許庁の行政処分に対して訴訟を提起する場合にも、特許管理人が必要となります。行政庁がした処分に限定されていますので、特許権侵害訴訟のような民事訴訟については、本条の適用はありません。民事訴訟の代理人については、民事訴訟法の規定が適用されることになります。
行政庁がした処分には、審決取消訴訟(178条)、行政不服審査法による決定又は裁決の取消訴訟(行政不服審査法)が含まれます。
第2項
本項は、特許管理人の代理権の範囲について規定しています。
特許管理人は、原則として、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理することになります。
通常の委任代理人に比較して、広範な代理権が認められています。一切の手続ですので、代理権の範囲が制限されていない限り、特許出願の放棄や取下げのような不利益行為についても特許管理人はすることができます。
行政処分に対する訴訟においても代理権を有することになります。
ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、制限された範囲では、代理権を有しないことになります。
例えば、特許出願の放棄や取下げについて代理権を制限することができますので、制限された場合には、特許管理人は特許出願の放棄や取下げをすることはできないことになります。
特許管理人の代理権を制限していない場合には、特許権の発生後においても特許管理人は代理権を有することとなります。したがって、特許権の放棄の手続もすることができることになります。
特許管理人の代理権について争いが生じた場合には、特許管理人は、委任状等によって代理権のあることを証明することが必要となります。現在は、特許管理人の登録制度が廃止されていますので、在外者と特許管理人との委任契約の内容によって特許管理人の代理権の範囲を判断することになります。
第8条
第1項
在外者は、特許管理人によらなければ、手続及び行政処分に対する訴訟を提起することができません。あて先が日本国内にあることを要求しています。
在外者とは、日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない者をいいます。国籍は問いません。日本国内にあて先のない者は在外者となります。例えば、日本国内に住所がなくて、米国に住所がある日本国民も在外者となります。米国人であっても、日本国内に住所がある者は、在外者にはなりません。
特許管理人とは、在外者の特許に関する代理人であって日本国内に住所又は居所を有するものをいいます。委任代理人のうち、特に在外者の委任代理人を特許管理人と名付けています。
政令で定める場合は、在外者が自ら手続をしたり行政処分に対する訴訟を提起することができます。
政令で定める場合とは、特許管理人を有する在外者(法人にあっては、その代表者)が日本国に滞在している場合をいいます(特許法施行令1条)。すなわち、第1に、特許管理人を有する在外者であることが必要となります。特許管理人を有しない在外者は、日本国に滞在していても手続や訴訟提起はすることができません。第2に、在外者が日本国に滞在していることが必要となります。法人の場合には、代表者が日本国に滞在していることが必要となります。
手続とは、3条2項において定義される手続をいいます。すなわち、特許出願、請求その他特許に関する手続をいいます。
在外者が特許出願をする場合には、在外者が特許管理人との間で特許出願の委任契約をしたうえで、願書の出願人の欄には在外者の氏名等を記載し、願書の代理人の欄には特許管理人の氏名等を記載して、特許管理人によって特許出願をすることが必要となります。
在外者が特許庁に手続をする場合のほか、特許庁の行政処分に対して訴訟を提起する場合にも、特許管理人が必要となります。行政庁がした処分に限定されていますので、特許権侵害訴訟のような民事訴訟については、本条の適用はありません。民事訴訟の代理人については、民事訴訟法の規定が適用されることになります。
行政庁がした処分には、審決取消訴訟(178条)、行政不服審査法による決定又は裁決の取消訴訟(行政不服審査法)が含まれます。
第2項
本項は、特許管理人の代理権の範囲について規定しています。
特許管理人は、原則として、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理することになります。
通常の委任代理人に比較して、広範な代理権が認められています。一切の手続ですので、代理権の範囲が制限されていない限り、特許出願の放棄や取下げのような不利益行為についても特許管理人はすることができます。
行政処分に対する訴訟においても代理権を有することになります。
ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、制限された範囲では、代理権を有しないことになります。
例えば、特許出願の放棄や取下げについて代理権を制限することができますので、制限された場合には、特許管理人は特許出願の放棄や取下げをすることはできないことになります。
特許管理人の代理権を制限していない場合には、特許権の発生後においても特許管理人は代理権を有することとなります。したがって、特許権の放棄の手続もすることができることになります。
特許管理人の代理権について争いが生じた場合には、特許管理人は、委任状等によって代理権のあることを証明することが必要となります。現在は、特許管理人の登録制度が廃止されていますので、在外者と特許管理人との委任契約の内容によって特許管理人の代理権の範囲を判断することになります。